日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

【第7回シンポジウム】 全文掲載(第2回活断層問題シンポジウム)

■日時:2013年2月9日(土) 14:15~17:30
■場所:東京工業大学蔵前会館「くらまえホール」
■登壇者
開会の挨拶:柘植 綾夫(日本エネルギー会議 代表、日本工学会 会長)
第一部:「活断層問題の核心を衝く」
 モデレーター:滝 順一(日本経済新聞論説委員)
 パネリスト:山口 彰(大阪大学 教授)
        奥村 晃史(広島大学 教授)
        佃 栄吉(産業技術総合研究所 理事)
第二部:徹底討論「活断層、地震、安全規制」
 モデレーター:田原 総一朗(ジャーナリスト)
 パネリスト:奈良林 直(北海道大学 教授)
        水町 渉(IAEA,NEAシビア・アクシデント・マネジメント委員会議長)
        橘川 武郎(一橋大学 教授)  
        北澤 宏一(科学技術振興機関 顧問) 
        川口マーン惠美(作家 ドイツ在住)
        梶山 恵司(富士通総研 上席主任研究員)

◆柘植代表挨拶:
どうも皆さんこんにちは。日本エネルギー会議の代表を仰せつかっております、柘植で御座います。土曜日にも関わらず、ご参集頂きましてありがとうございます。皆様の原子力発電へのご心配は、ひしひしと感じております。私自身も大学時代工学を学びまして、社会に出てからの最初の仕事が、原子力発電プラントでありました。まさに日本の原子力プラントの草創期に身を投じたという経験を踏まえますと、この福島第一原子力発電所の事故と言うのは、本当に原子力技術者として重い、こういう表現になってしまうんですけども、この2年間過ごしてきました。まさに私、今日本工学会の会長をしています。工学の社会的使命と言う少し拡大した視野でも仲間とですね、日本工学会を構成しております。約100の工学系の学協会の活動とこうしてですね、工学の社会的な使命と言う面も改めて原点に戻る活動をしております。一方この2年間私自身、色々勉強しまして、福島の問題、本当の原因は私なりにはこのように理解しております。福島第一の事故は、技術の限界に起因するものではない。技術を持って社会に貢献する。この技術者あるいは技術者と組織。あるいは組織と組織と言うコラボレーションの信頼性の欠陥であると。技術の限界ではないと言うことであります。それと並行しましてですね、既にあのご存じだと思いますが、一つの社会的使命と言うものを立派に果たしてくれた事例として、東北電力の発電所、私は昨年の9月に拝見しました。本当に感激をしたという言葉を使ってもいいと思うんですけども、この東北電力の女川がきちっともっている、もつべく設計されてた、作られていた。そして40年間それを確かめ続けられたということを私は現場で我々は技術者としても市民としても、この事例にも学ぶことがあるなと、この2年間に噛み締めております。その中でですね、原子力はもういらない、廃絶すべきという考え方の方々の意見も随分伺いました。根拠と言いますか、理由を一言で言いますと、原子力発電は規定が出来ないリスクを持つということですね。つまり、万が一事故が起こったとき、どれだけのハザードが起きるかわからない。だからやめるべきだと。これを随分聞きました。そういうわけでですね、原子力発電を廃絶すべきだと意見の方々のベースは原子力発電は規定出来ないリスクを持つ、だから一緒に住めない。一部はもう少し倫理的なことを言われる方は、原子力発電プラントと一緒に暮らすことは倫理上許されないと、まあこういう言葉も並べました。一方私なりに原子力と共存せざるを得ないという考えを持つベースは、原子力なしの日本あるいは人類の規定出来ないリスクであると。私なりに言いますと、30年、40年前のサカイヤタイチさんの「油断」という小説がありましたけど、あれによって起こるリスクは確かに規定出来ないリスクだなと、こういう風に理解しております。まさに原子力と一緒に暮らす時のリスクと、原子力をなくした時のリスクをしっかり理解して、我々は色んな多様なエネルギーの選択肢から選択せざるを得ないと言うのがこの2年間私の学んだことであります。私たち市民はですね、この重大な選択肢を、十分に理解して選ぶ責任があると考えます。これは言うまでもなく、後世にたいして我々は責任を持っている訳であります。責任ある選択をするためにリスクをですね、理解して、そして合理的な判断をする能力を、我々市民は持たねばならないと思います。それを私は学術会議の仲間と科学技術リベラルアーツという言葉をここ1年使っております。即ちご存じの伝統的なリベラルアーツに対してですね、科学と技術の革新が我々の社会、生活にこれだけ深く浸透した21世紀の今においてですね、本当の意味の、全部自由市民なんですけども、やっぱり本当の意味の我々自由市民としていくには、科学技術が社会に及ぼす光と影、これに対してですね、自分で考えて自分で発言して行動する科学技術リベラルアーツというのを仲間と締結しまして、まさにこの現代のリベラルアーツを我々自由市民として身につけなければいけないなと思っております。そういうことで、今原発の直下型の活断層問題に私たちは直面しているわけで御座いますけど、私たちは自ら考え判断していかなければならない。それが迫られている訳であります。今日はその非常に絶好な機会が出来たと私は位置付けます。第一部では、活断層問題の核心、色んな意味での核心、この考え方を整理するいい機会だと思います。そして第2部ではそれを基にですね、規制にまで視野を入れてパネルに参加して我々学ぶことが出来る。みなさんにとって非常に有意義な時間になります事、そして是非ご家庭に戻って家庭での話題にもして頂きたいと思います。我々市民がですね、全員が日本の将来に関わる重要な課題であるとして考え続ける風土を我々は醸成していきたいと思っています。是非それを願いまして有意義な午後になりますように祈念致しまして開会のあいさつと申し上げます。

第一部

◆滝
今ご紹介いただきました。日本経済新聞の滝と申します。今日の話題である活断層とか原子力の安全基準について、日ごろから取材をしているんですけども、中々思うようにいかないことがいくつかありまして、その一つがですね、今の規制委員会で今色んなことに関わっている方っていうのは、今オープンに議論していますのでどういうお考えを持っていて何をなさっているのかわかるんですけども、かつて関わられた方もいらっしゃるわけです。そう言った方々に手を伸ばしても、中々表に出てきて話をして下さらないです。それがとても残念で、それでいながら何処かしこから今の規制の在り方はおかしいとかですね、活断層の問題は何か過大に言っているとか色んな、ぼやきは聴こえてくるわけですね。今回必ずしも、全ての方がと言うわけではないのですが、これまで関わられてきて、今は関わられていないにここにご登場願いますので、そういう話も含めて聞いて行きたいと思います。時間的に1時間与えられているんですけども、最後が5分くらい、質疑応答の時間も取りたいと思いますので、順番にこの問題について日ごろお考えのこと、ご主張についてそれぞれの先生方からお聞きしたいと思います。順番は佃先生から。

◆佃
佃と申します。どうぞ宜しくお願い致します。私自身もですね、若いころは活断層の研究、あるいは地震と活断層の関係とかですね、色んな研究をしてまいりました。その関係で、かつて原子力安全委員会の審査の委員もさせて頂きました。今日はですね、少し皆さんのご議論を分かりやすく繋がればと思いまして、最初に活断層について少し整理をしてお話させて頂きます。私の理解では活断層と言うのは、日本列島には岩盤、断層がズレて、傷があるのがたくさんあるんですけども、その中で活断層と言うのも、日本列島にかなりの、活発な地殻変動がありますので活断層としてひずみを開放する層もたくさんあります。活断層の定義でございますが、私自身活断層の定義と言うのは、将来活動して地震を発生させる可能性が高い、将来動いて地震を発生させる断層の事を活断層という、少し厳密に定義しております。判定するのが中々、あの断層そのものを見て、おまえは将来動くのかといっても中々わからないので、それを判定する手法として、今広く使われているのが、12万~13万前の地層あるいは地形面をずらしているかと言うことで、判定をしようというのが、皆さん了解の元で進められております。問題はですね、その定義の元で、色んな、実際には動くか動かないか、まあそれで非常にプラクティカルにやってる訳ですね。まあ実際には個別には色んな問題があるんですけども、まずはプラクティカルに、非常にマーカーが判定する基準が明確なのでそれを使って進めましょうということになっています。活断層が、我々にどういう災いをもたらすかと言うことを考えた時に、一つには動くとですね、地震を起こす。地震を起こすと地震動という揺れが発生するわけですね。ですから、地震学的に日本の場合、特に地震学は世界のトップレベルで進歩しています。活断層と言うものを想定して、どういう地震が起こったらどんな風にズレが起きてどんな風に地震動が発生するのか非常に良くわかっていまして、ある対象、例えば原子力発電所のサイトに対して、この断層がこういう風に破壊して、ずれて、こんな風に動くと、どんな風にサイトに地震が来るのかというのは、色んな場合を想定して、大体予測できるようになっている。勿論、誤差の不確実性はありますが大体そうなってきている。私の理解では地震の揺れに対する、防御と言うのはかなりのレベルでやってくれているものと信じている。それは、日本の耐震審査の中で、日本の理学的判断、工学的判断、経営学的判断として、それぞれ優度をもって作られておりますので、それはかなりやられているものと私は信じています。少し長くなりました。すみません。

◆滝
最初に申し上げたように3~5分としましたので、そろそろまとめて下さい。

◆佃
もうひとつ大事なことを、時間申し訳ない。ひとつだけ。問題はずれると言うことですね。ずれる。断層がずれると言うことに関してまだ議論が十分ではありません。実際に活断層がずれると破壊と言うのはガラスが割れるようにピンと毎秒2,3kmぐらいで一遍に割れてしまいますけど、ずれるのは、ずれる速度というのは遅くて、だいたい1秒に1mぐらいですね。そんな感じで見ていると、ずぅーっとずれていくなと言う感じのものです。そんな理解も含めて、ずれの量とかも含めた議論がこれから大いになされなければならないし、安全の審査でもそれが使われるべきだと思っております。すいません。長くなりました。

◆滝
ありがとうございました。佃先生が最初に仰ったようにですね、活断層と言うのは、これから断層が動いて、これは恐らく伝統的な活断層の定義だと思うんですけども、ご承知の方も多いかも知れませんけど、これもあとで議論しますけども、現在原子力規制委員会で議論になっているのは、必ずしも、きしん断層、震源断層だけではなくて、地面に何らかの変異をもたらすものは全て断層とみなして、危険なものと見なして規制をすることになっていますね。後でこの定義の広がり方についても議論をしていきたい、議論が出ると思いますけども、ご承知置き下さい。次は奥村先生。

◆奥村
はい。奥村です。宜しくお願いします。以前、私は同じようなシンポジウムで、現在大飯の下に活断層がある、敦賀の下に活断層があると言われている断層は実は、活断層では無くて、断層変異と言う言葉で、別に科学的に考えるべきだということを申しました。その後、つらつら考えてみますと、なぜそれを活断層と呼んで、活断層研究者が非常に注目を浴びているんですが、何故活断層なのかということを考えてみたいと思い、今日はそれをお話します。活断層研究と言いますと、「日本の活断層研究」という非常に優れた研究書が1980年に発行された。それ以来永遠と続いているんですが、発見して記載するという仕事を、メインにしている人たちにとって、発見を続けると段々と発見することが無くなります。それでも彼らは新しいものを見つけた。こないだも名古屋の地下に見つかったなんて報道がありましたが、これを一生懸命やっている人がいます。分析と評価をします。そういう人たちは空中写真というものを見て、主観的に判断をする。向かって右側、これ赤い線がいっぱい引いてあります。右がそういう人たちが書いた図。全部断層になっています。左が私の図。一本も断層がありません。私はここを半年間調査して地層も、地質構造も年代も全部調べて活断層はない。だだし、地下にある断層がこの変形をさせているんだ。一方空中写真を見る人は現地に行かないで線を引いて断層だ、と決めつけて反論すると、あんた反証だしなさいよと。電力事業者と保安院の間に起こっていることとまったく同じことであります。なぜそういう問題が起きるかというと、これはですね、活断層研究と言うのは、活断層だけを見て主観的に判断をする。科学的に非常に弱いものです。私が言いたいのは、弱さを知ったらそれを繕って改善しようとするのが当たり前ですが、その人たちは弱さを知らない。作ろうともしない。だから進歩がない。その人たちが今やっていることは、私には活断層研究の弱さをネタにして、そして活断層がある。危険だと言っている。これは研究としては自殺ではないかと思って、私自身が携わっている活断層研究をきちんとした科学にする。携わる研究者みんなきちんとした科学ができるようになるためには、今のままではいけないと思います。今やっていることは非常に弱いサイエンスですから、それをないことの証明に持っていって、できない。これがいつも争点になっている。さらに言うと、否定できない場合は、安全サイドで判断する。可能性になります。ですがその可能性と言うのは、間違いであったり、想像であったり、憶測であったりしているわけです。これは私の憶測を交えてですが、1月28日に、敦賀の評価案と言うのが出ました。有識者会議では、変動地形が色々と議論された。あるいは断層か、破砕帯の専門家がきちんとした報告をした。しかし、そういうものは一切無視されて、結局何が残るかと言うと、K断層がD-1破砕帯に連続するかしないか。その憶測、可能性、否定できないから危ない。これはやはり科学ではないと私は思います。

◆滝
ありがとうございました。写真をみてここに線を引っ張るというのは、変動地形学のことだと思うんですけど、それが主観的だと言うのは、私は随分な言い方だなと思うんですけども。今の敦賀の断層の扱いについても、必ずしもというか、最後の段階では変動地形学の話と言うよりも、地質学の話になっていたと思いますので、まあその辺の反論は後でお伺いするとしまして、山口先生お願いします。

◆山口
私の方からは、まず最初にこちらですね、ハザードとリスクと言うことをお話したいと思います。ここにありますように、ハザードと言うのは実害をもたらすポテンシャルと言うことで定義されます。一方リスクと言うのは、実害がもたらされる可能性です。リスクと言うのは、シナリオですとか、あるいはそういう発生頻度、実害の影響度、そういったもので表わされるものです。下の方に、一番左側にハザードと書いてございまして、一番右側には社会と御座います。つまり、その間にいわゆる工学施設、そう言ったものが入るわけですが、いわゆるハザードと社会、その間には、施設があるんですが、そこには安全設計、危機管理、リスク管理、そういうマネージメント。そういったものがあって、全体として安全を確保しているわけであります。そう言った意味で安全性を語るには、ハザードを見るだけでなくて、施設の安全設計、マネージメント、そういったものを一体として考える必要があります。本日のテーマは活断層と言うことですけども、地震について我が国の耐震設計がどうであるか。これは昨年の8月に国際原子力機関IAEAが女川ミッションというものを派遣しました。これは国内ではあまりメディアでは報道されていないんですが、IAEAを始めとする海外の専門家20名が、東北電力の女川発電所、これは東日本大震災で、最も強い地震動を受けた原子力発電所です。そちらを視察して、その報告として、「女川は本当のストレステストに合格した。驚くほど損傷がなかった。僅かな被害。そしていずれも実害とは無関係のものであった。」こういったような報告を出しております。かように女川が受けた地震動であっても、Bクラス、Cクラスのものも含めほとんど損傷がなかった。というのが、国際の専門家チームでの調査ミッションの結果で御座います。では最後に安心のためにリスクに備えると言うことをお話したいと思います。最も重要なことは、様々なリスクの要因に対して、それにバランスよく備えると言うことで御座います。例えば、東京電力にとって耐震の安全はどうであったか。実際は、10万年に一度の地震に対して耐震設計していたのに対して、津波に関しては、およそ1000年に一回の津波であった。またエネルギーリスクと書いてありますが、ここしばらくをみてもだいたい四半世紀に一回はエネルギー供給の危機そういったものがあるわけです。下に10万年に起こったこととしてリストアップして御座いますけど、ホモサピエンスがアフリカを出た、そういう時期で御座います。この10万年の間には火山、氷河期、それから温暖化、そういったことで自然現象としては非常に多くのことがあるわけです。つまり、こういう原子力発電。これは明らかにエネルギーリスクを軽減する重要な手段であるわけですが、それの安全を確保する上で、活断層と言う、そういう問題のみ見るのではなくて、もっと様々なリスクに広く、そしてしっかりと備える。そういう視点で議論すべきである。そういう風に考えております。

◆滝
ありがとうございました。10万年のリスクともっと身近なリスクという話をすると、恐らく私も思いましたけど、聞いていらっしゃる方の中には、そうはいっても原子力開発が始まってから過去50年の間に、少なくともイギリスのセラフィールドと、ロシアのチェルノブイリと福島と3回も大規模な放出事故があったじゃないかと。それは10万年前の話じゃないじゃないですかという反論が出ると思うんですけども。今の話をお聞きしていくつか論点があると思います。一つは、奥村先生がご指摘なさったように、今の原子力規制委員会の有識者会合の進め方が科学的なのがどうなのか。妥当性があるのかどうかという話。それからもう一つは、活断層と言うのは中々決めがたい部分があると思うんですが、最後までいっても決められるものもあるかもしれませんが、はっきり1、0で答えられない場合があると思います。そういう場合にいったいどういう風に判断していくのか。今の規制員会は安全サイドに立って否定できないものがあるんだというわけですけども、そういう姿勢に対して批判もあると思うので、それに対して議論をしていきたいと思います。最後に山口先生がお話になった、リスクの評価、リスクベネフィットの評価で、この問題を扱っていいのかということが良く言われる問題ですので時間があったらその辺をお聞かせ下さい。まず規制委員会の事なんですけども、先ほどの奥村先生のプレゼンテーション、正直言ってよくわからなかったんですけども、二つ絵があって、変動地形学的にはここに線があって活断層があると立証されていますけども、奥村先生が調べたところ、そこに活断層はないとおっしゃった。それをもう少し説明して下さいますか。活断層ではなくて断層はあったということなんですか。

