日本エネルギー会議

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避難の近況

福島第一原発の事故から3年になろうとしている。これだけ長くなれば、避難という言葉さえ適当でなくなる。自治体が公表しないので、仮設住宅がどの程度空いているか正確にはわからないが、私の知る範囲では、賠償金で中古の家を購入したり、新たに家を新築したりして仮設住宅を出る人が増加している。 

人気のいわき市では、既に不動産物件が高騰し、郡山市などと変わらない水準になっている。この影響は福島県の他の都市にも波及し、郡山市でも適当な物件が少なくなって、私のいる須賀川市などにも家を建てる人が現れている。中には、雪の多い福島県でなく茨城県に土地を求めた人もいる。「富岡の家はどうするのか」と聞いたら、「いつ帰れるかわからないし、もしも、帰れるようになった時に家が壊れていなかったら別荘にする」と答えていた。

事故前、避難区域内に4人家族で持ち家に住んでいた世帯は、1億円前後の賠償を受けており、郡山市など都市部に100坪程度の土地を買って40坪程度の家を新築しても、おつりが来るはずだ。子供のいる世帯は長引く仮設住宅生活を切り上げなくてはと考えており、老朽化が進む仮設住宅にとどまっている人は高齢者、単身者などが中心になりつつある。地方紙のお悔やみ欄は、双葉郡で毎日二、三人が載っている。自治体では、神戸の時のように、仮設住宅での孤独死が出ることを警戒している。

自治体はアパートと一戸建ての復興公営住宅の建設を県と町がそれぞれ急いでいるが、最も早い入居で今年の11月。しかも、平成27年度までに整備されるのは、県と富岡町の造るものをあわせて約2500戸である。家賃は民間よりやや安く設定されるが、富岡町では東京電力に家賃負担をするよう要望をしている。

除染については、旧警戒区域は国が行うが、この計画がやっと示されて富岡町での除染がようやくスタートしようとしている。計画では、3年後には除染が終わり、インフラの整備に1年ほどかけて、それから帰還可能となるが、残念なことに富岡町でも帰還困難区域(私を含め、住民の三分の一が住んでいた。)の除染はいまだに計画さえ示されていない。町の復興はまだまだだ。

東京電力は帰還困難区域の住民に対しては精神的苦痛に対する損害賠償として、平成28年度末までの分を既に支払っているが、さらに一人700万円を追加で支払って、この賠償を終わりにしようとしているようだ。

賠償では田畑の賠償が進んでおり、次は山林についての賠償方針が東京電力より示される予定だ。町民の声を受けて町では、まもなく期限が切れる高速道路の料金免除、就労不能損害、医療費個人負担免除などの継続を国に要望している。

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