日本エネルギー会議

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原発問題と福島の総選挙

 来るべき総選挙では自民党が民主党や第三勢力を抑えて優勢とアンケート調査結果が出ている。
これを見る福島県民は複雑な思いだ。自民党の政策は原発維持、推進であり、これまでの原子力政策は自民党が
つくりあげたもの。原子力や電力の族議員も多数いる。勿論、民主党にも電力の労働組合出身の議員や原子力推進 の立場であった議員もいて、党内の脱原発指向に歯止めをかけようとしている。
 福島県では知事や県議会は福島の原発を全部廃炉にせよと主張しており、知事は東電の社長に会う度に
第二原発も含めた廃炉の要求をしている。このことに対して、県民の多くはこれを支持しており、東電の社員や
関係会社の人々は、県内の原子力維持を唱えたくても声を出せない状況だ。これに呼応している立地自治体は、
今のところ茨城県の東海村くらいなものであり、ほとんどの立地自治体は原子力推進の立場を崩していない。
逆にその周辺の自治体に、廃炉を求めたり、新増設をやめるように要望する動きが見られる。
 昔から原子力政策を表に出して戦う候補者は共産党、社会党を除いてほとんどいなかった。原発に対する立場を
明確にすることで、票を得るより失う可能性の方が強いからだ。保守系の立候補者も、選挙ではあえてその必要性や 経済的メリットには言及せず、原発があることで住民が言い知れぬ不安を抱えており、迷惑施設に対する償いを
より多く要求していくと約束をしていた。次回の総選挙では反原発団体がこの問題から逃げたい政党や候補者に
対して「脱原発」の踏み絵を踏ませる可能性が高い。珍しく対立した全国メディアの原発に対する姿勢もこれに
絡んでくる。また、ツイッターなどネット上の戦いも、今まで以上に活発に繰り広げられそうだ。
 福島県の候補者はおそらく原発推進の立場は取れないはずで、福島第二原発も含めて着実な廃炉としっかりとした 除染、補償が公約となり、原発政策についての対立点は打ち出しにくい。隣県の選挙においても避難者の
受け入れや風評被害の経験があるので、その影響は大きいだろう。自民党など原発推進政策を掲げる福島県や
隣県の候補者は、所属する党の公約とのねじれに苦しむことになる。先日もメディアのアンケート調査では、
「国民が事故のことを忘れてしまっていると感じている」県民が50パーセントを超している。
福島県民は、次の総選挙で原発推進政策を主張した議員が、全国各地で大量に当選すれば、
そのことで今まで以上に疎外感を味わうことになる。

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