◆奥村
もう一回これをお見せして宜しいでしょうか。まずこれ何を間違って赤い線をひかれたかと言うと、削った後を見て断層と思われた。なぜそういう間違いをされたかと言うと、ここに断層があるに違いない。それは地表を切っているには違いない。調査をしないでこういう線を引かれた訳ですね。私が左の絵のように調べてみますと確かに変形はある。矢印が小さく見えていますが、矢印がいくつも書いてあるのが見えると思います。実はこれ元々、段丘と言う平らな地面が傾いております。つまりこの下にははいしゃと言って地面を盛り上がらせる変形がある。それを動かしているのは、やや深い所にある断層です。ですが地表には断層はない。ですから、地震の危険性は当然考えなくてはいけない。ではここで地表が食い違うのかと言うとそれは食い違いませんと言う話になります。

◆滝
わかりました。今の話は別にどこのサイトって話は一切上げていませんけども、そういったような誤解とか、思い込みと言うのが今の規制委員会の、議論の中には潜んでいると仰られるわけですか。

◆奥村
ええ。そういう議論が行われていて、最後に敦賀の例をお出しして、これはなぜそうなったのかわからないけれど、これまでの現地討論か有識者会議で主張されていた地表に断層があると言う間違った意見が消されています。浦底断層というのは確かにあるんですが、そこから派生した断層が地表を切っているという事実はない。問題は地下に活断層らしいものが見つかった。ですから事実は、非常に複合的で切り分けて考えなくててはいけない。色んな事がごっちゃになっています。

◆滝
あまり特定のサイトに対して議論はしたくないのですが、今の話の続きでちょっと私もお聞きしたいのですが、確かに今議論になっているK断層とかっていう名前もついてる断層についてはですね、地表を切っていないというのは確かなんですけども、それが今後浦底断層の活動、あるいは浦底断層の活動が無くてもですね、場合によってはそれが動いて地表面に何らかの変異をもたらす可能性が否定出来ないと仰っている訳ですよね。その議論自体私は間違ってないと思うんですけど如何ですか。

◆奥村
11月、12月の調査で出てきた場所では動いています。今問題になっている場所は、それが2号機の下まで伸びるか伸びないか。それに関する直接的な証拠はまだ何も出されていません。ですから引き続き調査をするというのが、報告書案でも書かれています。

◆滝
引き続き調査をすることになっていますね、確かに。佃先生、今の議論を聞いてどう思いますか。

◆佃
私は少し最後に申しました、断層が動いて、ずれ、あるいは、ひずみがどう分布するかということが色んなところで理解されてないなということを常に感じるんです。今の安全規制委員会の議論の中で、私はやはり今までの経験もあって問題だと思っているのは、やはり活断層であるか、ないか、という単純な理論に追い込まれているために、あるいは公開の場で皆さん注目する中で議論させられてるために、委員の方も、あるか、ないか、絶対そうか、100%そうか、という場に追い込まれてしまって、場合によっては自分のわからない、やっぱり判断できませんと、判断できないと言うことは否定できないということですか、というところに追い込められてしまって、そういう議論になっているんじゃないかと想像します。実際聞かないと良くわからないですけども。ただ、実際、一般的な私の感覚からすると、そこから派生するかもしれない、動くかもしれない、あるいは見ても動いているのかどうかわからないというのは非常に、例えずれたりしても非常に微妙なものであったりとかですね、いわゆる皆様が思っているような、活断層が動いて1mずれるとか、というものというのはまったくないわけですね。そういったものがまったく今の議論の中には入ってこなくて、リスク問題も含めて言うと、当然今の議論は活断層であるかないかと言うこの押し込められたためにですね、科学者としてこれを対応するべきかとか、どういう風に工学に結び付けるかという議論を妨げてしまう。思考停止に陥ってしまう。非常に不幸なことだと思って、もっと活断層かどうかという非常に浅薄な議論に陥らないように是非やってほしいなと言うのはありますね。

◆滝
活断層かどうかという議論が浅薄な議論だとは私は思いませんけれども、いずれにしても有識者の方々は、活断層であるかどうかということを求められることを覚悟の上であそこに加わっていると思うんですよね。従って、そこで押し込められているから私は何も言えませんと言うのは、やや逃げにも聞こえますし、そうであるなら、私には判断できませんと仰ればいいわけで、それは別にだれも白黒ここでつけろと強制しているわけではないですよね。だからむしろ、今の話で山口さんを先頭に振りたいんですけども、白黒つけるのは難しいと、それで安全サイドに考えれば、わからなければ、それはあるものとして見なすというふうに判断を下すと言うのは、そんなに異常なことなんですかね。

◆山口
少し活断層から広げて、今の安全設計審査指針には、もっとも過酷と考えられる条件にたいして備えなさいと、そういう風に書いてございます。では予想されるもっとも過酷な条件とは何か、それはあえて書いてないと言うことは、色々と新しい条件に対して、常に情報収集をして備えなさいと、そういう意味です。従って今の活断層が活断層であるかないかというのは事の本質ではなくてですね、その活断層に対して、発電所の安全がどの程度確保されているのか。私は規制委員会の議論と言うのは、本来それが活動度があるとすれば、それがどのくらいのものなのか。それによる影響がどのくらいのものなのか。それで、原子力発電所と言うのは、実際に基礎板の厚さが10mくらいあるわけですね。その上に設備がのっているわけであって、そういう施設がどういう影響を受けるのか、そこを合わせてみない限り、先ほどの地震で最も過酷と考えられる自然条件、それを言い始めるとですね、まさに地震だけを見ているのは片手落ちになって、発電所に限らず、あらゆる工学施設での地震によるリスクと言うものを増大させるものだと言う風に思います。もちろん活断層があるかないかという判断は非常に重要で、様々な専門家の方々にしっかり意見を述べて頂きたいと思うんですが、まさにそういう時に、原子力発電所が安全かどうか原子力規制委員会で判断する時には、施設の側とセットで、施設の側が安全を評価するためにどういう情報をだすべきかという、そういう視点で是非議論して頂きたいと思います。

◆滝
今の話を私なりに掻い摘んで言ってしまいますと、仮に活断層といいますか、地表に変異を示すような可能性のある構造がそこにあったとしても、その変異の量が少なければ、例えば、1cmであれば上に乗ってる建物は壊れないでしょうと、そういうことであれば、どれくらいそこが実際に変異するのかという問題と、上の乗っける重要施設の耐震性というのか、対活断層性というのか、総合して考えるべきであって、活断層だけで判断すべきではないと、そういう風な議論でよろしいですか。

◆山口
我々の目標は、そういう原子力発電所のような施設を使う時、リスクを評価して、そのリスク管理が出来るのか、使っていけるのか、そういうのが我々の目標であるわけです。従いまして、当然活断層であるかどうか、あるいは活断層以外に、津波、火山、火災、色々なリスクのソースがないのか、それを調べていくということは重要です。それにもまして重要なことは、そういうものに対して今の原子力発電所の設計が十分であるのか、そこに脆弱性があるならば、そこはしっかりと直していかないといけない。そういう議論を抜きにしていては、我々は科学技術と共存していくことは出来ない。そういう風に考えています。

◆滝
火山ですとか、他のリスクに対する議論はその通りだと思うんですが、仮に活断層の話に絞ってですね、変異量が小さければ、つまり影響が少なければ建物側で工学的に対応できるからそれは作ってもいいんだという議論はいかがなんですか。

◆山口
それは工学施設を作る時には、デザインベース、設計基準というものを定めて作るわけです。其処の段階で議論する話で、それは今、規制委員会で議論が進められていると思います。一方最初に、リスクと言うのは、シナリオ、発生頻度、影響力であると申しました。そのいずれか一つだけをとって議論をしてはいけないと。頻度が小さいからそれでいいというわけではないんです。あるいは影響度が小さいからそういうことではないわけです。同じように活断層であるかどうか。それだけで議論を決めてはいけないわけで、活断層に対してどういう適切な設計をするべきか。そこをしっかり議論した上でリスクを評価して物事を判断する事がまさに規制委員会に求められていると、そういうことだと思います。

◆滝
わかりました。そういう総合評価でのリスク評価の重要性というのは良く理解出来るのですけども、他方そのIAEAというのが世界の潮流なのかどうか議論があると思うんですけども、IAEAでは地表に変異をもたらすような場所、活断層がある場所といってもいいのかもしれませんけども、その上に重要施設をおいてはいけないというのは、ある意味では世界的なルールになっていると思うんですよね。その判断に従って、変異が出るところの上に活断層?を置いてはいけないという判断をしていること自体は妥当だと思われるんですが、その辺は奥村さんどういう風に考えますか。

◆奥村
はい、今仰ったようにIAEAの安全指針の中には食い違いをおこすような断層の上に施設を建てるべきではないということが明記されています。それに基づいて、原子力安全委員会でも2010年の耐震の手引きというものの中で耐震設計上考慮すべき断層の上にSクラス、もっとも重要な施設の設置は想定していないと、つまりありえないということを言っています。これは大変もっとであります。ですが、まず耐震設計上考慮すべき断層と言うのはこれは真の意味での活断層で、地下深くまで達して強い地震動を起こす。そしてその時にはメーターオーダーの大きな食い違いを起こすことが多い。そういうものであります。そしてその副断層についても想定はしていないと書かれておりますので、そこから派生してくる、地震を起こす断層に関連したものも、だめだと、これももっともだと思います。ですが今問題になっている破砕帯というのは、その主断層との関係が分からない。主断層とまったく無関係なももの数多くあります。ですから、問題の所在は、そういった主断層との関係がわからないものに変異が起きるか起きないかをどう判断するかにあります。

◆滝
その通りだと思います。主断層が震源断層とか分岐している断層とは無関係に、そういう断層的な場所が動くかどうかということが問題なわけですね。その上には作ってはいけないというのは国際的なルールですけども。奥村先生のご主張は、震源断層ではないものとして、例えば敦賀では証明できないものを推測だけで、憶測だけで危険な構造、断層だと判断しているのがおかしいと仰っているわけですね。

◆奥村
例えばその断層岩を見てみますと、最近どのように動いたのかという細かな解析が出来ます。ですが、敦賀ではまだその議論はされていません。ですから私が言っているのは、立てていいいけないの問題では無くて、本当に動くのか。例えば、敦賀は近くに浦底断層があるから、浦底断層が動いた時に、本当にSクラスの施設の下の破砕帯が動くのか動かないのかこれをもっと科学的に色々検討が出来るだろう。例えば、断層が動くと周辺の断層にひずみを及ぼします。そのひずみの量がどれほどあって、どれぐらいの量があれば破砕帯が動くのか。すでに一部ですが行われていて、科学的にも十分可能です。そういうことも一切今の有識者会議では考慮もされていない。やはりあの色々幅広い岩盤力学であるとか、断層岩、地質構造、構造地質学ですね。そういった知識を総合する必要があると私は申し上げておきたいですね。

◆滝
ようするにもっと調べろということですね。それでもっと多角的な観点から議論をしてほしいということですけれども、しからばですね、どういう進め方が考えられるんでしょうか。私の理解では、今、有識者会議で議論をなさっている方々は日本の地質関係と地震関係の4つの学会からそれぞれ推薦を受けた方々ということで、言わばこういう言い方はやや御幣があるかもしれませんが、日本の関連学会が後押しをした方々と理解をしているんですけども、そうではないんでしょうか。これ佃先生はどのようにご覧になっていますか。

◆佃
私自身はそれを選ばれたプロセスと言うのは、存じ上げませんので、私には申し上げられません。

◆滝
奥村先生如何ですか。

◆奥村
はい。私は日本第四紀学会と言うところの役員をしていますが、規制庁から学会にきたものは、原子力施設に関する活断層を調査するので専門家を出して下さい、と言うことできました。実際にでているのは、約7割、8割が変動地形の人で残りの方が断層岩の方ということになっています。その時にですね、規制庁からは従来、原子力安全委員会および原子力安全保安院で審査等に携わったものはすべて外しなさいという指示が来ました。ブラックリストが来ました。私の学会ではそんなことをしたらきちんとした調査は出来ないので、従来携わった人も見識の高いもっとも高い方を推薦しました。当然はねられました。ですが他の学会は地震学会の会長ともお話をしましたが、我々は言われたとおりにやるしか出来なかったと仰っています。これは当時の対応を我々はもう少し考えるべきではなかったかと考えております。なぜかというと、さっきも申したように、敦賀で議論になっているのは構造地質の話です。変動地形の話ではありません。断層岩の話です。集められた人と与えられた課題がミスマッチしている。

◆滝
そういう意味では規制庁の言う通りに推薦した学会の方々にもお話を聞かせて頂きたいんですけども、もしこの会場にいらっしゃいましたら、後で手を挙げて下さったらいいと思うんですけども。では奥村先生はどういうメカニズムでこの議論を進めていけばいいとご覧になっていますか。

◆奥村
先ほど申しましたように、変異が起きるか起きないかと吟味をするためには、多くの分野の専門家が必要だと思います。ですからわずか3人か4人、それで結論を出してしまうという現在のシステムは誤った判断にいく危険があるのではないかと思います。

◆滝
今規制員会の方でも3、4人のチームでは、心もとないとは言ってませんけども、ピュアレビューをやりたいということで、集められている16人、リストアップされている16人全員でもう一度議論をしましょうということになっていますけども。

◆奥村
先ほど申しましたように、岩盤力学であるとか、構造地質学であるとか、地質学一般の知識、そう言ったものが必要なのではないかと思います。あるいは工学的に、有限要素法あるいは弾性論で変形を考えられる人、そういう人も必要ではないかと思います。

◆滝
わかりました。そういった議論を重ねていった場合でも最終的に、これは活断層であるとか活断層ではないとかはっきり白黒つけられない場合が多いのではないかと思うんですけども、先ほどの議論に戻りますけども、本当に繰り返しになってしまうかも知れないですけども、否定できなければ、それは当然そこにあるものと判断して安全サイドに立って判断するということは間違ってるのですか。どなたかご意見ございますか。

◆山口
間違ってないと思います。施設の安全を見ると言うことは、2つの観点を常に忘れてはいけない。つまり一つは、それがハザードとしてどういう脅威があるか。それは活断層であるかどうかという議論。それは私もやはり多くの方が参加して議論すべきだと思います。一方、中越沖地震の時の、一つの大きな反省点は、安全のシステムを設計する方の方たちが、設計で使う地震動というのは地震屋さんが、決めて渡してくれるものだと理解していたのが一つの反省点何だと思います。ですから、安全の評価あるいは建物の応答の評価、そういうものと、もう少し情報交換、連携を密にとりながら、活断層があるとして、どういう影響があるのかと、いう視点で見るべきだと考えます。そういう意味で仰る通り、あるとみなして評価をおこなうと、そういう視点も忘れてはいけないと思います。

◆滝
そういう意味ではですね、確かに奥村先生が仰るように、もっと徹底的に調べて多角的な議論をしろというのも正論ではあるかと思うんですけども、まあ早い話、さっさと認めて対策を打った方が早いんじゃないかという気もしないでもないんですが、それはどなたかいかがですか。

◆佃
その辺の議論がですね、もっとオープンに出来るべきだと思うんですよ。かなり実際メインの断層がどの程度ずれるのかとかですね、どのぐらいの頻度で実際に動いていると考えた方がいいのかを含めて、活断層であるかないかと言うよりも、実際にその素性がどういうタイプのメインのやつで、それが動いた時にどう影響するのか。それはかなり力学的なシュミレーションとかですね、色んな、地質学的な情報だとか複合的に考えれば、もしここが例えば5m動いたらここはこの程度です、1mであればこの程度かもしれないという議論も出来ますし、そういう議論をもっとオープンにどんどんやって、じゃあどの程度考えたら最大、建物側もここまで大丈夫ですかという議論を最大限にやれればですね、もうちょっと前に進めるのではないかと思います。

◆山口
今のさっさと認めてやればいいじゃないかと言うのは、私はそれは反対なんです。何故かと申しますと、そのさっさと認めてやればいいのはそれをやることは出来ると思うんです。しかしそれをやると言うことは、元々、設計基準で定めたルールに基づいて物を作って運転してきた、それを根底から覆す話ですね。根拠がなく、そういうことをやるということは。従ってもしやるのであれば、きちんとリスクを低減するためだという合理性のある理由をしっかり議論して、それでやるべきであって、それなしに定型にさっさと認めてやれというやり方は、非常に将来に渡っての安全確保についても欠陥を残すもの。つまりそういった対策をすればいいじゃないかということによってより深く広く安全を見ていくというところに蓋をしてしまう可能性がある。そういうことなんだと思います。

◆滝
今のご意見に対して、奥村先生、何か御座いませんか。

◆奥村
今の指針と手引きですね、安全委員会が作った方針からして下で動いても大丈夫だからという理屈はちょっとありえないと思います。それは将来的な技術的な課題として考えるのはいいけれど、現時点では本当に手を尽くして動くのか動かないのか、それを冷静に見極める。どうしても否定できないとき、それは事業者も考えなければならないと思います。ただし、ないことの証明というのは科学的には出来ないわけですから、ないことの証明に事業者を追いこむというのは、やはりこれは科学的な議論をして安全な施設を作るということに戻るのではないかと私は考えます。

