日本エネルギー会議

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役場職員の述懐

 台湾行政院原子能委員会の一行が川内村に続いて、郡山市にある富岡町の仮庁舎を訪問したのは、今週の水曜日のことだ。富岡町は副町長(町長は出張中であった)以下数名の職員が対応し、事前に渡してあった質問書の各項目毎に、それぞれ担当の部門から詳しい説明があった。
 最後に、台湾の関係者に原発災害の対応についてなにかアドバイスがあるかと聞かれた富岡町の担当職員の答えは、日本の原子力規制委員会、全国の自治体の関係者こそしっかり耳を傾けるべきことのように思えたのでここに記しておきたい。

・複合災害にあっては、どの通信手段もあてにならない。避難先に到着後でさえ、通信に問題があった。連絡を取る
 必要のある機関すべてに、衛星携帯電話を配備しておくことは必須である。
・バスは車両もそうだが、運転手の確保が難しいので、マイカーによる避難に頼らざるを得ない。しかし今回は一本
 しかない道路の渋滞がひどく、避難に時間が掛かりすぎた。いくつかの方向に行けるように道路を整備する
 必要がある。
・長期間の避難には荷物やペットが載せられるので、マイカーが有利。しかし高齢者やハンディのある人のために、
 ある程度の台数のバスは必要である。
・今回は突然川内村に押しかけることとなった。事前に避難先の場所を確保しておき、そこに食料と資材を備蓄して
 おかなければならない。
・今回は、医薬品、おむつ(幼児と年寄りの両方)、幼児のミルクの不足が特に困った。
・初動がその後の結果を大いに左右するため、初動についての検討、計画をしっかりやっておく必要がある。
・避難訓練については、従来参加する範囲も、想定も限られていた。もっと広範囲にいろいろなケースをやらなければ
 実際には役に立たない。
・立地自治体は「原発事故は起きる」、「想定外は必ず起きる」との前提でものごとを考える必要がある。
・これからは国や電力会社による原発に関する情報公開の徹底と、新たな安全基準の適用が必要である。

 3月12日の朝、国からも県からも避難指示の連絡が一切ないまま、原発からの一報とテレビの情報だけで、町長の決断だけで町民に対して避難要請の放送をしなくてはならなかった役場のスタッフの言葉だけに、その重さを感じないわけにはいかない。

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