日本エネルギー会議

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大統領批判

セウォル号沈没のニュースは、連日のように韓国はもとより日本のメディアでも報じられている。韓国国民の非難の矛先は無責任な船長、金儲けのためには安全無視の船会社、海洋警察の不手際、高官の失態などから徐々に大統領府の対応のまずさに向かった。緊急時体制の縦割り、情報の遅さと不正確さ、責任が不明確など、メディアが「韓国は三流国家」と表現するまでになった。パク大統領が国民に謝罪したが、国民は受け入れず支持率は一気に低下し、政権の足元がぐらついている。さらに国の危機管理に責任を持つはずの大統領府安保室長は「安保室は災害のコントロールタワーではない」と発言するなど混乱が続いている。

朝鮮日報は「ある国が危機的状況に追い込まれると、その国の本来の姿が同時に表面化するため、その国の政治のレベルも同時に知ることができる。大統領府と与野党を含む韓国政界は今、自分たちの言葉と行動が国民はもちろん、世界からどのように見られているかをじっくりと考えてほしい」と書いた。

福島第一原発の事故で避難している者から見ると、今回、日本のメディアは3年前に世界を驚かした原発事故とその時の政府の混乱した対応のことをすっかり忘れて、韓国社会の問題を取り上げているように思えてしかたがない。当時のことを思い出すと、朝鮮日報の書いていることが日本にもそのまま当てはまるのではないか。

未曾有の大震災に対応した自衛隊、警察、海上保安庁、消防、自治体、ボランティア、現場の作業者たちの献身的な活躍と冷静に行動した被災者は世界から賞賛された。しかし、原発事故の対応において日本政府の出した情報は「遅い・少ない・デタラメ」だった。原子力安全委員会は存在感がなく、原発に常駐していた役人は早々と引き揚げ、オフサイトセンターは移動せざるを得ず、SPEEDIは使えなかった。省庁間の協力体制には大いに問題があり、スリーマイル原発事故の時のアメリカ政府の対応と比較して、当時は相当の批判があったはずだ。賞賛を受けた人々も裏を返せば、国や自治体としてそれだけ準備不足、混乱のなかをよく凌いだということだ。

先日も歴史は美化されると書いたが、「あれは慣れない民主党政権のやったこと」「イラ菅と呼ばれる人が総理大臣であったことの不運」のようにして忘れ去られては、福島第一原発の事故の被害者たちは納得が出来ない。今度、原発事故が起きたら、国家安全保障会議がうまく機能して福島のような混乱が起きないと言えるのか、私はその中味を知らずにはいられない。

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