◆滝
敷地内に一つも活断層がないということを証明しろというのは非常にみずかしいことかもしれませんし、無理を言っているのかもしれませんけど、現実に今問題になっているのは、その中の一つないし2つの活断層についてそれは活断層として考慮すべきなのかどうなのか進んでいるように思います。

◆奥村
ないといったのは、活断層のあるないではなくて、動きがあるない、動かなかったことを証明しなさい、あるいは動いたことを証明しなさい。

◆滝
それを証明する事は難しいですか。

◆奥村
だからあるものを示すことは大丈夫だと思います。だから実際に、また敦賀の話を出して申し訳ないけれど、今回の調査で出てきたせん断帯あるいはK断層とうのは確かに動いています。これは動いているから動きを証明できる。だけどD-1が動いていないことへの証明というのは動いている証明よりはるかに難しいと思いますけどね。それとさらにもう少し一般的な話でいえば、活断層のあるなしについてですね。ないことの証明。我々は地下については本当に無知なので。

◆滝
すいません、混ぜっ返して。地下について無知で冒頭先生が仰ったように、活断層研究には弱みがあると言うのであれば、過去にサイトを選定して、そこに立地の審査をしたわけですけども、それも、弱みを抱えたままで、しかも無知のままでその立地審査をして許可をしているわけですよね。そのことについてはどのようにお考えになっていますか。佃先生、前のことを少し御存じであれば。

◆佃
私の知っている限り、ちゃんと情報を得て、最新の知見の基で判断をして、それが専門審査会の結論になっている。色んな形で実際に耐震、ゆれですね。先ほどから議論になっている安全審査会では、その場所に活断層があるないは全然議論しないで、耐震の安全指針ですので、地震に関しては十分確保できるというその意味でやってきたんだと思っております。

◆滝
今、少し仰ったのは、揺れについては議論をしてきたけども、なんらかの地震などの作用によって地表面がずれる、つまり断層が動くということに関して断層が動く場所の真上に原子炉と事業施設を置いてはいけないというのは、今私おいてはいけないと申しましたけども、実際これは審査の手引きの中では置くことになってはいないわけですよね。設計上それは置かないとされている、正確には何と言ったか忘れましたけども、そういうことになっているんですよね。それをおっしゃっているわけですよね。

◆佃
そうです。当然、現地で審査をしてその場所を見て、その時、そういう風に私を含めて皆さん判断したと思います。

◆滝
つまりそれは、審査指針としてはやはり不十分であって、本来であればずれが生ずるところにどんな施設が置けるのかということを設計段階でやはり想定して、おいていいのかいけないのがを考えて指針を作るべきだったと思うんですけども、それが今規制委員会の中で駄目だという議論になっているんですけども、それ自体間違っていることとは思えないんですけども、それについてはどなたかご意見ございませんか。どうぞ。

◆奥村
だから手引きに書いてある、想定しない活断層があったら開発をする、要するにそこで講義を始める前に、調べればわかる。今出てきているものは当然、活断層、つまり表面に過去の活動の痕跡を残すような、地震に結びつくものとしては、考えられなかったものである。ですからそれ全部削り取って、岩盤をだして立てている。施設を作る前の調査ではそこには活断層が無い。そして今活断層ではないかと言われているものは、実際、動いた痕跡のないものも多いし、あるいはその下に連続する活断層、本当に地震を起こすようなものもない場合も多い。ですから、調査はそんなにいい加減な調査が過去行われていたとは思えない。

◆滝
過去にいい加減な調査が行われていなければ今何も問題がなかったと思うんですが、例えば浦底断層についても、設置されてから後から発見された、認定された断層であることを考えれば、新しい知見とか新しい調査に基づいて、そこに新たな断層が見つかる事自体は不思議ではないと思うんですけども。そいうバックフィット的な考え方、例えば昔調べたからなかったはずだというのは、今はもう証拠が残ってないわけですから、検証の使用が無いかもしれませんが、ややちょっと納得いかないところもあるんですけども、そこはいかがなんですか。

◆佃
例えばその浦底断層の話をしますと、ああいうタイプの活断層と、本当に敷地に、というか炉心の直下とかですね、そういうものとは、動くかどうか、活断層かどうかもわからないという議論、非常にいわゆる岩盤の中の断層ですね、そういうものとの議論とは全く別なので、それは一緒にしない方がいいと思いますね。

◆滝
奥村さんどうぞ。

◆奥村
今仰った浦底断層が、2006年、あるいは2004年以前には、活断層として考慮されていなかった。これは事実です。過去に誤った判断が行われたこともこれは事実として認めなくてはいけない。ですが、そういった過去の間違った判断等が、やはり新指針、2006年の新指針、さらに2007年の中越沖地震を経験して、随分変わってきたんですね。島根でも同様のことが起きています。ですから、過去に間違いが一つもなかった。そんなことはありませんが、今申し上げているのは施設直下にある断層、こういったものが明らかに活断層と見えるものが見逃されてきたということはほとんどないのではないかという風に考えています。

◆滝
そこのところが非常に苦しい所で、ほとんどないとしか言いようがないところが、難しい所なんですけど、時間ですと言う表示が出ているので、そろそろまとめたいんですけども。まとめたいじゃなくて質疑応答ですね。5分間と言うことですので、3問取ろうと思います。机が3つ並んでいますので、それぞれ並びの中で一人ずつとっていこうと思います。

質疑応答

質問者(要約)
活断層の存在=リスクが世論に広まっているが本当か?

◆山口
さきほど同じようなリスクがと仰ったんですが、私が申し上げたかったのは、活断層=リスクではないとそういうことです。活断層は確かにハザードではあるわけです。従ってハザードであるから、例えば設置した後に、そういうものが見つかるということは当然ありうるのです。私が申し上げたかったところは、ハザードに対して、どうやって施設がハザードの影響を緩和・防止できるかと、そここそが重要であってそれで新しく新知見が見つかったときに、それが不十分とあれば、しっかり規制委員会で規制をやって頂くべき、バックフィットをやればいい、というのが1点目です。それから今、コミュニケーションの話をされたんですが、私は一番重要な考え方は、我々はエネルギーを確保するために原子力を使っているわけで、原子力そのものの持つ、エネルギーの過去というものに対する恩恵を抜きには語れないと思います。それをセットでしっかりリスク管理を議論しなければならないと思うんですが、その時に、今のコミュニケーションの所で、一番やはり重要なところは、ハザードに対して施設でどのように備えているのか、あるいはどう備えるべきなのかを一緒にやると言うのが、システムの側を見ている方達と、それから活断層ハザードを見ている側の人たちと一緒に議論するべきである思っています。それを重ねることによって指針などがどういう風に改定していけばよいかとかですね、どういう点が不十分であるかとかですね、そう言ったこが明らかになってですね、時間と共に安全性が、そういう議論を深めることによって、そのコミュニケーションをしっかり持つことによって高められていくと考えています。

◆滝
エネルギーは恩恵ではあるんですけども、エネルギーは恩恵でそれを得るために安全面で妥協する事はどこまで許せるんですか。あるいは安全面で妥協する事なくということですか。その辺が分からないんですけども。

◆山口
妥協という意味の解釈の面もあろうかと思いますけど、どういうところまで安全面を求め、我々が何をするのかと言うのは、これは技術を見ている人たちだけで決められる問題ではないとそういう認識です。そのために、やるべきことで、まだ出来ていないところは、安全目標、製造目標の議論であると思います。ですから安全に対して妥協すると言うことは決してないわけですが、それはじゃあ妥協しないのはどういうことかと言うと、しっかりリスク管理が出来ているかとそういう問題です。リスク管理が出来ているかを見ようと思えば、冒頭に申し上げました、シナリオと頻度と影響度をそれぞれ見ながら、それぞれに対してきちんと対処できるようにしておくと、そういうことであります。そのために具体的などういう対策を取ればいいのか。それはまさに規制の側で、しっかり方針を定めて頂くべきですし、事業者の方はそういう処を前向きに、積極的に、自主的に取り組んで頂くとそういうことになると思います。

◆滝
つまり仰っているのは、システム全体の安全目標を設けて安全目標を護ると言う形で何が最適かということ、システム間の整合性をとって全体最適みたいものを探っていくべきだと。そういう主張ですね。

◆山口
はい、そうです。その全体設計もですね、おそらくは今は地震、耐震設計という観点で議論をしているんですが、全体の最適設計と言うのはもっと大きな視点というのがあるんだと思ってます。

質問者(要約)
原子力発電所を建てる前に活断層の存在に気付けなかったのか?

◆奥村
いえ、岩盤を出すからわからないんです。活断層の認定というのは例えば、元々平らであったはずの地面に段差がついているとか、その上でまっすぐなはずの川が曲がっているとか、そういう人がきったりほったりする前の自然状態で、確認をしないといけない。ですから岩盤をいくら見ても、水掛け論になるというのが例えば敦賀でやっている。

◆奥村
出したら今度はですね、断層岩と言って、破砕帯に入っている岩を詳しく顕微鏡で調べたりとか、様々な分析をすればわかることもあります。だけれど、私が言った活断層研究と言うのは基本的に地形、人工、人がいじる前の地形をみてそこに活断層というものがないかと調べます。ほとんどないといったのは、実際に古い空から撮った写真があります。それを見て現在建屋が経っている処にそういう活断層の痕跡がないかということを見てみるとありません。あったら立てません。

◆滝
恐らく、素人が補足して説明しますけど、岩盤を見ると岩盤には恐らく色んなところにヒビが入ったりするんでしょうね。問題はヒビが活動しているかどうかという問題で、それは上に乗っかっている地表がずれているかどうか見ないとわからないと言うことだと思うんですよ。従って岩盤まで出して洗ってしまったら奥村先生の仰る通り、その断層、岩盤の中のひび割れがいつ動いたのかということを科学的分析をしなければわからないし、そういうことをしてもわからない場合もあると。
◆奥村
その岩盤を出す目的は、岩盤検査と言いまして、炉の荷重に耐えるかどうかを調べるために実際に岩盤をだして、その強度とか、割れ目の状態を調べるのであって、その時行われる調査は活断層とは無関係です。

最後の一言

◆奥村
規制庁の今のやり方、あるいは活断層研究について批判がましいことを申しましたが、私の基本的な考えは、活断層研究というのは、原子力の安全のためにも地震防災のためにも極めて重要です。それなしに我々はリスクを知ることが出来ない。その科学が自殺をしないために、規制庁と一緒に自殺をするのは嫌ですからね、こういうことを申しております。

◆山口
中々、難しい議論に入ってしまうんですが、やはり今地震はもちろん、活断層の評価、耐震の評価、重要なんですが是非ハザードの評価とそれによる影響の評価という両面をやって、リスクを管理するという観点で規制を進めるというのが重要であるという風に思います。

◆佃
ハザードと影響評価のリンクは私も非常に大事だと思います。その意味でハザードをちゃんと理解する。今回の活断層と言うものを、動くか動かないかという、私は浅薄といいましたけど、非常に重要なことなんですけども、そこで思考を停止しないで、どういう顔を持った活断層なのか、この活断層が動くとどういう影響があるのかという、特にずれについてですね、それについてさらに議論できるように、それをハザードとして影響を受ける側に渡せるようにするということが非常に大事で、その議論をやめてしまわない。ちゃんと渡してリスクが出来るだけゼロに近くなるような議論をしてほしいなと思います。

◆滝
ありがとうございました。三方の意見は一致していまして、要するに今の活断層の調べ方については、専門領域とかですね、あるいは活断層だけを見ていて、他のシステムとの全体的な最適性を考えていないですとかね、色んな意味で足りないところがあるので、そこを考え直して欲しいという主張だったと思います。私は司会者なのにさっきからコメンテーターらしいことばかり言っているんですけども、やはり私は立場が違いまして、規制委員会というのは決して天から降ってきたわけではなくてですね、福島事故の前にあった安全委員会ですとか、保安院とかですね、そういった組織の過ちとか間違いの上に立って出来ている組織ですので、そういうことも考慮しなければ、規制員会だけの単独の評価をしてですね、これが足りないあれが足りない、それ自体の議論は良いかもしれませんけど、そういった歴史的経緯も考えて欲しいなと、そういう風に思っています。すいません。どうも時間オーバーで、暗い議論になって申し訳御座いませんけども。後半は田原さんが来て明るい議論をすると思いますので、これで失礼します。どうもありがとうございました。

第2部

◆田原
こんにちは、田原総一朗です。進行役をやらせて頂きたいと思ってます、ただ進行になるのかならないか、よく分かりませんけど。まず原発が起こって、私より遥かに専門家の方が大勢いらっしゃるので、何人かにお聞きします。奈良林さん、まずお聞きしたいんですが。この間選挙がありましたね、総選挙、もちろんご存知ですよね。自民党ね、全政党が、原発をゼロにする。そのゼロをわが党は如何に早くするかと、速さを競い合った、早さを競い合った党が全部、惨敗して、原発について一番いい加減、なにも考えない自民党が294議席もあった、なぜだろう。

◆奈良林
やはり国民は、かなり冷静だったというふうに思います。

◆田原
冷静じゃないよ。冷静だったら、毎週、総理官邸めがけて金曜日に多い日は一万人、あんなデモがどんどん出るわけない。それでもって今、朝日新聞と毎日新聞と東京新聞が、全部、原発反対、こういうのはどういうわけ。

◆奈良林
まず朝日新聞ですが、社説で脱原発宣言しました。私、あの団体で朝日新聞は、公平な報道ができなくなったというふうに思っております。

◆田原
なぜ?脱だっていいじゃない。

◆奈良林
ちゃんと推進する方、あるいは反対する、ちゃんと平等に評価するということをちゃんとやらないと。例えば、第二次世界大戦の時に、戦争を煽るようなことをなげかけたわけですよ。

◆田原
例えば、第二次大戦の時に、日本が戦争に行った時に、客観的な新聞はなんていう。

◆奈良林
客観的な新聞は…

◆田原
半分戦争しろ、半分戦争するなっていった、そんな中途半端な、客観的なんて中途半端なんです。

◆奈良林
例えば、戦争を正しく報道したらどうかと、大本営がやってるみたいなんですよ。

◆田原
大本営よりもマスコミの方が先行したんですよ、あの時は。

◆奈良林
そうですね、はい。

◆田原
梶山さん、なんでいい加減な自民党になっちゃったんだろうね。

◆梶山
三年前の選択は、自民党がもう惨敗したわけですね。

◆田原
そう。原発は問題になかった、ならなかった時は、自民党が惨敗して、問題になったらそれ一番いい加減な自民党が大勝した、これどう思う?

◆梶山
これは一時的には民主党に対する相当な怒りが、結果として…

◆田原
どこで怒りが炸裂した?民主党のどこに怒りが炸裂した。

◆梶山
民主党はいろいろ約束をしたわけです、特に政治主導ですよね。政治主導と、今の官僚制度を変えていくと。

◆田原
変えない、だって民主党が消費税の増税したのが、財務省の神様に丸投げして財務省の言う通りにやった。

◆梶山
ですから結局、選挙で、国民の皆さんに大変な期待を与えたと。

◆田原
原発は全く選挙のテーマにならなかった。

◆梶山
今回ですか。

◆田原
うん。

◆梶山
今回は自民党は、原発をテーマにすることを避けて。

◆田原
国民は今回の選挙で、原発を全くテーマにしなかったのかと、と聞いている。

◆梶山
結果として、テーマになることが薄くなったということだと思います。

◆田原
なんで?

◆梶山
それは他の争点がたくさんあって、ボケたんです。争点たくさんあるのがTPPですとか、あと民主党の今までの政策。

◆田原
TPPなんて、自民党も民主党も同じじゃないですか、両方ともTPPはいい加減だ、どっちもやるとも、やらないともいってない。

◆梶山
ただ…

◆田原
なんで自民党が勝ったんだって、いい加減な、原発について一番いい加減な。

◆梶山
ですからそれは民主党に対する失望が、一番大きかった。

◆田原
どういう失望だって聞いてる。

◆梶山
ですからそれは、約束したとおりですね。

◆田原
なにを約束したんですか。

◆梶山
官僚指導を打破する、政治主導にすると、それが結局できなかったからです。

◆田原
そんなこと言ってないじゃない。脱官僚と、もっというと、鳩山さんと管さんって、もう忘れたでしょ。この二人が政権を取った時に、私は会って、脱官僚というから、それは間違いだって言った。全日空だって、JALだってパイロットは官僚だよと、政治家なんて単に役員だと。だから脱官僚なんて駄目だと言ったら、二人は「分かりました」と言って、脱官僚依存にした、いいじゃない。

◆梶山
それはどっちでもいいんですけど。でも基本的には、今の官僚制度の延長で、この国はもたないことはもう確かです。結局、それを変えることができなかったのは民主党政権ですから、約束したにも関わらず。

◆田原
橘川さん、なんで今度、日本人は明らかに原発は怖いと思ってるんですよね。なのになぜ選挙で、原発がテーマにならなかったのか。

◆橘川
原発以上に重大だと思ったことがあったからです。

◆田原
どんな重大なものがあった。

◆橘川
キーワードは、アベノミクスという言葉がキーワードになってきたことから分かるように、やっぱり経済をどうにかしたいというのが、一番大きな気持ちだと。

◆田原
それは二十年前から経済どうかしたいですよ。今に始まったことじゃない。

◆橘川
そんなことないです、ここのところ特に酷いものがあると思います。

◆田原
なんで?

