日本エネルギー会議

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望ましいこと

 敦賀原発2号機の原子炉建屋の直下を走る断層(破砕帯)が、原子力規制委員会の調査後に活断層の可能性が
高いとされた。これを受けて、メディアは2号機の廃炉の可能性が現実のものとなりつつあり、日本原子力発電
そのものの存在も危機的状況になると伝え、他のサイトの活断層調査への影響、日本原子力発電の株を
保有している各電力会社への財務影響、関西や中部への電力供給源の問題、地元経済への悪影響などさまざまな
角度で報道がされている。敦賀2号機の建設の当初から燃料装荷直前まで三年間、現地で従事した者としては、
強い関心を寄せざるを得ない状況だ。
 予想外だったのは、日本原子力発電が、直ちに「原子力規制委員会の専門家会合が、日本原子力発電敦賀原発
(福井県敦賀市)の敷地内を走る断層を活断層の可能性が高いと判断したことに対し 「科学的な見地から疑問が
ある」として、規制委に公開質問状を出したことだ。
 質問状では、同社の内部調査から、敦賀原発2号機の原子炉建屋の直下を走る断層は「活断層ではない」と
改めて主張し、2号機の真下を通る断層がその近くを走る浦底断層が動いた場合に影響が及ぶと判断した
科学的根拠、浦底断層に連動して動くとの結論に至った検討内容、地質調査結果との整合性などをできるだけ早く
文書で回答するよう求め、副社長が「規制委の判断は理解に苦しむ」と述べた。日本原子力発電のホームページで
プレス発表文に添付されている技術的資料を見たが、専門外なので確かなことはわからないが、内容的には
もっともなことが書いてある。「出来るだけ早く回答を」と要望していることに、経営上の深刻さを見ることができる。
 これを原子力規制委員会が正面から受けて立つことが大事だと思う。日本原子力発電も地元がどうのとか、
手続きがどうこうと言わず、「科学的な見地から疑問」と言っているところが良い。科学的な議論、合理性の追求こそ
原子力安全に必要なことで、それであれば自然現象も物理現象も我々を裏切らないはずだ。こうした公開の場での
「ガチンコ勝負」はいままで行われず、事前の根回しなり、一方的な理屈づけだけで物事が進められてきたところに
問題があった。それゆえ、国民の信頼も得られなかったのだ。
 この決着がどうなるかは予断を許さないが、少なくとも原子力規制委員会が、日本原子力発電の主張を無視したり、
肩透かしを食らわしたりするようなことだけはやめて欲しい。アメリカであれば、この手の問題は株主の後押しで
事業者が国などを訴えるに違いない。
そこまで行くかはわからないが、「ガチンコ勝負」は原子力規制委員会の実力が試される場として画期的である。

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