日本エネルギー会議

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拡散予測地図の使い方

 原子力規制委員会は、福島第一原発の事故のような過酷事故が発生した場合、全国の16のサイトで
放射性物質がどのように地域に拡散するかについての予測を公表した。国の原子力災害指針で示した
30キロ圏を超えるケースもいくつかあって自治体の中には困惑するところも出ている。
 原子力規制委員会の示した放射能拡散図は、そのサイトにおける年間の風向風速を根拠にしているから、
放射性物質が一番飛んでいく可能性のある地点を示していることになる。限られた資源と時間を考えれば、
一番可能性がある場所に注目して、そこに重点的に対策するのが普通だ。地図を参考に防災体制の整備をする
というのは、一見合理的に思える。
 現在の科学では地震がいつどこに起きるか予測出来ないのと同じで、ビルの屋上から落とした紙片が地上の
どこに落ちるかは予測不可能だ。過酷事故で放射性物質が放出されるその瞬間、風向きや強さが
どうなっているかは、サイコロの目と同じで、どうやっても事前に予測出来ない。福島第一原発の事故の際も、
過去のデータでは海側の東方向に吹く確率が高かったが、北西方向に吹き放射性物質は飯館村に向かった。
まして今回の地図は地形などは考慮されていないものだ。
 原子力規制委員会の示した拡散予想地図で防災計画を立てるということは、
それが外れた場合には、その地域は不意を突かれることになる。原発側では風向風速を見定めて、
ベントしたいのだが思うようには行くまい。まして水素爆発などは不意にやってくる。
拡散予想地図にとらわれすぎずに、陸側のどの方向に風が吹いていても、合格点の取れる対応を
考えておくことが防災上必要だ。

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