◆橘川
それはリーマンのあとの景気の回復が、世界中遅くなっちゃったっていうのが・・・。

◆田原
世界中でしょ。

◆橘川
はい、11月の内閣府の発表でも。

◆田原
だいいち、リーマンショックが起きたのは、その前の話でしょ、自民党内閣でしょ、駄目なのは自民党じゃないですか。

◆橘川
いえ、田原さんの意見をお聞きしたいなら、我々は議論する必要ないと思うんですけど。

◆田原
違う、僕はね、国民の一番大きい疑問はね。

◆橘川
あともう一つあります、原発で選ばれたかった人も、まともな原発政策言ったところ、12ある政党の中に一つもなかったです、それが一番大きいと思います。

◆田原
なるほど、分かりました。今日はその原発について、皆さんの専門家の意見を聞きたいのですが。川口さん、ドイツにずっと住んでらっしゃる、日本から見るとドイツといのは一番、脱原発が進んでいる国であると、こういうふうにみていますね。このドイツの実態というか、どういう原発についてどうやっているのかなどをお聞きしたいと思います。

◆川口
ドイツ人も自分たちが、脱原発で一番進んでると思い込んでいるんですよね、ドイツ人も。それで決定に対しては物凄く誇りを持っていて、その決定した時も、本当に恍惚状態みたいな感じだったんです。世界中で自分たちだけが物質文明から分かれを告げて…

◆田原
物質文明ってなに?

◆川口
物質文明ですね、だから自然に戻ろうじゃないかみたいな、そういうナチュラル派が結構、ドイツ人って凄く多いんですね。ですから、そういうものには目を騙されると。原発というのは悪なんですね、ドイツ人にとっては。

◆田原
電気も悪?

◆川口
電気は悪じゃない。

◆田原
日本の芸術家で、電気と生命とどっちが大事だなんていった男がいた。

◆川口
電気は悪じゃないけど、原発が悪なんですよ。

◆田原
なんで悪なの?

◆川口
これを自然に逆らうものだという考え方なんですね。それで、凄く自分たちだけが、世界中で原理的に正しいことをしているというふうに思い込んで、凄く国民全体が一致して、それこそ本当にあの時は、国会議員もなにも皆が一致して、そっちに突っ走って、それで止めたわけですよ、原発を。だけどその夢というのが、未だにその夢ですね。あと十年、二十年したらドイツが草が綺麗にあって、自然があると。
お花が咲いてて、風車が建ってて、それで汚い空気はもう僕たちのことは関係ないもの、そういう天国のようなイメージというのは、未だに持っているのが。

◆田原
メルケルさんが首相が、3.11が起きたあとに、もう原発は作らないといいましたね。まだ変えてませんね。

◆川口
福島の。

◆田原
メルケルって保守党ですよね。

◆川口
はい。

◆田原
ドイツはね、これは原発をやらないといった。それが変えてないっていうことは、やっぱり今でも、自然に返ろうと思ってるね、ドイツは。

◆川口
思ってるんですけど、もちろん現実的にはそうはいかないと思うんですけど、ドイツ人というのは、そう思い込むと結構、頑固なのでやろうとまだしてるんですね。やろういうことは、一生懸命してるんですけれど。

◆田原
ヒトラーの生まれた国だから、怖い国ですよね。ユダヤ人をゼロにしようとしたんだからね、彼は。

◆川口
そこまで飛躍して。

◆田原
メルケルさんはヒトラーみたいなものなんですか。原発を止めようってね。

◆川口
でも原発を止めようといいだしたのは、メルケルじゃないですし。

◆田原
だからメルケルさんで、出る話し。今までは何人もやって、止めるって言ってたんです。

◆川口
あの時に政権を持ってたのがメルケルで、止めることにしましたけど、原発を止めるという方向というのは、もうその前のシュレーダー首相の時に決まってたから。緑の党と一緒に、エスペーデーが決めてたこと。

◆田原
それでちょっと実態を聞きたい。今はドイツの人たちは、原発をどう考えてるんですか。

◆川口
今でも悪だと思ってますよ、もちろん。

◆田原
それでやっぱり原発を止めようとしてるわけ。

◆川口
止めようとしてますけれど、だけど私は、そんなにうまくはいかないだろうとは思ってます。それは皆が、今、思い始めてます、うまくいかないだろうということを。

◆田原
この辺詳しいのは多分水町さんだと思うんですが、どうですか、ドイツは。日本では言うよね、ドイツは理想の国で原発を止めるんだと、ドイツに習えと。イタリ―も止めるといった、もう一回、三国同盟復活するんじゃないかという意見するんだけど、どうですか。

◆水町
ドイツの今、メルケルさんの話をもう少し正確にいいますと、ドイツでは17基の原子力発電所が動いておりまして、その内の9基を止めました、現在。それであとの8基で、今2011年ですが、福島が起こった年で17%の電力をまかなっております。それでメルケルさんが上手いんです。2023年までに決めるということ、今から10年、運転しますよと逆に言ってるわけです。

◆田原
2023年になったら、メルケルなんていないかもしれない。

◆水町
でも、彼女はそういうふうに約束をしておりまして。ですから日本みたいに、どさっと止めたいわけじゃなくて、半分はちゃんと動かしてる。

◆田原
日本では、2基しか動いてない。

◆水町
そうです。ですから、世界中でほとんど全部止めたのは日本だけなんです。ドイツはまだ動かしているということがあります。それからもう一つ、今年に入りましてドイツの国民が大きく変わったのは、今年…

◆田原
今年になって、2013年。

◆水町
はい。13年の1月から民間の電気代を100ユーロ上げることになりました、平均で100ユーロ、一年間。

◆田原
100ユーロってどれだけ。

◆水町
1万2千円上げる。これを聞いて、もうドイツは、猛烈になんで上げるんだと、もっとまじめにやれということで。

◆田原
水町さんちょっと待って下さい、川口さん、確かドイツは、日本は、民間企業から電力を買う時に42円と決めた、ドイツはいくらですか。

◆川口
補助金ということですか、そうじゃなくて、家で私たちが払う。

◆田原
日本は42円で買うと決めたんですよね、ドイツはいくらですか。

◆川口
買い取り値段ですか、太陽光の買い取り値段でしょうか。

◆田原
買い取り。

◆梶山
メガソーラで、今、18円くらいです。

◆田原
日本は42円ですね。

◆梶山
ええ。

◆田原
18円。18円でも水町さん、大幅に上げなきゃいけなかったわけ。

◆水町
そうです。風力と電力でその方が遥かに高くて、今日現在、民間の電気料金は100ユーロ、年間で上げましょう、これを1月から上げてます。

◆田原
これは川口さん、ドイツにオッケー、1万2千円上げるのはオッケー。

◆川口
オッケーじゃなくて、今年の一月から上げた電気会社が多かったんですが、配電会社が多かったんですが。それは10週間前に、値上げ通知をしなければいけないというのがありまして、10月20日かなんかに、それが発表になったんですね、来年一月から上げる会社は。その時に、もう凄く大騒ぎになったんですよ。それで1万2千円ぐらい、普通の四人家族で1万2千円くらいの値上げなんですけれど。

◆田原
そう、年間。

◆川口
それだけを見ると、別にそんなに高いものだと私は思わないです、1万2千ぐらい、一回、車を満タンにしたら掛かりますから。ドイツ人は車を二台くらいずつ家に持ってるわけですから、そんなに大変じゃない。だけれど、凄くこれからもっともっと上がるという恐怖感ですね。ドイツ人というのは、まず原発を止める時もやっぱり、放射能が怖いというので恐怖感で止めた。今度は、値上げの恐怖感で動いていったんですね。

◆田原
そこで北澤さん、こういうドイツを今、どう捉えていますか。

◆北澤
ドイツはこの件に関しては、意見が非常に割れてると思います。それで18円くらいいいじゃないかと思う人と、もうすでに自然エネルギーが18円/kwhになったんだったら、日本より安いわけですよね。ですからドイツが全てここまで上がってきたって、日本が今、24円くらい払ってますので、我々。

◆田原
今ね。

◆北澤
ええ、今だからです。ですからドイツの太陽光でも、もう18円までなってきたと。それで風力だったらもう10円切るようなものが出てきたということを考えると、ドイツはもうそれでいいじゃないかという人と、それからやっぱり今現在で、5.5円くらいでしたか…高くなってるのが。5.6円高くなったと、前よりも。
こんなのは許せないと、二種類の意見、これはもう国民一人ひとりの価値感なんです。

◆田原
梶山さん、今、聞いてるとどうもドイツは矛盾だらけってというふうになりそうなんですが、梶山さんどう捉えてるでしょう。

◆梶山
これはもう、個々の事象をとらえてもしょうがないので、あまり意味がないので。

◆田原
個々ってどういう?

◆梶山
個々というのは、電気料金で今、騒いでるのは事実です、これ。その背景としては、四割くらい一気に上がったんですね、今年に入ってから。

◆田原
なぜ上がったんですか。

◆梶山
四割というのは、買い取り価格の部分が四割ですからこれは3円くらい。

◆田原
なんで上がったんですか。

◆梶山
これは太陽光が急速に普及して、価格が高止まりする中で、買い取り価格が高止まりする中で普及が急速に膨らんだんですね。

◆田原
でも18円でしょ。でも四割なんか、日本がもし42円で買ったらどうなりますか。

◆梶山
その前に、まず普及したのは、もっと40円くらいの時に急速に普及したわけです。その買い取り価格が40円の時に。だからその負担が、結局、残っちゃったわけです。その場は急速に下がったんですが、もう昔の負担はやっぱり続いてますから。

◆田原
最初は40円で、それが一気に下がったわけですか。

◆梶山
そうです。ですから40円から30円くらいの時に、急速に普及して、負担現金広がってしまったんです。ですからそこの部分は、やっぱり反省点としてはあります。ただ、再生可能エネルギー全体のコストはドイツは大分下がっています。

◆田原
奈良林君、今の議論を聞いていて、日本はどうすればいいの?

◆奈良林
今、過度の太陽光の導入、これを急ぎ過ぎると、やはり国の経済ゆがめたり、消費者に電力料金という形で・・・。

◆田原
ドイツは18円でしょ、なんで日本は42円なんて高い料金をつけたんですか、民主党政権の時。

◆奈良林
これは民主党政権の時に、これを下げろという意見もあったんですが、下げるという委員を全部、新聞が糾弾して外しちゃったわけですね。

◆田原
どういう新聞が糾弾しちゃったの。

◆奈良林
例えば、朝日とか。

◆田原
なんで朝日が糾弾したの。

◆奈良林
太陽光に導入する、反対する委員はけしからんという、そういうキャンペーンがはられたのを私、覚えてます。

◆田原
高くするのが良心的ヒラリズムだと思ったんだ。

◆奈良林
太陽光をとにかく促進すべきだという論調で、この将来、経済に禍根を残すというそういった意見を言った人を排除しています。

◆田原
橘川さん、それ本当ですか、今の奈良林さんの。

◆橘川
そこまで私、存じ上げませんでした、そんな事情は、排除したということは存じ上げません。ただ42円かどうかというのは、私はある意味じゃどうでもいいと思います。42円だったら長持ちしないし、もっと安く設定したら長持ちする、それだけの話で、だと思います。

◆田原
なんでこんなに高くなってるんでしょうね。

◆橘川
42円ですか、それは早く普及させたいから高くしたんでしょうけど、長持ちはしない。

◆北澤
スタートラインがご祝儀相場なんです。スタートラインがご祝儀相場だというふうに、日本が去年から始めたわけですね。固定価格買い取り制度というのは、去年の7月から日本は始めて導入したので、日本が急速に導入していくための、最初のスタートラインに弾みをつけるために、本当は30円強くらいでもなんとかなるのを、42円でスタートすれば弾みがつくだろう。それで、ご祝儀相場というふうに言われていると思います。

◆田原
奈良林さん、あの委員会、ミヨシさんでしたっけ、あの委員長。

◆北澤
もう一つ。

◆田原
委員会では、反対するのが全く無駄な気分にされたって話もある。

◆奈良林
なんかそういう状況だったというふうに思います。

◆奈良林
管総理とあと電話会社のなんとかさんとか、あそこら辺の方々が随分、主張が強かったですね。

◆田原
それはこういうところが、一般の国民はよく分かってないんですよね。

◆梶山
本当のところは、実態がやっぱりよく分からないんです。業界の方は情報を公開しないし、経産省も情報をそれほど厳格に求めなかったと。それで業界は、この機会にこぞって高い価格を要求してきて、それがそのまま通ってしまったというのが今回です。あと私の方で、ウエダ先生には出来るだけ情報入れるようにしていたんですが、やっぱり時間的に間に合わなくて。決める時間と、我々は少人数で調べてますので、やっぱりどうしても体力的に難しいのがありますので、それで結局間に合わなくて、業界の人間になってしまったというのが、ここの実態です。ですから、基本的にはもっと下げる余地は十分あります。

◆田原
なるほど、はい、どうぞ。

◆水町
私は、太陽光をやれるだけやるべきだと思っておりますし、どんどんやっていくべきだと思うんですが。太陽光発電というのは、ある意味ではお金持ちの優遇策で、貧乏人をけなす政策だと思うんですね。貧乏な人はアパートに住んでて家もないわけですから、太陽光を作りようがない、42円貰いようがない。大きな家を持ってる方は、どんどん作って42円貰う。ですから、金持ちの方はどんどん作ってお金が入る、そして貧乏な方は、それがまた電気料金に上がっていくから、貧乏な方が払うようなシステムになっちゃうと思うんです。それは少しおかしいと思います。ただ、技術的には非常にいい。

◆田原
今の意見、北澤さん、どうでしょう。水町さんの意見。

◆北澤
これは政治のやりようがまさにそこにあって、貧乏な人を救うか、金持ちを優遇するかは、まさに政治によって決まる。ですから例えば、神奈川県のように8万円ポッキリプランというのを作って、8万円で各家が太陽電池を入れられますと、置いてあげますと、8万円だけ出して下さいというような、そういう政策を始めてるところもあります。ですから、必ずしもそれは金持ち優遇とは決まってないといえると思います。

◆田原
なるほど。橘川さん、こないだ民間で委員会を作って調査をやれたのは北澤さんのところ。

◆橘川
そうです。

◆田原
ごめんなさい、それを聞きたい。北澤さん、民間で畑村委員会とか黒川委員会とかあったでしょ、北澤さんのところも委員会を作って調査する、その結果、原発はどう考えればいいですか。

◆北澤
私たち、民間事故調というのをやりましたけども、そこでの一番の目標は、今までの原発がなぜ事故を起こしたのかということをやったわけでありまして、委員会としては、原発を今後どうしていくのかというそこに入り込んでいません。むしろどうやったら、このような事故を起こすようなことを避けられるのかというのを、私たちの一番・・・。

◆田原
どこに問題があったんですか。今度、東電の死の原発が事故を起こした原因はどこにあった。

◆北澤
これは三つあると思います。一つは、直接的な原因で、地震だとか津波だとか。

◆田原
これ津波なんですね。

◆北澤
地震の可能性もまだ残ってるとは言われてますけれども、これは東電が国会事故調なんかに1号炉の中を見せるとかそういったこともきちっとやれば、国民は納得していくかと思いますけど、事故の直接的・・・。

◆田原
なんで見せなかったんですか、東電はなぜ見せなかった。

◆北澤
それは分からないです。とにかく、国会の事故調が見せて下さいといったら、真っ暗で見えません。

◆田原
真っ暗じゃなかったんでしょ。

◆北澤
真っ暗じゃなかったと。それから危なくて、しかも戻ってこれないかもしれませんよ、それでも行きたいんですかと言ったら、東電の人は手引きしてくれませんかと言ったら、私たちはしませんというふうに言ってるわけですよね。ただその意味で、その人たちは、どう考えても嘘を言ったとしか思えないわけですが、これは今後、国会で取り上げられて、それで国会事故調が、もう一度、きちんと調査するかどうかということが決まると思います。それによって明らかに。それで、私たち民間事故調のさらに調査点としては、一番は、なぜ電力がこなくなってしまった、30分以上も停電が続いた時に、そこから先のことは考えなくてもいいですなどという、そういう指導指針を、なぜ原子力安全委員会が作ったのかということですね。

◆田原
そこのところね、一般のお客さんは知らない、どういうこと今のおっしゃったこと、最後のとこ。

◆北澤
電力事業者は、原子力安全委員会が、どういう指導指針を作ったかに従って、それに基づいて自分たちの安全指針を作って、そして自主的に安全を保っていくということに、これまではなってたわけです。それでその時の安全指針に、停電してしまって30分以上、電力が復活しなかった時の、そこからあとのことは考えなくてもいいと書いてあったわけです。

◆田原
考えなくてもいい。

◆北澤
考えなくてもいいと。ところが今回は、電力が喪失して30分以上経ってしまったために、ああいう大事故になったわけなんですけども。なぜ原子力安全委員会が、そんな指針を作ったのかというのが、私たちにとっては事故の間接的な要因として非常に大きなこと。

◆田原
奈良林さん、今の北澤さんの、なんで東電はそんな嘘をついたんですか。暗いから分からない、危ないから案内もできないと。

◆奈良林
それはちょっと、私はその時の事情はよく分かりませんので、これからちゃんと・・・。

◆田原
誰がそれ分かってるんだろう、水町さん分かりますか。

◆奈良林
多分、線量が高いとか、そういうこともあったと思います。私も福島へ参りました。

◆田原
真っ暗じゃなかったのに真っ暗だとか、なんでこんな嘘をついたんですか、東電は。

◆奈良林
これはちょっと分かりません。ちゃんと見せるべきだったというふうに私は思いますけど。

◆田原
これは橘川さん、客観的に見てらっしゃってどう思いますか。

◆橘川
その件については全く知らなかったですし、知らないことを知ってるというのは一番問題なので、なにも言えません。

◆田原
これ梶山さんどう見てる?

