日本エネルギー会議

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三年目の夏に

西日本は大雨だというのに、関東や東北は酷暑だ。福島県でも福島市が全国の最高気温上位にいつも顔をだす。福島市だけでなく郡山市、会津若松市など他の地域も軒並みうだるような暑さだ。暑いと景気には良い影響があるようだが、新幹線の郡山駅に行くと例年より多くの観光客や帰省客でごったがえしている。中旬から下旬にかけての花火大会の宣伝や「うねめ祭り」の提灯などが飾られて盛夏の雰囲気が漂っている。

だが、事故から三年目の夏に、この暑さをあの狭い仮設住宅で過ごしている人がいると思うと何ともいえない気持ちになる。仮設住宅の多くは中通りや会津に建設されていて、敷地には狭い通路をはさんで何列にも建てられているため、風通しはよくない。南側の窓には一昨年からグリーンカーテンが大流行だがほんの気休めに過ぎない。仮設住宅はトタン屋根で、断熱材も入っておらず窓も少ない。まわりの駐車場はアスファルトで固められている。こんな仮設住宅ではエアコンを一日中使ってないと熱中症になる。仮設住宅の住人は若い人がもともと少なかったが、その人たちも家を買って仮設住宅を出て、今、仮設住宅は高齢者が多くなっている。高齢者は孤立しては生活が出来ないので、どうしても仮設住宅にまとまって住みたいのだ。一日中エアコンに頼っている生活など若い人でも体調がおかしくなる。ましてや高齢者の健康に影響がない訳がない。こうした実情は調査も報道も少ない。


復興住宅は計画書や完成予想図は示されているが、三年目の夏にもまだ入居出来た人は誰もいない。チェルノブイリではあっという間に新しい町が出現したようだが、あれは共産主義の国の話のようだ。福島の復興予算は半分程度しか使われておらず、理由は土地の取得難と建設関係の人手不足だ。安倍総理の「福島の復興なくして…」と言うセリフを何回も聞いているが、復興どころか被災者のケアさえ十分に出来ていないことを最高責任者として恥じるべきだ。

毎朝、まず新聞のお悔やみ欄に目を通すが、「双相」地域(大熊町など双葉郡と相馬市、南相馬市のこと)の所は、80代、90代で亡くなった人がほとんどで、その現住所や葬儀会場が福島市、郡山市、いわき市など避難先であることに気づく。故郷を追われて見知らぬ土地で亡くなり、そこで葬儀を出さなければならないのは、本人だけでなく遺族にとってもどれほど不本意なことか。避難指示が解除されなければ、統計的には毎年、避難している人たちの1パーセントに当たる人たちが同じような目に遭うことになる。

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