日本エネルギー会議

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オウンゴール

小渕優子経済産業大臣は、後援会の主催する女性部のアゴアシ付き観劇会で「政治資金規正法」の疑いが指摘され辞任に追い込まれた。将来の総理候補と持ち上げられていた小渕大臣だが、彼女にとっても安倍政権にとってもオウンゴールによる重大な失点となった。

アゴアシ付きといえば、かつての原発立地での電力会社による地元団体や住民に対する原子力施設の見学会、勉強会などが問題になったことがある。地元の団体の関係者が「全国、もう行くところがなくなった」」と言うほど盛んに行われていたが、対象としては原子力推進団体、商工団体、消防防災関係者、自治会、婦人会、青年会、老人クラブ、スポーツや文化団体など。電力会社の担当者は計画づくりから訪問先との交渉、バスなど輸送手段、宿、宴会の手配、実施に当たっても同行して世話を焼くなど、旅行会社添乗員顔負けの働きをしてきた。アゴアシにどの程度の支援をしたかはケースバイケースだが、少なくとも投入された労力は相当なものだったし、受ける側の期待も大きかった。

電力会社としては地元に原子力に対して理解を深めてもらい、何かと推進支援をしてもらいたいという期待を込めてやっていた。これらの費用は、発電の総括原価に組み入れられるため、やりすぎると批判の的になる。九州電力が公聴会でやらせ質問を依頼したようなことや、特定候補に対する選挙応援、政治献金なども一つ間違えればオウンゴールにつながる。

反対派も科学的根拠なく不安を煽ったりすれば、結局一般の人から信用されなくなる。先日、再稼働を進める小渕大臣宛に反対する男が刃物を郵送した送った事件があったが、これは極端な例だ。朝日新聞の吉田調書による「所長命令に違反 原発撤退」を取り消しの一件も、読者に今までの原発関連報道全般の信憑性にも疑問を起こさせてしまった。

推進派も反対派も目的達成を急ぐあまり無理なことをすれば、結局オウンゴールによる失点を敵に献上することになる。そういえば、原子力規制委員会の敦賀2号機の地質調査にまつわる審査の強引な運営ぶりもオウンゴールになる可能性がある。

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