◆梶山
私も分かりません。でもそれは東電の体質に起因するところは大きいんじゃないかなという、感覚はあります。

◆田原
東電の体質はどういうこと。

◆梶山
その隠ぺい体質じゃないですか。

◆田原
隠ぺい体質。はい、どうぞ。

◆橘川
東電の体質といいますけど、私、現場の人はメチャクチャ頑張ってると思います、命をかけて。

◆田原
頑張ってるよ。

◆橘川
もし、東電に問題があるのならば、その高い現場力と低い経営力のミスマッチ。経営力は高いんだけども・・・。

◆田原
日本の昔の陸軍と同じだね。兵隊だけは強いけど将軍はムチャクチャと、つまり会長や社長が駄目だったと。

◆橘川
経営の体質が悪かった。

◆田原
なんで駄目なのが経営者になったんだろう。はい、奈良林君。

◆奈良林
例えば、アメリカ、スリーマイル事故、あの時は会社の研究所にいたんですが、安全性を高めるために世界中で、猛烈にいろんな研究開発をいたしました。私も参加しました。アメリカに行って、いろんなケース情報会議とか、そういうのに参加して、ディスカッションしました。ところがある時から、1990年に入ってからだと思います、急に研究開発がゼロになりました、安全研究が。これはなにかというと、電力自由化にしましょうというので、コスト競争に入ったんですね。結局、火力と原子力が発電単価でコストを競う時代になってしまった。石炭火力に負けない原子力のコストを下げる。こうなると研究費が回らなくなっちゃた。それが一番の分岐点の一番のまずいところだと思います。結局、安全研究を一生懸命推進した幹部じゃなくて、コストダウンを達成して、会社の利益を上げた人・・・・

◆田原
東電もそうじゃないですか。

◆奈良林
だから・・・。

◆田原
あまりにコストダウンをやろうとして、それでうまくいったから調子にのる。

◆奈良林
そういうところから、私はその流れができてしまったと思います。

◆田原
水町さん、どう、重大な問題。

◆水町
ちょっとその前に、TMIの話で今、出たんですが。やっぱり私たちは、責任者がいないというのが一番大きくて・・・。

◆田原
だって東電だって、一応、会長が責任者じゃないですか。

◆水町
ええ、今度の対応で、いろんな人が出てきましたよね、テレビに。私、TMIの時にアメリカに行ってたんですが、カーター大統領が飛んできて「軍隊を動かすのは俺がやる」と。原子力についてはデントンという41歳の部長になりたてのNRCの人に「お前に任せた」と。全部、朝、夜、ともかく一時間、俺に電話をよこせと。全部、俺に知らせろと、カーターさんが言って、いなくなって。テレビに出るのはデントンさんだけだった。デントンさんこの前、お迎えしていったんですが、私が責任持ってやりましたと。今回を見てると、総理大臣も出てくる、官房長官も出てくる、いろんな人が出てきて誰の言ってることが正しいか分からなかったって。そういうところで、対策もなんでも、そういう責任体制というのが、ないんじゃないかというのが、非常に大きい。

◆田原
橘川さん、ここが一番聞きたいのですが、3.11で、日本で初めて深刻な大事件が起きたと。起きたというでしょ。大きなことにね、やっぱり原発、あるいはそういうさっき言われたように、報道として日本のトップがない。これは認識でしょうと。変わらなきゃいけないのに、全然変わってないと。これどう思います?僕はやっぱり、テラダトラヒコって、ご存知だと思いますが、彼は関東大震災が起きた時になんて言ったか。最新の、首都圏あるいは南海大地震が起きると言って大騒ぎしてる。こんなものは、2千年、3千年目からこの島はいっぱい地震が起きるんですよ。テラダトラヒコは、震災を喰って日本は成長していったと。だからこの3.11は、大規模で大変だけども、ここで認識を変える、構造を変える、変えなきゃいけない。なんでこれが変わらないの。

◆橘川
東電じゃないんですけども。

◆田原
東電はどうでもいい、全体で。

◆橘川
原発の稼働率良かったのは、四国と九州なんですね。ここはある意味で頑張ってたんですよ。それで稼働率良くて、依存度がどんどん上がっちゃう、儲かっている。一つの会社の中で見てれば、それですむんです。だけど原発のリスク管理というのはそれじゃ甘くて、他社が事故を起こしても、あるいは近隣諸国が事故を起こしても止まるかもしれないわけですから、そのリスクマネジメントの捉え方自体が、やっぱり弱い。

◆田原
なんで弱いんだろう。

◆橘川
基本的にはやっぱり競争してないからです、電力会社が。

◆田原
地域独占がよくないんだ。

◆橘川
ある時期までは、どんどん施設を建てなければいけない時には独占が必要だったと思いますが、それほどもう施設が必要なくなった時には、今の局面だと競争が一番大事な時期だったわけです。

◆田原
川口さん、今のこの論争を聞いてて、どう思う、我が国日本のこと。

◆川口
別になにも思わなかったですけど、今。

◆田原
なにも思わなかったって、あなた、聞いてて「ああ、日本はいい国だ」と思いますか。

◆川口
いい国…日本はいい国ですよ。いいんですけれど。

◆田原
ドイツよりやっぱりいい、日本の方が。

◆川口
原発に関しては、凄く日本の恐怖感を植えつけられてるところが凄くあると思うんですよね。怖い、怖いって。ですから、まず原発は怖いものだ、だからやっぱり止めるべきだって、それしかないような気がして、それが問題だったと思うんですね。それで、だったからこそ、ドイツは素晴らしいってなっちゃうわけなんですが。でも先ほど水町先生がおっしゃいましたけど、ドイツは動いているんですよ、原発が。9基動いて、8基止めていますね。

◆田原
9基動いてる。

◆川口
それで脱原発に四苦八苦してやってますけれど、もちろん向かってるんですが、脱原発をするためには原発がまだ必要だといことは、ドイツは凄く分かってると思ってる。

◆田原
9基動いてる、日本は2基しか動いてない。

◆川口
それは日本は怖いからって全部止めちゃって、ストレステストというのも、日本の場合は、ほらこんなに欠陥があるじゃないか、じゃあ動かしちゃ駄目、止めなさいって、そういうあら探しをするためにやってるような気がするんです。ヨーロッパのストレステストというのは、こういう欠陥がありますから、これを改善して下さい。それも「しなさい」じゃないですね、して下さい、推奨してるわけです、改善した方がいいですよって。だから、その辺の考え方が、全然違うなっていうのを感じた。

◆田原
なるほど。梶山さん、この点はどうでしょうか。

◆梶山
ドイツは原発が動いてて、日本は止まってると。これはドイツにはできないと思います。というのは、日本は福島の事故を起こしたばかりですよね。

◆田原
ドイツはそういう事故を起こしてない。

◆梶山
まだ起こしてない。日本の場合は、なぜあの福島の事故に至ったのか、あの福島事故のあとのドタバタ騒ぎとか、安全規制のいい加減さ。これはもう、皆が分かってしまって、とてもじゃないですが、このままで本当に動かすことができるんですか、そういう話。あと私は、保安院の安全宣言の中身を専門家の人に分析してもらったのを聞きましたが、安全宣言はでたらめそのものです。分析する人は・・・。

◆田原
でたらめそのものというのは、言葉は分かりやすいけど、なにがどうでたらめ、ちょっと具体的にいくつか言って。非常に大事。

◆梶山
非常用電源がディーゼル社で、そのエンジンの補給を、丘の上のガソリンスタンドで補給するとか、そういうことです。それで動けなくなっていたようです。それがいたるところにあったと。

◆田原
奈良林さん、どうしたらいい。だんだん原発止めようっていう気になって。

◆奈良林
まずちょっとドイツの話をしてもいいですか。ドイツは羨ましいっていってました。フィルター付きベントって、ドイツでどんどん試験をしてます、そこを見に行ったのですが。実はドイツは規制委員会を今12人いたんです。これは日本じゃ原子力村を排除し緑の党がありましたか。ところが福島の事故が起きて、これを大反省として原子力のプロフェッショナルが規制委員会にいないと、事故の時になにも対応できない。

◆田原
村の人が投入するわけ。

◆奈良林
そう、村というか、原子力スペシャリストだからどこのバルブと、どこのバルブができるとか、このバブルとこっちにやればこちらができるとか、そういうことをちゃんと知った人がいなきゃ駄目だと。これで4人追加したんです。電力会社とそれからメーカーですね。なぜそういうことをするんですかと聞いたら、ようはその委員会の中でステップホルダーが揃うから、激しく議論すればいいじゃない。その点をしっかり弱点を見出したり、事故の時にしっかり対応できる体制を作る、こっちの方が大事だと思う。ですから、それなんですが、今、私、まだ日本でできてない。

◆田原
できてない。原子力規制委員会駄目?

◆奈良林
ようは原子力の今、プロフェッショナルがいない。

◆田原
だから今の原子力規制委員会、駄目?

◆奈良林
もし、また福島と同じような事故が起きたら、対応できないと思うんです、今、現在の体制では。

◆田原
ちょっと具体的に。

◆奈良林
例えば、今、起きたとして、的確なアドバイスをする、そういう組織があるんですけど今、それできてないですよね。

◆田原
原子力規制委員会、今、専門家は誰もいない。

◆奈良林
原子力発電所のプロフェショナルはいないです。
◆田原
ちょっとそれは橘川さん、どうでしょうか。今の原子力規制委員会は駄目ですか。

◆橘川
いや、駄目じゃないと思います。

◆田原
いや、今、駄目っていった。

◆橘川
いや、意見が違う。

◆田原
違ってんだけど。

◆橘川
ともかく独立の委員会として、三条委員会としてできたんだから、これはもう本当に頑張ってもらうしかない。問題はその頑張るためには、専門性と説得力だと思いますけど、それをちゃんと確保する仕組みになってるかどうか。例えば、5人の委員なんていうのはそんなに増やせないと思うんですが、その下に活断層を判断する人は、やっぱり断層に詳しい人だとか、一部の議論聞いてて思いましたけれども。いろいろ詳しい人をきちんと入れるだとか、徹底的に時間かけて調べるだとかということをやると、専門性や説得力が上がると思うので、頑張ってもらうためにも、きちんとしたメンバーにして、きちんと時間をかけて、調査してもらいたいと思います。

◆田原
ちょっと余計なこと…やりたくないんですが、橘川さん。僕は東大の、いつかその首都圏で、30年内に起きるとかなんか言ってるような東大の教授に、日本で最大の地震というのは、震度どれくらいだって聞いたら、7度以上の地震は起きないと言い切ってた。活断層があるかどうかって、7度の地震に耐えられるかどうかが問題だと思うけど、それは橘川さん、どう思いますか。どんな活断層があっても、7度以上の地震は起きない。では7度の地震に耐えられるかどうかが問題だというんだけど、どうですか。

◆橘川
僕が呼ばれるのは有識者だからなんですね、それなんで有識者って知識あるからって、専門科学の有識者なんです。だから専門じゃないことは分からないので、その件は分かりません。

◆田原
いやいや。じゃあ梶山さんどうですか。

◆梶山
私も。

◆田原
この中に活断層分かる人、いないわけね。分かりました。北澤さん、今の原子力規制委員会を北澤さんどう捉えてるんですか。

◆北澤
今までの安全保安員と、原子力委員会、原子力安全委員会、そういうものがこれまでどういうふうに機能してきたかという反省の上に立って、それで今回の原子力規制委員会は、身分をまず国会から保障されているんですね。大臣を勝手に変えることはできない。それで、その5人の人たちは、今までは誰が責任があるかというのはあまりよく分からなかったわけですが、保安委員の委員長も、いやいや私がなにか水の流れに竿をさしてもどうしようもなかったと思いますよと、そういうふうに言ってるわけです。今度の人たちは、あなたの責任で、あなたの良心に恥じないように判断して下さいと、言われてるわけです。ですから彼らは、恐らく私の今、見てる目では、そういうつもりでやり始めたと思いますし、まだやり始めてほんのちょっとしか経ってませんから、それほどその成果は上がってきてませんが、一応、そのラインで行こうとしてるのかなと私には見えます。

◆田原
なるほど。水町さん、ただ、今の原子力規制委員会だと、四、五年は恐らく再稼働は無理だと言われてますね、これはどうですか。

◆水町
まず組織の問題ですが、今度の規制委員会というのは、やっぱりアメリカがNRCというマルチ型を目指して、それで5人のコミッショナーというのも問題です。それで、ただNRCには、非常にもう肩たたきがありません、もう何歳でも自分が働けるだけ…定年がないです。ですからプロがたくさんいます。それでもう80歳の権威なんていう人、私も仲良しですし、そういうことがあるのでちょっと組織が違うわけです。それからもう一つは制度的に、NRCの上にACRSといいまして、Advisory Committee on Reactor Safeguards というものがありまして、顧問会が見てまして、今回も福島に対してやり過ぎの面もあるんじゃないかとか、足りない面もあるんじゃないかとか、いろいろコメントをつける。そういう組織がなくて、彼らが一番上だっていうことになっちゃうと、やはりなんかあった時とそうした時やなんかも、独走した時やなんかのチェック機能がないというのがちょっと問題だと。

◆田原
つまりもっというと、原子力規制委員会が独走した時のチェック機関機能がない。

◆水町
はい。

◆田原
どうですか、北澤さん。

◆北澤
それは国会に、原子力規制委員会を見張る委員会っていうのができればいいわけで、それはもう既にできかかってると思います。

◆田原
ただ、もうちょっと話あとにしますけど、国会っていうのはろくでもないと思ってるんだよね。例えば畑村委員会とか、黒川委員会とか、調査しましたね。
人間と金と能力使って。最終報告出しますと、東電も国会で審議して、国会、原子力はどうすべきかという審議を全くしないで放りあげて、どう思う、国会。

◆北澤
それはちょっと誤解があります。国会で審議して、今の規制委員会というのができたんです。ですから国会が審議したわけ。

◆田原
してないよ。違う違う。僕は民主党の野田さんを始め、なんで審議しないんだって、このボッタクラ委員会と。自民党が反対してるという。だから自民党になんでしないんだって聞いたら、民主党が反対してると。

◆北澤
それは結局、最後は妥協して、それで、この規制委員会ができるには国会の審議が必要だったんです。それは去年の7月には、その法案は民主党と自民党との妥協の上に規制委員会ができて、それで自民党側から賛助委員会にしようと。民主党は、そうではないタイプの委員会を提案してますけども、最後その両者は妥協して今の賛助委員会としての規制委員会、その意味では国会は機能したんです。

◆田原
機能したって。この辺は奈良林さんどうですか。

◆奈良林
そういう規制委員の任命の仕方。もう一つ、実は私もマインドの県庁市会で、福島の議論を分析をしていました。それで、かなりの事故の原因、それから対策、これは明確に決まって。これも国民に向かって、ちゃんとプレスをよんで、ちゃんと説明した方がいいですと、私、市議会に申し上げました。ところが全然動かない。

◆田原
例えば、僕は自民党、民主党に聞いたんだけど、民主党は黒川さんを証人喚問するとか、畑村さんを証人喚問するというのは、気の毒でできないという。

◆奈良林
例えば、誰かがしっかり説明しなきゃいけないわけです。それを黒川委員長にやらせるか、誰か、それはいろんな考え方あると思う。

◆田原
いやいいんだ、誰でもいいんでしょ。

◆奈良林
例えば、経済産業大臣がやるか、あるいはその前の野田首相の時にやれば良かったんです。それをやらないで、いきなり地元にいって。

◆田原
なんでやらなかったんですか。

◆奈良林
多分、しっかり説明する自信がなかったんじゃないかと思います。

◆田原
北澤さんどうですか。

◆北澤
はい、分かりません。どうして呼ばなかったのかというのが、私には全然分からないんですが、私は呼ぶべきだったと思います。

◆田原
梶山さん、どう思う。

◆梶山
私も、その辺はフォローしてないので分かりません。

◆田原
橘川さん、どうですか。フォローしたくないということにしとこう。

◆橘川
呼ぶべきか、呼ぶべきでないかという話だったら、呼ぶべきだと。

◆田原
呼ぶべきだよね、あれ呼んでないです。なんだろうね、なんで呼ばなかったんだろう。

◆奈良林
ちょっといいですか、そこの曖昧なままで大臣が行って、地元に行って、再稼働してるから認めて下さいと、こういうと、今度、認めた時期は丸めこまれたような構造になってしまうんです。丸めこまれた、政府がきて説明して動かして下さいって。結局、動かしていい理由、それから事故の原因の分析、そういうものがちゃんと国民に公表されないまま、そういうプロセスに入ってしまった。これが去年の夏のことですから、しっかり事故の原因、津波でものが濡れたとか、それからいろんな…

