日本エネルギー会議

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汚染水の脅威

 昨日来、福島第一原発の汚染水流出問題が大きく取り上げられている。台所仕事を手伝いながらテレビを見ていると、おかしな連想が浮かんだ。この問題は要するに、味噌汁を作るとき、味噌が少しづつ、だし汁に溶け出して行くように、原子炉建家内部の燃料や汚染がなくらない限り、汚染が地下水とともに海に出続けてしまうということだ。国や東京電力は原発建家の周囲の地中に壁を巡らせて、地下水が入ってこないようにする対策を始めると言っているが年単位の仕事になりそうだ。先の汚染水貯蔵池からの漏えい問題でもわかるように、地中で漏水しないようにするのは大変だ。地震で一部が割れて漏水する可能性もあり、そうなればどこが漏れたかを特定するのは困難だ。
 東海第二原発の建設では、地下水が流入して建設工事に支障がないよう、まず建家の周囲に止水壁なるものを造った経験がある。他の原発はどうなっているかわからないが、あとから造るのは極めて困難だ。問題はこれを原子力規制委員会が最新知見として各原発にバックフィットするかどうかだ。今まで、放射能漏洩については、5重の壁があると説明してきたが、今度は6重の壁というわけだ。時間的猶予を与えたとしても、大変な負担になる。やるとなれば、防波堤のように巨額の費用と数年の時間がかかり、それをやるには電気料金のさらなる値上げか税金の投入以外にない。世界最高水準の安全を唱った政府や原子力規制委員会は自縄自縛状態になりかねない。
 福島第一原発の事故以来、過酷事故の対応の難しさ、現実的な避難計画作成の困難さ、汚染物の処分場確保の見通し、プルトニウムの使途問題などで、日本における原発の存在可能領域は急速に狭められてきた。ここで6重の壁の建設ということになれば、その領域はさらに狭められることになる。原発の存在可能領域が、一気に拡大するためには、エジプトの紛争拡大など日本のエネルギー供給が危機に陥ること以外ないのかとつい妄想してしまう。

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