日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

県民健康管理調査の実態

 福島第一原発の事故後、野田首相、細野元原発相、佐藤知事などが何回も口にしたのが「福島県民の健康を
守るための管理をしっかりやっていきたい」という言葉だ。福島県が実施している県民健康管理調査について、
専門家による検討委員会に先立ち、秘密裏の「準備会」が行われていた問題で副知事が10月の県議会で、
「あらかじめ調整するという事実はなかったが、誤解を招いた」として陳謝した。原子力委員会での秘密会合を
連想させるニュースだが、県民健康管理調査の実態も、知っておく必要がある。
 調査は基本調査と詳細調査から成り立っている。基本調査とは事故当日の3月11日から7月11日までの
県民ひとりひとりの行動を調査して、外部被曝線量を評価するというもの。詳細調査は県内の子供に対する
甲状腺の検査、避難区域の全住民に対する健康診断と心の健康調査、それに妊婦に対する調査である。
外部被曝線量推計結果は、最も高かった住民で13mSvで、5mSv未満が93.8%、10mSv未満でみると99.2%
だった。県は「4ヶ月間の積算実効線量推計値ではあるが、放射線による健康影響があるとは考えにくい」
としている。
 県は福島県立医大にこの調査を委託している。基本調査は200万人の県民に調査票が配布されてから
1年以上が経つが、現時点で回収されたのは47万人で全体の23パーセントだ。
(原発のある相双地区では40パーセント)、47万人のうち、被ばく線量の評価が終わり、
結果を本人に通知したのは10万人となっている。
 調査票が4ケ月以上も前のことについて、屋外・屋内に一日何時間いたかなど記憶が薄いことを尋ねているので、
県民にとって記入するのは容易ではなかったこともあり、回収率は極めて低い。それ以上に問題なのは、
県立医大の評価が回収した四分の一しか出来ていないことだ。
 私の評価結果に比べて事故後、ほとんど同じ行動をした妻の評価結果が明らかに高いので、
問い合わせをしたところ、二次避難先の住所の誤記があったためと判明した。
県立医大は再評価して再送すると約束してくれたが、一ヶ月以上経っても送付してこない。
 県では、調査主旨の説明、書き方支援などにより回収率の向上を図っていきたいとしているが、
首相や知事が「しっかりやる」と言うのは、この程度のことであったらしい。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter