日本エネルギー会議

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疑惑の目

 昨日、東北電力の東通原発敷地内の調査をしていた原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理と四人の専門家チームは、評価会合を開いて「活断層であることを否定できない」との見解を出した。これで、原子力規制委員会が、活断層だとしたのは、日本原電の敦賀原発に続いて二例目だ。
今まで東北電力は「計画当初からの調査で活動性はない。耐震性を考慮する活断層ではない。地層のずれは、地層の一部が水を吸って膨らんだため」としたのに対して、島崎委員長代理等は「活断層でないという主張はとうてい受け入れがたい」と述べた。先日の日本原電敦賀原発の調査の時も同じような意見対立が見られた。
 この原子力規制委員会の判断が正しいということになると、困った問題が発生する。まず、これらの原発の設置許可をした国や委員会の専門家が能力不足で誤った判断をしたか、あるいは電力会社と癒着して、甘い判断を下したのではないかという疑惑が浮上する。これは建設時点では、まだ活断層に関しての研究が今ほど進んでいなかった、あるいは数多くの専門家の意見を聞かなかったことが影響しているとの言い訳が成り立つ。
 だが、日本原電が「原子力規制委員会の結論はとうてい受け入れがたい」と異例の公開質問状を出したり、東北電力があくまで主張を曲げたりしないとなると、国民は原子力規制委員会と電力会社の双方に疑惑の目を向けざる
を得ない。原子力規制委員会側が正しいということになれば、電力会社は「原発を救うために」無理やり理屈を並べ立てて抵抗しようとしているのであり、以前からの強引に原発推進を図ってきた体質が少しも治っていないでは
ないかと思うか、電力会社の断層判断に関する技術的レベルが話にならないほど低いのではないかと思うしかない。
 電力会社側の主張が本当であれば、原子力規制委員会はまったくその信頼を失うことになるから、首を賭けてもがんばるだろう。ここはレフリーが必要だが、それも無理なことだとすると、双方の主張をさらに裏付けることの出来る証拠を見つけるために、時間と費用が掛かるが、さらなる科学的な調査や分析をデスマッチで続けることしかないのではないか。

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