日本エネルギー会議

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欺瞞

 一年前に富岡町が「暮らしサポート通信」と題したパンフレットを避難している町民に郵送した。それによればこの通信は被災者の生活支援や健康維持などの支援として、経済産業省からの委託により、福島県、避難元の市町村の協力のもと「暮らしサポート事務局」が発送していると書いてある。
その資料には「いろいろな問題に関するご相談窓口一覧」があり、
○原子力災害全般に関するご相談 
○放射線及び放射線影響に知見を有する相談員によるご相談 
○被ばく医療健康相談ホットライン 
○原子力損害賠償等に関するご相談 
○被災者の住宅に関するご相談 
○被災者を対象とした無料法律相談 
○原子力損害賠償紛争に関するご相談 
が紹介されている。被災者が質問や相談をしたければフリーダイヤルの番号に掛ければよい。
 先日、避難住民の被ばく管理がどのように行われているか聞くために○放射線及び放射線影響に知見を有する相談 に電話をした。ここは、放射線に関するワンストップ相談窓口と称し、毎日8時から22時まで受け付けている。電話口には若い女性の担当者が出てきた。「住民が事故後、いままでにどのくらい外部被ばくしているのかを、どこが把握しているのか」と聞いたところ、「しばらくお待ちください」を繰り返し、聞いてもいない内部被曝の受診について説明をしたのち、約40分後(折り返し先方から電話をすることは一切出来ないことになっているので、携帯電話を40分持って待つしかなかった)に「国や県は管理していません。市町村が管理しているのかどうかはわかりません。富岡町の電話番号をお教えしますので、そちらに電話して聞いてください」という最終回答を頂いた。ワンストップサービスと言っているが、富岡町の住民なら誰でも知っている町の電話に掛けなさいということだ。富岡町が町民一人ひとりの被ばく線量を把握していないことは、私は既に知っている。
 「一時立ち入りの際に、以前はスクリーニング場で、立ち入りした際の線量の記録を採っていたようだが、その数値はどこに保管されているのか」と聞くと「それはわかりません。スクリーニング場に電話をしてみてはいかがですか。電話番号はお教えします」と女性の担当者は答えてくれた。「最後にこの相談窓口はどの政府機関が管轄しているのですか」と聞くと「原子力規制庁から委託を受けています」とこの時だけは、すぐに答えが返ってきた。
 これらの相談窓口のほとんどは、この程度の対応を一年以上もしている。その費用は、すべて税金でまかなわれている。原子力規制庁の幹部や原子力規制委員会の委員に、一度このフリーダイヤルに避難者を装って電話を掛けてみることをお勧めしたい。大辞林によれば、欺瞞とはだますこと。あざむくこと。今、だまされ、あざむかれているのは国民であり、福島第一原発の事故の被災者である。

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