日本エネルギー会議

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しなやかな発想

原子力規制委員会がいわゆる「バックフィット制度」を初めて適用したことがわかった。アメリカイリノイ州のバイロン原発で、外部電源が部分的に故障した際、非常用電源が起動しなかった事例を参考にして、規制基準に、電源対策を追加する。これは川内原発など現在審査中の原発も対象となる。福島第一原発の事故が内外の電源をすべて失ったために起きたことを考えれば、非常に重要な見直しとなる。規制基準を政府が言うように世界最高水準に維持するためには、バックフィットをきめ細かくやることが必須となるが、今回を皮切りに継続的な努力が望まれ、その積み重ねによってこそ国民の信頼をつなぎとめることが復出来るというものだ。

バックフィットを失敗事例とその対策に求めるだけでなく、積極的により優れた安全対策を探し当てて採用していくことも必要かと思われる。先に福島原発ではベント操作のために現場に急行した運転員が、高線量のために引き返さざるを得なかったが、北欧の原発では遮蔽壁の外側から弁が操作可能となっていた。これらも良好事例として、福島第一原発の事故までに日本の原発に採用されていたらと思ったのは私だけではないだろう。

非常用電源は同じものを複数並べるだけでなく、違った場所に違った原理によるものを設置するように求められるようになった。こうした重要な対策は常に視野を広くして世界中にアイデアを求めるべきだ。

例えば、風力発電では海上浮体式風車が最新式だと思っていたら、凧のように空中に浮かべる方式が出てきた。コンピュータ制御で高度を調整でき、高い空の安定した強風を狙えることがミソで、地上のタワー方式の数倍効率的だそうだ。(凧と同じで航空機の邪魔になりそうだが)
MITが開発し実用化されようとしている「Buoyant Air Turbine」出力30キロワットがそれだ。

ヘリウムガスの飛行船を地上に係留したようなもので、タワー式の風力よりずっと安く出来る。今は離島や基地のような場所で使うことを目的としているようだが、いざという時には役に立つかもしれない。

原子力の世界では十年一日のごとく時間の流れが遅いが、原子力の関係者も次々と変化を遂げる外界に目を向けて、原子力の安全強化と効率向上に資するものはないか探し求める旅をすることが大切だ。

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