日本エネルギー会議

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倒壊した風車

 三重県青山高原の「ウインドパーク笠取」で、風車の羽根3枚と発電機が落下した。この他、京都府でも風力発電の風車の事故が起きている。いずれも強風によるものと思われるが、想定外の強風ではなく設計の半分程度の風で破壊された。風車の事故は全国、全世界で起きており、原因が強風ではないものもある。経済産業省は直ちに全国の管理事業者に対して点検を求める文書を出している。
 自然エネルギーの中では効率が良く期待が大きかった風力発電も、ここに来て急に問題点が浮上している。風力発電が原子力のライバルというわけではないが、こうした風車の事故の報道に接すると、ついつい原発との比較をしてしまう。このように事故が続けば、次のような疑問が出てくる。

国の安全規制はどうなっているのか、
安全基準が甘すぎるのではないのか、
安全基準について必要な見直しが行われているのか、
国の規制部門は風車の検査などに十分な実力を有しているのか、
国と自治体の二重規制になっていないか、
事故の原因解明は出来ているのか、
事故原因に対する対策はどのように他の風車に水平展開されるのか、
既に運転されている風車に対する新たな安全基準の適用はなされているか、
重要な検査が事業者の自主検査になっているのではないか、
メーカー別に事故発生率がわかっているのか、
旅客機のように全世界に事故情報が瞬時に共有出来ているか、
風車の安全や環境影響に関する世界的な基準はあるのか、
海外情報は的確に収集されて参考にされているか、
新たな科学的知見が得られた場合の対応が適切に行われているか、
周辺住民に対して安全に関する十分な説明がされているか、
縦割り行政による問題が起きていないか、
安全に関する事柄が一般に情報公開されているか、
保険により被害がカバー出来ているのか、
事故による損害は誰の負担になるのか、
外部に被害が出た場合の補償制度はあるのか、
騒音などの健康影響についての知見や障害防止基準はあるのか、
風車の耐用年数や経年劣化の基準はどのようになっているのか、
風力発電は経済的に成り立つものなのか、
等々。

 風力発電に比べ、歴史の長い原発の方が規制や制度で一日の長があるが、いまだ満足なものとなっていないことは明らかだ。太陽光発電、地熱発電、メタンハイドレードなど、新たな技術を産業として育てていくためには、大きな損害が出ない間に、規制や制度の整備を進めて行く必要があることを、福島第一原発事故が教えてくれている。

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