◆田原
第一にね、奈良林さん。クロカワ委員会と、それからハタムラ委員会は、見解が違うんですよね。片方は津波のせいだといい、片方は地震のせいもあると言ってる。だからそれをやっぱり国会で、どっちだっていうことをハッキリしてほしいですね、単純に。

◆奈良林
これはちゃんと分析しました。ですから、格納器の圧力とか、証拠データが残ってるんです。津波がくるまではいろんな記録がある、全部、非常ディーゼルも動いて、電気的な記録がとられてますから、証拠は残ってるんです。それをもとに、詳細の分析をしています。ですから…

◆田原
クロカワ委員会の委員長っていうこと。

◆奈良林
そこの部分はクロカワ委員会とかに、全部転用されてますけど、他に転用されてますけど、そこのところは私、間違ってると思います。

◆田原
そこはどうですか、橘川さん。つまり二つの見方が違うんですよね。国民はどっちが正しいんだろうということを知りたいんだけど、国会でこれをどっちが正しいんだろうという審議をしてないんですよね。

◆橘川
その件に関しては、両方の違いをハッキリさせて、証拠もあるという話なのであれば議論すればすむ話なので。

◆田原
なんでしないんだろう。

◆橘川
それはやっぱり、政治家ってそういうものなんじゃないですか。

◆田原
政治家ってなに?水町さん、どうですか、やっぱり政治家ってそういういい加減なものなんですか、大体。

◆水町
私は政治家のことはよく分かりませんが、ただ事実関係は、先ほど奈良林先生言われたように、地震のあとの津波がくるまで45分間の記録が残ってるんですよ。これを詳細に分析すれば、地震で壊れたのか津波で壊れたのか明確になるので、これは当然議論すべきこと、明確にしなければいけないと。

◆田原
なんで明確にしないと思います。

◆水町
それは学会の中でも是非、やるべきだと思います。

◆田原
川口さん、今、皆さんの意見を聞いて、地震の、なにがどうこう、どうなったかと、ちゃんとあっていたのか。だからそこが委員会にたって、地震で実は、ある程度壊れ、津波でさらにやられたというと、いや津波だっていうのに分かれてるんですね。なんでここハッキリしないんだろう。

◆川口
日本人はあまり討論、議論、好きじゃないからじゃないですか。ドイツ人は凄く好きだから、もう嫌というほどそういうのを言いますから、だから最終的にどこか結論にもっていくわけですよ。

◆田原
結論を持ってるの嫌なの、ただ単に。あなたせっかく、そこにいって調査されたんだから、なんで結論に日本人はもってくのは嫌なんですか。

◆北澤
例えば、アメリカスリーマイルアイランドですら、日本よりも事故としては遥かに小さかったわけですが、それですら二十年もかけてずっと凄い調査が続いてるわけです。それが日本は、そういうお金が出ない。

◆田原
なぜです。

◆北澤
すぐに終ってしまうと、そういう状況に、今、なってるんです。ですから国会事故調も終っちゃいましたし、政府の事故調も終ってしまいましたし、私たち民間事故調にはほとんどお金がありませんから、コソコソと続けてるだけです。なかなかそういうことはできないんです。しかも権限もないので、東電には入れてもらえないので。ところが、東電が一号炉を国会事故調に見せるといえば、私は地震の前に壊れていたのか、それともそうではないのかというのが、すぐに分かるはずなんですね。だから、それを見せないというのが今、一番の問題だと思います。

◆田原
その黒川委員会も畑村委員会も、見せなかったんですか、当時は。

◆北澤
そういうことになりますね、一号炉は。

◆田原
見せなかった、なんで見せなかったんでしょう。

◆北澤
これは非常に問題のあるところなんですが、彼らからすれば自分たちだけだったら危険があっても入っていけるけれども、国会事故調がくるなんていうので、誰かに案内させろなどとは、そういう危険な案内はさせられないと、そういう論理になっております。

◆田原
奈良林さん、見せたっていいじゃないですかね。

◆奈良林
それは見せてもいいと思いますけども、ただ1時間いるだけで、100マイクロシーベルト、バーンと入っていっちゃいますから。私も福島へ行ったんですよ、経産省の保安員と意見聴取会のメンバーとして。一時間行くだけで、100マイクロシーベルト、これ以上ビジターですから、建屋の中に入るとしたら、さらに線量が高くなるはずですから、それを了承して入って下さいということだから。

◆田原
こういう説明を梶山さん、東電はしたんでしょうか。

◆梶山
すいません、私は、そこの部分というのは基本的にフォローしていない。

◆田原
もちろん、推測でいいんですが。つまり、現地に入れなかったというのが問題ね、調査できなかった、ここがハッキリしてる。なんで入れなかったというのは、ようするに今のナラバヤシさんは、中に線量が大きすぎて危険だから入れなかったんだろうというので、そういうことを事故調やなんかに、ちゃんと説明してるのかどうかというのが、全然疑問になるのか。橘川さん、どう思う。どうぞ。

◆北澤
私は偶々その会話のやり取りを聞いていましたので申し上げますと、東電はそういうことは言ってません。線量が高いから行かせたくないとは、決して言ってなくて。ただし、足場も悪いので、帰りがけに迷子になって帰ってこれないかもしれませんと。

◆田原
迷子になって?

◆北澤
迷子になって、原子炉の中でですね。それで迷子になってしまうかもしれんませんよということに対して、国会事故調の方は、では東電の方でご案内していただけるんですかと聞いたら、それはしませんというのが東電の答えです。

◆田原
迷子になるから。

◆北澤
それでガイドしてもらえないのに、あなた方それでも入りたいんですかという、そういう感じの、かなり私は、脅し的な態度だったんですよ。

◆田原
そこは東電に大いに問題があると思う、大変問題があると思う。でも問題があればいいんだけど、さあこれが、どうするかという問題があるんだよね、橘川さん。

◆橘川
今、東電がどうのとか…

◆田原
もういい、だからこれからどうするかっていうことだ。

◆橘川
だと思います。先ほど、田原さん、今の規制委員会だって、5、6年再稼働はないと言われたんですけど、1部の議論で、最後の質問で17サイトで、今のところ6サイトとかって、17サイトのうち活断層の可能性があるというのは6サイト。もうちょっと増えるかもしれません。そして安全基準が出てきて、シビアアクシデント対策で多分、フィルター付きベントと、免震重要棟というのがポイントになると思うんですが。加圧についてのフィルター付きベントについて、これ今加圧が大きいということになっているんで、猶予期間が入るという報道がされています。そうするとそういうのを合わせますと、私は決して、そんな先、再稼働っていうのは、先じゃないんじゃないかというふうに思っています。

◆田原
そうですか。1年2年で再稼働。

◆橘川
だから再稼働すべきだと言ってるのじゃないんですが、今も規制委員会の論理からいっても、再稼働というのは、意外に近い将来、起きるもので、そこについてきちんと考えておかなければいけませんよと、こういうふうに言いたいと思います。

◆田原
奈良林さんどうですか。

◆奈良林
ちょっとこれを使ってご説明したいと思います。これはアメリカの規制です。人と環境を守るということで、これ安全目標は、規制側とNRCと事業者と、この究極の目標が一致してるんです。ですから事業者に対しては、規制がどこみてもいいですねと、とにかく見せなさいと。例えば、朝の朝礼から、それからいろんなメンテナンスしてるところ、もう全てオープンにする。それから、自分のパソコンを持って行ったら、ランケーブルを繋いで司令官は電力会社のランの中に入れます。全て経営と人事の情報以外は、全てアクセスできると。アメリカは事業者と、それからこの規制が協力して究極の目的である人と環境を守ると、こういうことを、スッタフの下で繋がってるんです。これでもうアメリカとそれから日本のいろいろな事故のいろんな対応についても、物凄い大きな差が付けられてしまっています。それで私はこの福島が、こんな深刻な事故が起きた時に、この一番重要な、人と環境を守る規制と、それから事業者の普段の業務に求める規制ができるかとなったんです。ところが今、出来てないんです。事業者は、規制委員会に来ちゃ駄目だと、話は聞かないと。いろんな仕様を説明しようと思っても、帰りなさいと。こんなことで、セイキョウな化学技術に基づく議論、それから安全性を高めるための議論。これが今、出来てない。これが一番問題です。

◆田原
出来てない。これが一番難しい、水町さん。

◆水町
今それが、年間の話し合いをちょっと追加しますけど、私はアメリカに住んでたんで、アメリカファンなんていう人、多いんですけど、アメリカが嫌いなところをたくさん見てるんですけど。原子力について非常にビックリする意見がありまして、NRCの長官、前の前の前の長官でエアスさんというのが壇上に上がりまして、私の使命というのは、放射線障害から住民を守ることです。従って規制をして安全運転をする。それが私の使命です。こっち側から、電力会社の親分が上がってきてるんですね。これは第一回の私、モデレーターで言ったことですけれども、私たちは電力会社ですから当然電力を安定供給しなければいかん。それからお金を儲けなきゃいかんと。利益のない会社なんて意味がないと。赤字を出したら駄目だと。その為には、安全運転が重要だと。従って私達は、NRCと喧嘩をする気はなくて、一緒に協力して良くする。これが素晴らしいんです。今年一月、先月はNRCと全部の電力会社が集まって、会議に出ましたけど、去年の良い点と悪い点と全部報告書を作ったんですね。そしたらブランズビックの親分がとんでもないことを言いましてね。原子炉の下のボルトを十分の一の力でしか締めなかったと。十分の一の力でしかボルトを締めなかった。従って運転したらバーっと水が出ちゃったと。そしたら当然PCVが下でリークが強ということで、少なめにした。従って何にも放射能は外に出てないです。従って、お前たちキャップ…キャップというのは、corrective action plan今後そういうことを起こさないように、どういうことをやってるか。そういうことを言って、それを許してたと。昔のNRCさんも、そんなこと言ったら10億円の罰金とか言ってたのも、今はそういうことを全部フランクにやらせて、非常にフランクな関係で、電力も悪いことはこういうことが有りますから、良い事はこうですと。こういう関係にあるから、凄くいいと思うんですね。それが日本に、ちょっと無いんじゃないかと。

◆田原
北澤さん、その問題でね、やっぱりこういう理論が起きたら、当然、日本側に責任あると。東京電力に問題あって当たり前なんですね。これからどうするかっていうことで、今までの日本の態勢を、何処をどう変えないといけないか。それがどこも変わってないと。このようにして下さいという。

◆北澤
これは今、議論をされてることでもありますけれども、私は海外の例をちゃんと見るべきだと思います。例えばテキサス州に、この間行ったらですね、テキサス州のオイルをやってる人、シェールガスをやってる人、電力の人、それから再生可能エネルギーと。みんなが集まって、それで日本の事故の話しを聞いてくれたんですけれども。その人たちが何を言ってるかというと、私たちは州の規制の元に、経済原理に基づいてやってますと言ってるわけです。今の話しとちょっと似てるんですけど。その時に、大体今、8セント、発電コストがですね。8セントぐらいに材料費が上がってきてると。それでシェールとオイルと、風力がテキサスの西の12Gwぐらいに出来たんですけど。最後は、ピーク電力を発電するには、太陽光が一番安くなりましたと。ただ、これも経済原理に基づきます。そういう感じで。その時に、今、福島の事故のお蔭で、原子力は保険代があまりにも高くなり過ぎて、保険の値段が決まらないと。当面、原子力が新たに新設されるということはありませんと。但し、古い原子炉については、今直ぐに止めることはありませんと。そういう判断をテキサス州では打ち出してるんですが。ただ何らかのルールに基づいたあとは経済原理で走らせると。そういうやり方をしているところも。

◆田原
それで日本は。

◆北澤
日本は、その時に経済原理もないし、どういう方針でやっていくかというのが、まだ決まってないわけです。だから今のところ、やりようがないし、電力会社だって、再生可能エネルギーを受け入れろと言われても、受け入れば受け入れるほど、自分が損するように出来てるわけです。だから、そういう形で受け入れなさいと、ただ精神論的に言われても、なかなか上手くいかない。だからそこを決めていかないといけませんね、これから。

◆田原
その点で、橘川さんね。まさに今、北澤さんのおっしゃったことでね、安全性と経済原理というのは、両方なきゃいけないですね。

◆橘川
正確にいうと、危険性と…

◆田原
危険性、日本は、どうも両方ともいい加減ですね。

◆橘川
まあ文句を言ってもしょうがないので。

◆田原
だからこれからどうするかということなんで。

◆橘川
長期的には、私、特に話題になってませんけど、使用済み核燃料の問題。

◆田原
使用済み核燃料。はい。

◆橘川
これがあるので、原子力というのは、やっぱり過渡的なエネルギーだと思いますね。例えば、原子力を減らしていくためにも原子力を使わなければいけないので、変な矛盾した状態なんですよね。

◆田原
ちょっとね、その問題、話は飛びますが聞きたい。実は、固有名詞であって、やりますよね。実は去年なんです。細野豪志という原発担当大臣がいたと。私は細野豪志さんに、いったいさっきのバックエンドですね。ようするに使用済み核燃料をどうするかと。ほんというと日本は最終処理をどうするか、全く決まってないと。アメリカやフランスは、どうしようとしてるのか。もう少し具体的にいいますと、使用済み核燃料の最終処理を多分何処もやってないと思うから。それを研究開発機関を福島に作ったらいいじゃないの、と言ったんですよ。でも豪志さんは、私の意見だけでなくて、アメリカとフランスへ調べている。がっかりしています。アメリカもフランスも、最終的に考えてないです。アメリカは呑気な国で、今からあそこ砂漠が多いですからね。置いとけば、数十年で使用済み核燃料を無害にする技術が開発されるだろうと。フランスも考えたら、がっかりです。日本は、トイレのないマンションだと思うんです。アメリカもフランスも、トイレを考えてない。どう考えたらいいんですか、橘川さん。

◆橘川
だから問題だと思うんです。ただ、もっと基礎にやれることあるんですよ。福島の一部、第一で、やっぱり4号機の燃料補助も置いとくの危ないですよね。

◆田原
危ない。

◆橘川
今は、福井県でも、どこでも燃料プールはたくさん置いてあるわけですよね。ただ、使った直後は水で冷やさなきゃいけないので、燃料プール自体必要ですけど、併せて簡易式で冷やす金属のドライなやつを、もうちょっと使い発電所なんかそういうの作って、そこで4、50年置いとく。その間に、いろいろつけかたの技術革新を考えていくしかないと思うんです。そういうことを言った政党が一つもなかったから出たわけです。

◆田原
橘川君の、そろそろ時間があるので。実は、去年の9月14日に、民主党がこの時は、野田内閣。要するに2030年代に、原子力発電をゼロにすると言った。40年たった原子炉は、全部廃炉にする。もちろん福井のもんじゅは、実験で終わりにする。それから再処理は止めると、こういう風に言った。その時に、やっかいな問題おきていて。実は日本は再処理をフランスとイギリスに頼んでる。このイギリスが再処理が終わったものを、日本に返したいといってきた。このプルトニウムですね。危険極まりない。プルトニウムを置くとすれば六ヶ所村しかない。民主党は六ヶ所村に置いてほしいといったら、六ヶ所村がノーと言った。つまり再処理までやらないと。原発を止めるなら、六ヶ所村としては、青森県としては、村には置けないと。その時に、もしそういう事実を言えば、当時の経産大臣枝野幸男さんが、青森に行った。青森に行って、ここで何をしたかと。つまり一つは、再処理は認めたわけですね。もう一つは、なんと大間の原発を停止しても認めた。その為に、本当は9月14日に民主党は、9月19日にこれを閣議決定して、政府で発表しようとした。
9月19日が、これは単なる紙切れになった。どう思う。

◆橘川
やっぱり、よっぽど政治家の人たちは選挙が怖かったんですよね。つまりちゃんと青森県と話をつけておかないと、今のことが起きるわけですから。野党として素晴らしい方ですよ。2030年代に原発をゼロに。最高の方針です。あの時、与党だったので、与党だったのに、もう野党になった気分になっていたんです。政治家の判断でキチンとした、与党だったら、ちゃんと当事者に事前に話をつけておかなければいけないことがひっくり返っちゃったから、ああいう逆転現象がおきた。

◆田原
それで実は、もう一つ言いたいの橘川さんに。実は今度の選挙が始まった時に、私は朝まで生テレビで、自民党はじめ全政党の論客を出てもらいました。で、今の話をした。例えば維新の会、あるいは未来の、みんなあります、いろいろ。社会党であれ、共産党が全部。民主党がこんなあって、結局紙きれになった。あんたらの党がどうするか。どうやって乗り切るかと。どこも返事がなかった。だから私はそれを見て、日本の政治家って、原発をまともに考えてないんだということです、どうです。

◆橘川
まったくその通りだと思います。つまりドイツは、80年代に原発の反対運動をやって、もの凄い日本と同じようにデモができて、その後の選挙で緑の党が生まれて、それからどんどん大きくなっていったんです。日本は広島を経験し、長崎を経験して、第五福竜丸を経験したんです。このような事を経験したのに緑の党のような党が育たない。つまり建設的な考えがないんです。そこが最大の問題で。

