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復興公営住宅

 復興庁、福島県、富岡町の連名で、「住民意向調査票」が送付されてきた。内容は、これからの生活拠点をどのように考えているか所帯主に尋ねるもの。これまでも何回か行われたアンケート調査だが、今回は「復興公営住宅について」というパンフレットが同封されていることが新しい。
 県が考えている復興公営住宅は原発事故で避難している人だけを対象とした公営住宅で、かなり具体化されていることがわかった。現在、仮設住宅や借り上げ住宅などに分散して生活している避難町民に対し、二年後までに3700戸を建設する計画だ。その第一期分として、多くの人々が現在住んでいる、いわき市、郡山市、会津若松市に2LDKと3LDKを500戸(250戸は、いわき市)の鉄筋コンクリート造りのアパートを建設して、提供する。既に工事は始まっていて、早いものでは来年の4月に入居が開始される。
 入居基準は決まっていないが、避難している人たちのコミュニティの維持・形成の拠点として考えており、入居にあたっては、市町村単位や親族同士、仮設住宅などで築かれたグループでの入居に配慮するとある。また、高齢者、障害者、子育て世帯などを優先し、バリアフリー化、コミュニティ集会室、エレベータやソーラーパネル設置などもする。家賃は月額7000円から70000円(民間相場に近い)まで、所得に応じて決められるが、避難指示解除後の相当期間までは賠償対象となり実質無料となる。
 いたれりつくせりのようだが、三年近くも不自由な生活をし、これからも何年この地にとどまらねばならないかわからない避難者にとっては当然なことと思える。事故当時の富岡町の人口は16000人足らずなので、戸数としては妥当なようだが、既に手にした家の賠償金で新たな家を造ろうとする人も増えている。建設にあたっては、コミュニティの維持・形成を意識しているが、それは新たな地に富岡集落を築くことになり、将来、そっくり富岡町に帰還出来ることではない。
 既に各地に分散している集落の住民、親戚、友人などを再び集めることは、同窓会を開くようなわけにはいかず、仕事、学校、病院なども関係するので、かなり困難なことだ。仮設住宅とちがって今度は5年、10年と住めるように造られる。高齢者にとっては、不自由さがなくなり、人間関係が安定するメリットもあるが、もう富岡町には帰還する可能性はないと諦めることにもつながりそうだ。

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