日本エネルギー会議

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忘れもの探し

 かつて敦賀原発1号機で、放射能汚染した水が排水路から敦賀湾に漏洩したことがあった。昭和56年に発生したので、関係者の間では「56敦賀問題」と呼ばれている。運転操作ミスにより増設した廃棄物処理建屋のドレンピットから汚染水が溢れ出して、電線管を通す穴から地下に漏れ、たまたま建屋の真下にあったマンホールからすでに使用していなかった一般排水路に流れ、そこからストレートに敦賀湾に行ってしまった。日本原電ではなく、福井県の環境監視機関が湾内の海藻の放射能を測定したことから発見されてしまい、当時の通産省の課長が暁のプレス発表をしたことからマスコミのヘリコプターが敦賀原発上空を乱舞する大事件になった。
 後に、その廃棄物処理施設を増設する際に、費用を抑えるため、もともとそこにあった一般排水路を撤去せずに、建物を建てたためにこのようなことになったことが判った。当時、運転員が運転ミスによる溢水を隠していたこと、現役世代が昔の一般排水路の存在を知らなかったことから、何故原発内から出た放射能が敦賀湾の海藻にたどり着いたかが分からずに原因の特定に苦労した。  
 当時、私は東海原発に勤務していたが、保修課の人たちが夜間にもかかわらず、懐中電灯を持って東海原発構内の排水路などを図面と照合して歩いて調べていたことを思い出す。福島第一原発の事故では、建屋の外に設けた消火系配管のつなぎ込み口の場所を探すのに手間取った。今回、原発はもちろん全国の原子力施設の点検、改造が行われているが、現場の所員によって、運転開始からの設備改造の経緯や各設備の詳しい図面と実物とを照合をすることが、完全に実施される必要がある。

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