日本エネルギー会議

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人体でいえば神経

 先ごろNHKのテレビ番組「メルトダウン」で、福島第一原発の事故の際に重要なバルブ操作が出来なかったこと原因として、計装用配管が地震などで破損して圧縮空気が長い配管の途中でリークして弁まで届かなかった可能性があると報じていた。原発では電気で動く弁、水圧で動く弁などとともに、圧縮空気で動く弁が多数ある。コンプレッサーから送られた圧縮空気は比較的細く長い配管を通じて弁に送られる。
 私も原発の建設中あるいは定期検査中に、建屋内の通路を長い足場パイプを担いで通る作業員に対して、「計装用配管に当てないように」と注意した覚えがある。計装用のラックの周囲もぶつけられないようにガードが施されている。実際にぶつけて原子炉スクラムに至った事例があり、このような防護がされていたようだ。これらの配管を耐震補強したり、別の弁駆動装置を開発しダブルにしたりするのは容易なことではないと思われる。
 人で言えば、脳から手足に指示を送る神経ともいうべき原発の計装用配管の健全性は特に事故時には大切なものだ。圧縮空気そのものについてもタンクに貯めたものを送るようになっているが、コンプレッサー自体も電動であれば、電源喪失により圧縮空気を製造出来なくなる。原発は事故時、高放射線により現場に近づけなくなる可能性があり、手動による操作や修理には困難がつきまとう。今後、計装関係には特段の注意と配慮が必要だ。

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