◆田原
奈良林さん。

◆奈良林
私は水町さんと、この間チェルノブイリ近くにあったウクライナに水町さんとですね。これ見てください。原発で働いてる人、旦那さんが働いてる人。それからご自身が働いている人。やっぱり色んなので、民間のNGO法人なんですけども、ここでいろんな会話をずっとやってるんです。ここに行って、いろんな方を見ても感じた。そしたら1991年、ウクライナが独立したら、全原発を止めたんです。ウクライナは世界第三位の核兵器保有国です。核兵器を、全部全廃しました。

◆田原
止めた。

◆奈良林
これはロシアの影響を受けたくないと。全部のロシアがこないように、核兵器捨てちゃう。これ良いことだと思います。原発を止めたらですね、もう工場が停電で(生産)とまっちゃう。それでもう2年間、経済がガタガタになって、結局、失業する人、食べていけない人、自殺者が大量に増えた。

◆田原
自殺者。

◆奈良林
ええ、それで制御棒抜けば、原発が動くわけですから、みんなどうしようもないというんで、最後の制御棒を抜くという判断になりました。殆んど誰も反対してない。

◆田原
今、抜いた。

◆奈良林
それで全原発を再稼働しました。今は、15基持っています。これがウクライナです。行った時に、訪問した方に聞くと、一番最後に書いてありますけど。これだけは言っておく。原発は人類にとって必要だと。これはウクライナで、チェルノブイリの原発…

◆田原
ウクライナって、チェルノブイリあったとこだよね。

◆奈良林
そうです。その人たちが異口同音に、原発は必要だと。ただ安全性はちゃんと確保しなければいけない。こういうふうに言ってます。

◆田原
水町さん、どうですか、この話し。

◆水町
今もがたがただし、後もう一つ、日本は時間軸が全然なくて、もう来月で2年経つわけですね。チェルノブイリに行ってきた時に、チェルノブイリの西50キロに、スラビーチチという夢の町を作った。それはもう1年11カ月。今日現在も出来てる。それが日本は、被災地行きますと、まだ相変わらず仮設住宅に住んでる。それが彼らは夢の町ということで、車道があって、自転車道があって、歩道、全部並木で分れて、素晴らしい道があって。幼稚園は、七つ作ったりで、一戸建てが建って、今日現在で2万4千人が住んでると。それで11階建のマンションと戸建てを聞いたら、3人子供がいれば一戸建てに入れるから、皆さん3人子供を作りましょうということで、少子化対策もやってまして。そんなのが2年経ったら出来てないと。日本は今、なんにもやってない。なんにも出来てない。こんな時間差が、非常に今も。

◆田原
今の奈良林さんと、水町さんの話を聞いて、川口さん、どうですか。

◆川口
まず私、ドイツに30年住んでるんですけれど、一番最初に行くところに既に原発というのが、国民運動になり始めてたんですね。その後にチェルノブイリがありまして、私、本当に絶対に後戻りできないぐらいのものになってきたんです。ですから、例えば今現在でも、必ず道を歩いてる人誰でもいいから掴まえて、あなた原発についてどう思ってますかと聞いたら、12歳以上の人間だったら必ず意見を持ってるわけです。というのは、ずっと30年代やってきた話し合いというか議論というのがあって、学生の時も話した、主婦の集まりにも話した、学校でも話したとなってるわけですよね。それでもって、今回の脱原発に一応繋がったわけなんですけれど、それというのを凄く素早い展開であったわけじゃなく、30年40年やってたわけなんです。私は、日本はもちろん2年前に事故があって、未だに何も出来てないと。それももちろん真実なんですけど、でも2年で何か決定するというのは、やっぱり早いと思うんですね。ですから、一番最初に出てくるのは、怖い怖いというのが、まず出てくる。それからもちろんドイツが始まったわけなんですけれど、日本も今は、怖い原発は全体無くしちゃおうというのが、一番出てきてた時期が、この2年間だったと思うんですけれど。それ以外に、日本の場合は原発を停めちゃうと、ただ貧乏になるだけじゃなくて、恐らく安全保障の問題が出てくると思うんですよ。ですから、絶対にもっと違った意見をたくさん聞いて、国民全体がもっともっと。先ほど拓殖先生がおっしゃってましたけれど、家にこの話をもって帰ってくださいと。私はその通りだと思うんですね。ですから皆の家で、学校で、職場で、その話しをして、そしてもっと時間が経てばちゃんとした意見が出来てくるから焦らないで、まず議論。本当にいい意見を聞くべきだと。怖い怖いの話しじゃなくて、もっと。

◆田原
日本人は、その議論が嫌いなんですよ。

◆川口
嫌いなんですよ、それで。

◆田原
今の奈良林さんと水町さんの話。梶山さん、この問題についてどうですか。ウクライナの話。

◆梶山
ドイツの問題というのは、元々核兵器からきてる。ソビエトも全盛国家だったですから、そこのアレルギーがちょっとあって。それはやっぱり、ちょっと一発念頭においといていっしょだったです。ただ他方でエネルギーに関しては、実は日本のほうが進んでいたんです。日本のほうが進んでました。ドイツのですね。

◆田原
あ、ドイツの。

◆梶山
70年代から80年代にかけては、日本はもの凄い勢いで、いわゆる日本語でいう省エネをやったわけです。つまりエネルギー効率の向上ですね。これが結局、経済の競争力を強めて。

◆田原
オイルショックが起きてね。

◆梶山
あのころですね、正常は原単位で4割ぐらいエネルギー効率を上げて、生産をもの凄い増やして。これは日本経済の発展の元だという。ところが、90年代に入ってから、エネルギー価格がもの凄い安くなったということもあって、その努力を止めてしまったと。ところがヨーロッパの場合は、90年代から温暖化の問題を始めて、エネルギー問題に力を入れていったと。その差は、20年間で大分出てきたということです。再生可能エネルギーばっかりがテーマになりますけど、実はエネルギー効率の向上も、これももの凄い可能性があります。日本は今まで25年間に渡って、製造業はエネルギー効率の改善は進んでません。これも統計で出てます。ですから、この間のイノベーションを考えれば、もの凄い可能性があるわけです。これは国内に、省エネルギーイノベーションをやっても、既に商業化された技術もあるわけです。それをもっと普及させれば、エネルギー収益はドラスティックに削減できます。それと後は、再エネの組み合わせ。これが実は成長の源泉になるわけです。しかも、この技術というか再エネは、むしろ地方に可能性があるんです。ですからそういう点では、足元に成長の可能性というのは、たくさん有るということを我々は認識する必要があるだろうと。

◆田原
なるほど。北澤さん、最後に。これで質問へいきます。

◆北澤
私は、この福島の事件というのが、何時起こったかっていう、世界史的な歴史的な上で見ることを非常に、面白い時期にきてると言えると思うんです。つまり再生可能エネルギーが、おもちゃだというふうに我々が思ってるやつね。あんなものはおもちゃにすぎない。エネルギーなんて、とても出来ないというふうに思ってたのが、数年前ぐらいまで多くの日本人は、そう思ってたと思いますし、それがここにきて、ここ2、3年で、20円を切るというような、そういう状況になってくると、中国もアメリカも、今、もの凄い勢いで再生可能エネルギーを導入し始めて。今や、アメリカ…

◆田原
アメリカはどうでしょう。

◆北澤
アメリカも…

◆田原
僕は、アメリカはね、シェールガスでいけると思ってるだけと。

◆北澤
シェールガスの開発始まってますけど、2012年にはエネルギー源の42%の増加分ですね。増加分は、風力です。ですから、その意味では、アメリカは、これはチュウエネルギー庁長官の政策もあったと思いますでれども、凄い勢いでやっぱり入れてます。

◆田原
橘川さん。もう終わりだけど。僕はアメリカはね、シェールでいくんだと思うけど。再生可能エネルギーいくんですか、アメリカは。

◆橘川
私は、はっきりやると。オバマは、グリーンイノベーションと言ってたのを、クリーンイノベーションに替えて、GがCになったのは、シェールガス化。そういう意味だと思います。

◆田原
最後にしよう。

◆橘川
すみません、ちょっと私、次の予定があって退出しなくてはいけないんで、申しわけないんですが。私は、前向きに考えなきゃいけないと言ってまして、長期的には原発は畳むべきだけども、その為には他の問題だとか、ようするに安定基準をクリアした原発を使っていく。まずイメージをいわないとハッキリしないと思うので、どうしても50基のうち使われてる原発は、大体20基くらいかなと思いますので、その分を天然ガスと、石炭でつないで、それから再生にもってく。その為には天然ガス価格が劇的に安く調達できるような仕組みを作ると。これぐらいのエネルギー政策が、一番のポイントになる。

◆田原
はい。ここで皆さんから、質問を受けたい。なんでもいいです。じゃあどうぞ。客席の皆さんが、質問を受け、なんでも結構ですからということで、手を挙げて。最初に挙げる人、ちょっと度胸がいるかもしれないけど。ニコ生からの質問で、ドイツの地震って、どれくらいの頻度で起きてるんですか。川口さん。

◆川口
私、先ほど申し上げましたように30年いるんですけれど、一回もありません。

◆田原
一回もないの。30年間一回もないの。

◆川口
それに南のほうに、地震が起こる場所があるんですよ。私のくる前の年かなんかに、そこでちゃんと揺れたらしいんですけれど、私が行ってからは、ちゃんと肌で感じられる時、それは一度も経験してません。

◆田原
なるほど。

◆川口
他の周りにいるドイツ人に聞いても、地震を体験したという人が一人もいません。

◆田原
なるほど、凄いな。そういう国ですか、ドイツは。二番目です。梶山さんにお聞きしたいんですが、日本が原発を廃炉にしても、中国、韓国は増やす一方だから意味は無いのではないですかというのは、どうですか、梶山さん。

◆梶山
それは、そういうふうに乱暴な話しでて。

◆田原
乱暴極まりない。

◆梶山
我々は、将来に責任をもたなければなりませんので、そういう点では、フロントランナーとしてですね、将来に、これからの国に対してのモデルを信じていくというのが、我々の責務だと。

◆田原
なるほど。質問どうぞ。手を挙げてください。なんでもいいです。こういうとこで手が挙がらないというのは、今のシンポジウムはつまらなかったということなんですね。

◆質問者①
北澤先生と梶山先生。
日本は、将来どういうエネルギーで、キープというか維持していけばいいかと。その考えを是非お聞きしたいんです。

◆田原
原発をなくしたら。

◆質問者①
今のご意見では、原発を無くすというご意見ですけども。といいますのは、太陽光、風力で、全体が賄えないというのは、あれは明明白白だと思うんですけど。何故ならバックアップ電力が必要とする。ですから、そういうことで賄えるとは、とうてい思えないんですね。化石燃料でやれるかというと、日本にはゼロです。それも駄目だと。そうすると、こういういい試算があるというふうには、お考えだろうとは思うんですけれども、そこも是非披露いただきたいと。

◆田原
北澤さん、どうぞ。

◆北澤
太陽光と風力だけでは出来ないというのは、私は全く間違いだと思います。これはエネルギーの価格をどこまでだったら我慢するかということによると思いますけれども、電力貯蔵というのは、今だってやろうと思えばできるわけです。但し、お金がかかります。そのお金をどこまで許すかで、日本が潰れてしまうなんていうことは、どんな例にとってみても全くないわけですね。

◆田原
今、だから具体的に聞きたい。北澤さん、今のお話しに関連して。42円では、まだ安い、もっと高くしよう。

◆北澤
いえいえ。42円だったら、もう十分にやれると思いますけど、もっと安くやれると思います。今、例えば太陽電池や風力は、電池をかませないと駄目ですと言われて、その為に高くなりすぎて売れないというのが、発電所の人たちの実態なわけですけども。電池をかませると、実は電池のほうが高くなってしまうというぐらい。つまり二倍強になるんですね。ですから逆に言えば、二倍強になることを我慢すれば、電池を投入できるということになります。ですから、その意味でいうと、電池の価格もどんどん技術開発で下げていかなければいけないわけですが、電池が出来ないんだったら、たくさん水を電気分解して水素を作ってタンクに貯めておいて、あるいは有機のハイドライトという水素化物があるわけですけれども、そういう形で液体で貯めておいて、それでそれを燃料に使う、あるいは発電して電気にして使うという。そういう手もあるわけですから。それが幾ら掛かるかっていう、その問題なんですね。

◆田原
今、おっしゃったのは水素電池ですね。

◆北澤
水素電池ではなくて、水を電気分解して水素を溜めておいて、燃しちゃってもいいわけです。例えば水素エンジンの自動車が、それで動いてます。そうやってやれば、但し、今の電力の価格でやろうとしたら、とても高くてそれは不可能だという、そういう意味で再生可能エネルギーだけでは絶対できませんという意味は、今の価格ではできませんと。

◆田原
二倍になれば十分で。

◆北澤
二倍になれば十分できる。

◆田原
はい。今のでどうですか。

◆質問者①
よろしいですか。

◆田原
はい、どうぞ。

◆質問者①
全く違ってると思いますね。まず、電気の大量貯蔵というのは、ほんとに難しいんです。そんな簡単に、家庭ぐらいですね。蓄電池を作ると設けるというのは、それは出来ますよ。ですけどね、何百億kwhというような、日本でいえば、それぐらい必要なわけですよ。それを例えば、揚水発電所でやろうと思えば、何千か所も必要になってくるんです。ですから、今の集中型の大規模な発電でやっている限り、それは難しいと思いますね。

◆田原
はい。今のことで奈良林さん、どうですか。あ、梶山先生どうぞ。

◆梶山
ドイツの今の電源のシュミレーションを見てると、2020年には、いわゆるベース電源。これが相当低くなります。その分、再生可能エネルギーということなんですけど。ただ、そうすると捨てる部分がだいぶ出る。捨てる部分が場合によって。これをどういうふうにしていくのかということで、幾つかのパターンがあって、蓄電池は、その一つだし。あと揚水も、その一つです。後、北澤先生言われたように、水素、メタン。メタンにすれば、ガスのパイプラインに流すことができるんですね。

◆田原
メタンからメタンハイドレートということ。

◆北澤
いや、水を電気分解してメタンを作るんです。それは天然ガスと同じような成分ですので、それをガスのパイプラインに流せるわけですね。それを地方の工事でのガス発電に用いる。これの良いのは、電気だけでなく熱としても使えるし、燃料としても使えると。輸送用燃料ですね。これを時間軸で捉える必要があって、これを既にやるとかいう話しではなくて、これを2020年、2030年、2050年という目標で、どういうふうに設定していくのかと。その中で原発を、私は原発を今、全て廃止しろと言ってるわけではありません。原発の言葉を変えれば必要悪的に、ある程度本当に安全をキチンとやっての前提ですけど。それで使われるものは使っていくという。ですからきちんとした、今の断面で全てを決めるのではなくて、ちゃんと2050年を見据えて、その中で戦略を作っていくと。ドイツの戦略をみると、かなり大まかなものですけど、そこら辺のスケジュール感というのは、大体念頭においてやられる。

◆田原
奈良林さん。今の北澤さんと、梶山さんのを聞いて。

◆奈良林
私も、実はアメリカに行きました。シカゴのとこにおびただしい風車があるんです。だーっと何基も続くような風車があるんです。それが300メーターおきにだーっとあるんです。30分車で走っても、風車があると。実は殆んど止まってるんです。回ってない。

◆田原
風車が。

◆奈良林
ですから、それは多分冬の季節風の時しか、回らないようです。ですから、アメリカがさっきのGがCに変わっちゃったというのは、やはり実力ベースがちゃんと検証されない限り普及しないと思います。ドイツもスペインも、それからアメリカも、大分遅れる。スペインも会社も潰れちゃってますし。今、日本が導入を急ぎ過ぎると、全部、お金、中国にいっちゃうんですね。太陽電池パネル、今、殆んど中国製になってます。安いのはですね。リチュームイオン電池だって、中国が安いのが殆んどですから。ですから、もしそういうことを再生可能エネルギーを許可するんだったら、国の政策として、ちゃんとそういう研究開発、あるいは技術開発をちゃんとした上で、そういうことをやらなきゃいけない。ところが今、何も日本はそういう措置をしないで、いきなり再生可能エネルギーに走ってしまっているので。そこが今、非常に問題点がいっぱい出てきてる。

◆田原
梶山さん、今のに対して。

◆梶山
そこは科学的にプランする必要があります。奈良林さんが言ってるのは、極めて断定的な話をしてると思って。太陽光パネルとか蓄電池というのは、これはいずれ何処で作っても同じですから。日本で作ってもしょうがないです。ドイツでやってるのは、ドイツでしか出来ないもの。そこに特化してます。例えばバイオマスとか、これについてもドイツが独占してます。

◆田原
梶山さん。川口さんは、ドイツで危ないと言ってるんです。

◆梶山
これですね、これ以上時間的な関係もあると思いますので。ただ川口さんの指摘されてる部分も事実ではあります。そうした中で、やっぱりフロントランナーですから、そういう点では試行錯誤をしながら前に進んでると。ですけど、ドイツのこれが、今、もの凄い経済成長のエネルギー源になってることは確かですので、これをキチンと科学的なデータに基づいて議論すべき話しで、それなしに議論するって空中戦なんです。

