日本エネルギー会議

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福島のアドバンテージ

日本では今、再生可能エネルギーがもてはやされているが、風力発電所やメガソーラーに対して送電線の容量が不足し、電力会社から系統接続を拒否されて再生可能エネルギー側が計画を進められない問題が起きている。従来、送電網は原発や火発など大きな電源と大消費地を結ぶことを目的に造られているから、風力発電所などから変電所までは風力発電所側が送電線を建設しなくてはならず、それではコスト的に合わない。また、需要の少ない地方電力は出力の不安定な再生可能エネルギーが増えると、バックアップのために火発を増やさなくてはならない矛盾が生じている。

福島県と首都圏の間には、総延長200キロメートルに及ぶ超高圧の送電線が敷設され、日本有数のエネルギーの大動脈となっている。福島第一原発の事故以降3年半にわたって、この送電線がほとんど使われず宝の持ち腐れになっている。大型の鉄塔一基を建設するためには1億円かかると言われているが、この送電線を造るためにどれほどの困難な用地交渉、危険な鉄塔建設、メンテナンスが行われてきたか。まさに宝物である。

福島県は原発だけでなく昔から水力発電所、火力発電所も数多くあり、県内いたるところに大小の送電線が走っている。原発周辺に再生可能エネルギーのメガソーラーや風力を置けばその送電線が使える。これは他の地方にはない有利な点である。また、止めた原発の安全のための電源としても再生可能エネルギーが役立つ。東北各県も福島県まで送電出来ればあとは幹線が使える。これが出来るのは福島と新潟と送電線の通過点である栃木県や群馬県である。


福島県は現在、復興計画に取り組んでおり、浜通りの町村も計画づくりに熱心に取り組んでいる。その中には、ほとんどと言ってよいほど再生可能エネルギーの活用を唱っているが、作った電力の送電に関して、これほど恵まれたところもない。浜通り地方は会津地方などと違って冬でも雪が降らず晴天続きだ。また、気温もそれほど高くならないのでソーラー発電にはうってつけの土地だ。風力発電も楢葉町沖合に世界でも最大級の浮体式洋上風力発電所が建設されているように、風況は良好である。

汚染土壌のための中間貯蔵施設の中心にある大熊町夫沢を通る6号国道を走ると、大鉄塔が立ち並び、幾条もの太い電線が福島第一原発から国道をまたいで、遥かに阿武隈高地に向かっており、その先は栃木県の茂木変電所などを通って首都圏に続いている。

首都圏は日本最大の消費地であり、再生可能エネルギーの電力を受け入れる十分な容量を持っている。メガソーラーは昼間しか発電しないから、受け入れは問題が少ない。建物が建てられず、人が住まなくなる中間貯蔵施設の上にメガソーラーや風力発電所を建設すれば、一石二鳥だ。大熊町、双葉町以外にも、浪江町や富岡町など隣接する町の帰還困難区域も同じようにメガソーラーが有望だ。富岡町でも大熊町に接する豚の飼育をしていた大手食品メーカーの敷地などはぴったりだ。そこから大熊町の6号線近くの送電線までの距離は僅かであり、送電線建設はそれほど費用がかからずに出来る。町が復興予算を使ってメガソーラーをやれば、十年以上にわたって売電収入が得られ、住民が減り、税収半減が予想される町にとって安定した財源となるだろう。

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