日本エネルギー会議

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帰還困難区域と除染

 朝刊によれば福島第一原発の事故による除染費用は、最終的に2兆円を超す可能性があるという。火力発電の燃料費の増大もさることながら、これに賠償費用や廃炉費用を加えた原発事故の被害額の大きさに呆然としてしまう。
 除染は川内村や広野町ではほぼ完了し、現在は楢葉町や南相馬市など解除準備区域を中心に行われている。大熊町、双葉町、富岡町、浪江町などこれから区域再編が行わる地域では、まだ試験的な除染しか行われていない。区域再編が実施されれば、解除準備区域や居住制限区域から除染が行なわれ、帰還困難区域は5年後に予定されている解除日以降となる。
 先ごろの住民説明会では、帰還困難区域になる予定の地区の住民から、帰還困難区域の除染を今からでもやるように要望が出た。これに対する国の回答は、「作業員の人数が集まらず、帰還が迫っている解除準備区域などから除染せざるを得ない」「帰還困難区域のように高汚染している所に対する有効な除染方法を研究中」「除染作業に当たる作業員の被ばく問題がある」など否定的なものであった。5年後には自然減衰が期待出来るということもあるかもしれない。
 あまり汚染していない土壌をせっせと除染して大量の廃棄物を出し、その置き場に窮するようなことをするのは果たして得策なのか。限られた仮置き場は高汚染している区域の除染用に取っておくべきではないのか。住民帰還に当たって、年間1ミリシーべルトを目指すとした国の言い方が問題の発端ではあるが、ほとんどが帰還困難区域になる大熊町、双葉町の住民たちは、自分たちがいつも後回しにされていると感じている。
 江戸時代の人は富士山の宝永噴火によって、田畑の上に降り積もった大量の礫を天地返しという方法を考え出して地中深くに埋めてしまった。放射能に対する恐怖心があるためにこの方法が全面的に出来るかはわからないが、面積が大きく汚染の少ないところでは、仮置き場の節約方策としても有効ではないか。

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