◆田原
分かった。

◆梶山
私は、科学的データに関しましては、9月に発表したレポートで、全てデータに基づいてやってますし、それ以外もデータを全部持ってますので。

◆田原
9月に発表した、どこが発表したんですか。

◆梶山
弊社の研究レポート。富士通総研の研究所。これはダウンロード、無料で出来ますので。

◆田原
他の質問を受けます。

◆質問者②
今の話に関して、関連ですが、今、太陽光で、これだけ置き換えられるとお考えの皆さん、日本の国土で受ける太陽光の電気に対して何パーセントぐらいを使えると思ってるんでしょうか。それを考えますと、恐らく今、日本のエネルギーの消費量、これをもし太陽電池でやろうとしたら、日本の国土の三割以上に太陽電池を敷き詰めないと駄目だと思ってます。ですから今、止まっちゃった原発10%ぐらいあるんです。それをもし太陽光と置き換えるとしたら、どれくらいの面積が必要かということをお考えになってるのでしょうか。

◆北澤
今、言われた三割というのは、全く間違いだと思います。今、日本の全電力を、太陽光発電のパネルで1年間発電できる量を、今の全電力量で割るというかたちで面積を求めると、大体四国の半分ぐらいです。太陽光だけで、全て現在の全電力を賄おうとすると。
これはいろいろなところが試算していて、それは大体、そういうことで合ってますので三割も必要だというのは、私はおかしいと。

◆質問者②
私が言いましたのは、日本の一次エネルギー消費量です。

◆田原
今、ちょっと聞えない、マイクを。

◆質問者②
私が言いましたのは、日本の一次エネルギー供給をもしした時と、新エネルギーを太陽光で得ようとしたら。日本の39万平方キロメーターぐらいですか。そこで受け取る太陽エネルギーと比較して、極めて非現実的な話だと思っております。

◆北澤
現状、非現実的という判断、私はありうるとは思いますけれども。全エネルギーを賄おうとすると、全電力を賄う、大体二倍から三倍くらい必要になるんです。そうしますと、四国の1.5倍、太陽熱だけでやろうとするとですね。ですけども、これをやっていくには、やっぱり風力も全てフルに活用し、それからジェネスもフルに活用し。そうすると、太陽光の三倍以上になるんです。更にその後、ほんとにやっていくには、洋上風力をものにしていかないといけないなというのが、日本としては有り得る。日本の場合には、洋上風力をフルに活用していくと、日本は非常に海の面積広いですから、将来的には海が無い国へのエネルギーの輸出も出来る。これも不可能ではないと。但し、それは洋上の付帯付きの風力発電を開発して、そういうところで水素を作るとか、そういうことを考える。但し、これは経済性の問題ですから、いや、そんなことをするぐらいであったら、例えばアルゼンチンの南のほうの風の強いパタゴニアで、風力で発電して、そういうことに日本はお金を出すという。そこから水素を全世界に配ることでいいじゃないかといったような考え方もあると思いますので。その意味では、出来ない相談ではない。これは原子力のこれからいろいろな安全装置を付けて高くなってしまう。あるいは賠償のために高くなってしまう。そういうことも考えて原子力のコストというのは、かなり世界でも高くなるということは予想されてるわけですけれども。それと再生可能エネルギーがどの位まで値段が下がってきたかという、その両者を天秤にかけながら我々が考えていくことだなというふうに感じております。

◆田原
水町さん、どうぞ。

◆水町
先ほど2050年ぐらいまでの長期的な計画を立てろというお話しがあったんですが、短期的、長期的な計画を立てないといけないと思うんですね。短期的にみますと、先生たちが少々値段が上がってもいいんじゃないかというお話しがありまして、これも又、ドイツのバイエルン州、私、行ってまいりまして。バイエルン州で、今、BMWの本社がありまして、BMWは、もうこれだけ今年また値段が上がるんだと、我々CMWになっちゃう。
チェコモーターワークスになっちゃうんで。バイエルンには、もういられないよということになっちゃう。そうすると、トヨタでも何でも同じことですね。どんどん出ていってしまったら、時既に遅しということもあるわけですね。やっぱりコストというのは、非常に大きい話しと、長期的には、また別な話ということが、みないといけない。

◆田原
なるほど。いろいろな人の意見を聞きたいと思いまして、他にどうぞ手を挙げてください。

◆質問者③
奈良林先生にお伺いします。再生可能エネルギー、多分無理だろう。今、現実的な解として、シェールガス革命というのは、おこっていますよね。そこの辺りは、原子力学会の方々っていうのは、多分原子力は、ガスと競争になると思うんですけど

◆田原
ちょっとマイクでもう一度。

◆質問者③
原子力の将来というのは、多分ガスとの競争になると思うんですけど。今、学会とか業界の方が、この劇的な変化、多分再生可能エネルギー、僕は可能性があると思うんですが、どう受け止めてらっしゃるのか。負けちゃうんじゃないかという。

◆奈良林
新しい技術は、必ず光と影があります。シェールガスも、実はアメリカで、殆んどきてます。ジョン・レノンさんの息子さんと、奥様のオノ・ヨーコさんが、実は反対運動をしています。シェールガスを掘るので、業者が来て所有している牧場の地下に穴を掘らせてくれと来てる。詳しく聞いたら、とんでもない薬品を使って岩を掘ったりしますので、地下水が大変汚染されてしまうと。ニューヨーク州は、地下をこんなに汚染されていいのかということで、今、日本でやるミュージシャンの方々、脱原発と言ってますけど、アメリカでは、脱シェールガスで、とんでもないと。地下水の汚染だということで、非常に強い反対活動が。今、シェールガスが始まりました。これが普及すると、必ずそれに伴って、なんかがあるように副作用みたいなのが出てきます。風車が増え過ぎると、低周波音みたいな、頭痛がする人も出てくるとか。やはり科学技術には、必ず光と影がありますから、影の部分を確りとれないと、これだけでイケイケドンドンということではないと思います。

◆田原
はい、どうぞ。

◆質問者④
先ほどの疑問で、やっぱりエネルギーを害か無害か、いかに例えてるか。これは非常に大事なことなんですけどね。そこがどうも完璧とおっしゃりながら、数字をほんと積み上げてやってるのか。どれだけの大きさをベースには必要になるのか。行政発展なんか、なんで必要なのか。そういうことを、ちゃんと計算してるのかということは、私、一番強く言いたいんですよね。要するに太陽光の時には、何日間も日が照らないときもあるんです。風が何日も吹かないときがあるんです。元にあるんです。そういう時にどうするか。電池の蓄える量と、全体の電気の量からすると、ほんとに僅かなんですよ。電池なんて、数時間もんですよね。揚水発電だって、日本だって、夜の電気を昼間は使ってるわけですが、全体で、この電気の量としては、ほんとに僅かです。数時間でなくなっちゃいます。数時間ももちません。LNGの輸送なんか、ほんとに見てると可哀そうになっちゃいます。発電所に行って、LNGの輸送を見てきてください。1週間休んだら、発電所止まっちゃうんです。だからほんとに必死になって運んでます。ですから水素なんかを。さっき水素という話しがありましたが、水素で蓄えられるなんて、ほんとに可能なことか。どれだけの水素を、どうやったら蓄えるのか。タンクに入れて蓄えるんですか。どうやったら蓄えるんですか。これはエネルギーって、ほんとに必要な時になきゃ駄目なんです。いくらあるといっても駄目なんですね。必要な時に、なきゃいけない。そこを完璧に、さっきから梶山さんおっしゃってたけど、科学的に何日間、太陽が照らなかったら、風が何日間吹かない時、どうするか。どれだけの量の揚水発電所がいるか。どれだけの電池がいるか。ちゃんと容積で計算して、コストの差を考えたら技術的に不可能だと思いますので、是非よろしくお願いします。

◆田原
今の言い方のところに、僕は一つ疑問がある。奈良林さん。今の原発は、やっぱり駄目だから、早い話が。だからね、日本で今の原発じゃなくて、より良い原発、より良い優れた原発の研究をやってるのかね。どこでやってるの。

◆奈良林
これはですね。

◆田原
いきなり、もんじゅにいっちゃったら飛躍しすぎだから。

◆奈良林
今、3.5世代の原子炉というのは、今、開発をされていて、実際にアメリカのゴウムというところで研究が始まったんです。

◆田原
アメリカでやってるの。日本では、やってるの。

◆奈良林
それが私、問題だと思います。

◆田原
何故?

◆奈良林
例えば、古くなった原子力発電所、今、民主党の時は廃炉にして、新しいのを建つと駄目なんですよ。こう言ってましたけど、やはり経済的に見合わない。劣化して、メンテナンスが増えてしまう。部品をどんどん交換しなけりゃいけない。こうなった段階で、私は新しい世代の原子力発電所を作るべきだと思うんです。

◆田原
だがね、問題は、僕は事故があって、日本人の認識が変わってないとか。例えば東電がね、福島の原発だって、一番古い原発じゃないか。しかもBWRだ。東電以外に、もしそういう原子力で売りたいという気持ちなら、こっちも新しいのに替えたらいい。なんでしないの。明らかに安全性よりも、経済性を重んじたんです。

◆奈良林
そういうことです。だからコストの段階で、新しいものを作ると、やはり最初の建設コストもかかるということで、新しいものは作らない。

◆田原
そこはね、どう思う水町さん、日本の中でね、やっぱり原子力をほんとにやろうと思えば、もっと安全な、もっと良い原発を推進する。そのために金も出すべきだよ政府は。やってられない。なんで。

◆水町
今、アメリカでもAP1000という、新しいプラントが主に作っておりまして、これはポジティブのタイプで、新しいタイプをどんどん作ってます。

◆田原
なんで日本で作らない。

◆水町
中国も作ってます。日本だけ作ってないのは、やっぱりおかしい。それは是非作らないといけない。

◆田原
いろいろ原発が安全が消えたというのは、消えるに決まってるんですよ。もし原発を、もっとやりたいならば、より良い優れた、そういう原発の研究が日本でなんでね。例えば日立とか東芝とか、やらないんですよ。

◆水町
研究じゃなくて、もうデザインも出来て、日立とか東芝、三菱で作ったものが、今、アメリカ、中国で作ってるわけです。

◆田原
デザインは、東芝で作ったんですか。

◆水町
そうです。

◆田原
なんで日本でやってるの。

◆水町
日本だけ今、作ってないんです。

◆田原
なんでなの。政府が悪いの。

◆奈良林
これはやっぱり、その国の政策が関係すると思いますね。ですから、やはり新しいタイプのものを、これから日本でも建設すべきだというふうに思います。
今、日本のメーカーには、建設する実力がありますので、世界中どこでも建設できる。

◆田原
他にもっと、日本の良くないと思うのは、実は昔、原子力産業会議ってあったのご存知でないですね。今でもある。原子力産業会議が年に一回、シンポジウムをやったんです。僕は偶々、そのシンポジウムの委員長を頼まれて、その時偶々もんじゅの事故が起きた年なんですよ。それで僕は森一休?さんに、今、やっぱりもんじゅの事故がおきて大変だと。だから絶対シンポジウムに高木仁三郎入れろって言ったんだよ。高木仁三郎知りませんか。知ってますよね、もちろん。まあいいですけど。北澤さん知らないかね。

◆北澤
いえ、もう有名な方ですから。

◆田原
高木仁三郎いれろと。それから、もっと共産党が、反原発を入れろと。森一休?は見事に高木仁三郎を入れた。それから共産党も入れた。森一休?と、高木の素晴らしいのは、高木も、森一休?を入れたらしい。森一休?も高木を入れたらしい。そういうコミュニケーションがあったの。それが何故か今、無くなっちゃった。ね、梶山さん、なんでですか。僕は原発の推進でも反対でもいいんだけども、やっぱり両方がお互いがこういうね、僕はシンポジウム絶対やれと言った。それが無いんですよね。どうすりゃいい。

◆梶山
私は、問題意識は同じでして、こういう会合の場合、再生可能エネルギー派、原発推進派。別々にやることが多いです。本来ならば、やはりキチンと両者が同じテーブルについて。科学的なデータに基づいてキチンと議論をしていくという場が必要だと。

◆田原
そうですね。なんで無くなっちゃったんだろう。水町さん、どうします。前はあったんでしょ。僕は、森一休?の時にね、原子力産業会議と全国の中堅幹部を呼んでやったの。共産党も社会党も。

◆水町
残念ながら、また例外の例ですが、アメリカのNRCの会議は反対派がいるんです。反対派は、非常に冷静に言うんですね。一つ私、非常に反対派の方で、気にいったのはですね、お前たち10年も、この問題解決してないから。ケネディが月に行くっていってから、8年で月に行っちゃったよって。そんなことが8年も待って、やんないのかって。反対派がいうこと、さすが良いこと言うなと思って、そういう議論が日本では出来ないんです。怒号ばっかりで。建設的な議論ができないのが、一番問題です。

◆田原
一番問題。やっぱり反対派というので、こういう議論をしなきゃいけない。川口さん、どう思う。

◆川口
私、専門家じゃないから分からないんですけれど、原発って一言でいっても、やっぱり機種っていうんですか、いろいろな種類があると思うんですね。後、事業者もそれぞれだと思うので、もっとその人たちに、もちろん安全基準というのを、ベースのとこが必要だと思うんですけれど、もっとその人たちに任せれば、日本人というのは、凄く改良だとか、そういうのが上手な民族ですから、もっと経済的なもの、もっと安全なものというのを、競争で作っていくような気がするんですけど。

◆田原
今さら言うということはないんだ。今さらね、ここで言う必要ないんじゃない。実は、東京電力福島原発の前に双葉とか、女川とか、大熊とかあるの。このとこは、一回の避難訓練すらしないですよ。なんでかと、ようするに絶対安全だから、避難訓練しなくていいと言ってるわけだ。

◆川口
そうおっしゃられると、ちょっと分からないんですけど、私はもっと、上からの規制がキツ過ぎて、これをやっとけば安全だみたいな、そういうこと。

◆田原
上ってなんです、上って。

◆川口
それは、規制は規制委員会と。

◆田原
上はって、いいかげんですよ。だって、今でも安倍晋三が上でしょ。そんなもんいい加減に決まってんじゃん。

◆川口
いい加減な人たちが、規則をがんじがらめに作っちゃって、これをやってれば安全だというところを決めちゃったんじゃないかなと思うんです。

◆田原
今、がんじがらめにしてないですよね。

◆奈良林
いろんな意見があると思います。ですから、これはちゃんと専門家、規制側と現職の発電所の人たちとそれを指示した人たち。これは引き継ぎをしないといけないと思います。これが欠けていると、我々の会議レベルでの規制になってしまう。これが一番問題だと思います。これは、だから福島の一番の反省点と。それから反対派の方々、それから推進する立場の人たち、これがちゃんと同じテーブルについて、どこもじゃなくて、別な議論をしなければいけない。これを確りやってれば、例えば揚げ足をとるように、ずっと議論を続けたら。これを…

◆田原
持っているから。こういう議論を、しょっちゅうやってれば、怒号じゃないんですよ。冷静な議論です。あんまりやんないから、怒号になるんです。

◆奈良林
ええ。

◆田原
凄い怒号になるんですよね。

◆奈良林
今日は冷静な議論が。

◆田原
余計なことですが。残念ながら、いい加減な議論しか。また機会を設けて、どんどんやったらいいと思います。よろしいですか。どうもありがとうございました。

◆司会
以上でパネルディスカッションを終了いたします。皆さま、どうもありがとうございました。それではここで、日本エネルギー会議代表の柘植綾夫より、皆さまに締めのご挨拶をさせていただきます。恐れいります、パネリストの皆さま、もう一度ご着席をお願いいたします。

◆柘植綾夫
皆さん、長時間に渡って、熱心な議論をしていただいたと思います。皆さんの頭の中、スタートした時の頭と、今の頭とどう違ってるでしょうか。私自身も、第二部の田原さんの開いたパネルで、頭の中をミキサー状態。多分皆さんの頭も、そうじゃないか。総括させていただきますと、結論からすると、先ほど田原さんがおっしゃってた、こういう場をもっともっと続けていかない限り、日本は本当に議論の対立側から解決を求めていくことは出来ないんじゃないかということ。これが今日の会議の場面の結論だと思います。一方、私の頭の中で少し整理しますと二つあると思うんです。一つは、我々市民として、こういうことに議論に耐えて、そして社会的な解決を我々なりに一つの意見を持ってますので、これに繋げていくための、田原さんが今、おっしゃったように、こういう形をもっともっと繋げていく。そして帰ったら家で子供を含めて、こういうのを考えていくと、こういうことが我々市民としてのやることじゃないかと思います。一方では、やはりプロとして、産業、大学、アカデミア、それから規制。プロとして、やはり時間軸上でもっともっと。やはりもう一歩進めていかなければいかんというミッションはあると思うんです。私も技術屋のはしくれとして、プロのほうの役目もあると思いますが、是非とも今日の議論の中で、特に第一部におきまして、ヤマグチ先生から全体の中で、例えば活断層の問題はここがどうかと。そういう全体の中で考える。論点をもうちょっと明確にしていくというのが、今日の第一部で、大分出てきたように、私は受け止めております。その部分につきましては、次回には活断層の問題を議論するについて、文言がハッキリしてきたなと思います。そういう視点の中で、エネルギー会議としては、少し社会に対して政府に対して、提言を纏めていきたいと思います。そういうことを含めまして、我々市民として、それからプロとして両方の考え方、進め方が、より鮮明になってきたかなと思います。そういうことで、今日は本当にご参集ありがとうございました。改めて田原先生はじめ、パネラーの皆さん方に拍手をお願いいたします。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter