日本エネルギー会議

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高齢者向け講習

最近は運転免許の更新で高齢者には事前に自動車教習所で、実地を含む特別講習が義務付けられている。年末に更新があるので、近くの教習所に行って半日の高齢者向け教習を受けることとなった。その中で、教わったことだが、人は盲点を持っていて、白い点を凝視してその点を横に移動していくと、正面から少し左右にずれたところで、一点だけ見えなくなるところがある。これは目の構造上そうなるらしいが、テストを受けると確かに盲点があることがわかった。そこにたまたま運転上大事なものがあれば、一瞬見えないことになる。その場所は人によって微妙に異なる。複数の人で見れば、盲点はカバーされる。ダブルチェックはもちろん、なるべく多くの人の目で見ることが大切だ。

もう一つは死角である。バックミラーやサイドミラーで見ても映らない位置がある。運転席から見て後部座席の窓の外からテールランプの間は死角になる。白バイは気づかれないよう、よくこの位置で追跡する。高速道路でサイドミラー確認だけで車線変更しようとしたら、真横近くに車が迫っていてびっくりして車線変更を中止した経験のある人もいるだろう。教官が対策として、自分の目の位置を変えてみること、そのために首を回して直接その場所を見てみる必要があると教えていた。

福島第一原発の事故は、原子力関係者が原発の安全を考える上で盲点と死角があったから起きたと私は思っている。現場の安全パトロールもいつも同じ通路を通っていては、不安全状態を発見できない。しゃがんで下から見る、高い位置から俯瞰するなど目の位置、高さを変えて見ることが大切だ。自分が作業者になったつもりで見るのも良い。単に見ているだけでは見えず、見ようとして立ち位置などを変えなければ見えてこないものが存在するのだ。研究、設計、製作、施工、運転、監査についても同じだ。

民間企業から役所に移った人、あるいはこの逆の人は「いままで見えなかったものが見えてくる」と言う。学生から社会人になったばかりの新入社員、本社から現場に転勤した人、親会社から子会社に移籍した人も同様だ。いままでは社内教育や関係者のしがらみ、先輩などへの気遣いから見ないことにしていた、考えないことにしていた問題が、立場が変わることで見えるようになる。海外調査から帰った人は、成田空港に着くまでは抱いていた問題意識を、着陸と同時に封印してしまってはならない。

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