日本エネルギー会議

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汚染水との戦い

 福島第一原発では、先週はネズミだったが、今週は汚染水が大きな話題となっている。現在、現場では毎日400トンもの地下水が建屋内に流れ込み、原発は汚染水の製造工場と化している。その汚染水を貯めておく仮設の地下式貯水槽から大量の水が流出していることが判明したのだ。
 福島第一原発から南に7キロの富岡町の我が家は、海から数百メートルの崖の上にある。絶好の釣りのスポットで、釣り人に人気のその崖を下りて行くと、幅10メートルくらいの砂浜になっている。そこから見上げると、約30メートルの断崖となっていて、横縞模様となった地層から晴れた日でも、地下水が勢いよく海に注いでいるのを見ることが出来る。この辺りの海岸線はみなこのような光景があり、福島第一原発で毎日400トンの流入というのも地元の人ならすぐに理解出来る。(写真は富岡町の海岸風景)

 建屋地下に増え続ける汚染水は、急造のタンクに溜め、放射能を除去する装置に循環しているが追いつかず、地下式の仮設の貯水槽にも受けている。今回漏れたのはその貯水槽であり、事故後の対応で急遽造った設備が次々にほころびを見せ始めている。今日のテレビニュースでは経産大臣、県副知事、原子力規制委員会などが東電に注意をしていたが、地元漁業者などはかんかんだ。福島県民は連日のトラブルで、いったい国や東電は何をやっているのかと苛立っている。
 大臣は海にだけは漏らすなと言い、原子力規制委員会の更田氏は評論家のような発言だった。東電の広瀬社長は自分が先頭に立ってとは言ったが、具体策は示さない。国と東電は至急、統合本部を再び立ち上げ、敷地を確保の上、しっかりしたタンクや貯水槽、放射能除去装置を直ちに増設して余裕をつくり、恒久的な対策として建物を地下水流入防止のための止水壁で囲むなり、巨大な蒸発装置を造るなどの計画を立て実行に移すべきである。
事故現場をしっかりとコントロールしようという雰囲気はまったくなくなってしまった。二年前、事故の最中に、汚染水を海に流さなくてはならなくなったとき、涙を流していた東電の技術者はどこに行ってしまったのか。何を聞かれても、ものに動じない風の東電本店の会見や「当分綱渡りが続きそう」などというキャスターのコメントは、いまだに避難者のいる福島県民に失礼千万である。

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