日本エネルギー会議

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いずれにしても困ったこと

毎月見ているようできちんと見ていないのが電気の使用量のお知らせ(検針票)。いつのまにか以前にはなかった項目が増えて合計金額を押し上げている。基本料金、使った電気量に応じた電気量料金、その他に「燃料調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」それに消費税等相当額に含まれている「電源開発促進税」が積みあがっている。

「燃料調整額」は化石燃料の輸入額が上下することに対応して変化するが、このところの円安で上昇している。「電源開発促進税」は約40年前につくられた国税で石油に代替するエネルギーである原子力、水力、地熱等の発電の開発を促進するため、一般電気事業者が販売している電気に課している。集めた税金は、原子力の研究や立地対策のために使われるが、半分以上が経済産業省や文部科学省など官僚OBが天下って役員を務める独立行政法人や公益法人、民間企業などに支出されているとの批判がある。

新顔の「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、毎月の電気料金に上乗せされる賦課金で、全額を再生可能エネルギーで発電した電気を固定価格買取制度で買い取るために使われている。そのため、再生可能エネルギーが増えれば、それに比例して増えていく。消費者の数はほとんど変わらないから、一世帯、一企業あたりの負担は増加する一方だ。経済産業省のホームページにはその説明として

 電気を使うすべての方にご負担いただくものです。
 電気料金の一部となっています。
 ご負担額は電気の使用量に比例します。
 再エネ賦課金の単価は、全国一律の単価になるよう調整を行います。
 皆様から集めた再エネ賦課金は、電気事業者が買取制度で電気を買い取るための費用に回され、
 最終的には再生可能エネルギーで電気をつくっている方に届きます。

とある。
既に、国のエネルギー対策特別会計に匹敵する年間1兆円が集められて、再生可能エネルギーで起こした電気を買い取るために使われている。現在は一世帯当たり毎月200~500円程度で済んでいるが、来年度は総額2兆円を超えそうで、負担も倍増しそうだ。あまりのことに、経済産業省は、電力使用量が極めて大きい事業者を対象に、来年度分の「賦課金」の80パーセントの減免を決めたほどだ。

さらに今後、消費税率の引き上げ以外に、消費者の負担が増えそうなものに原発関連の費用分担がある。

その一つ目は、経済産業省は今後の方針をまとめた「中間整理案」で、電力事業が自由化された後も国が原発事業による収益を保証し、損失が生じる場合は電気料金に上乗せできるようにするなどの原発優遇政策を示している。 .

二つ目は、美浜原発など運転開始から40年前後の古い原発7基を廃炉した場合、電力各社の損失額が1基あたり210億円程度になるため、この損失を10年程度かけて電気料金に上乗せできる会計制度の見直しを行う。   

三つ目は、小型、中型炉で約350億~600億円とされる廃炉費用についても確実に回収できる仕組みを設け、廃炉に支障が出ないようにする。四つ目、五つ目の負担も考えられるが、今はまだ言わないでおこう。

イギリスでは自由化以降、電気料金が2倍にも跳ね上がって消費者から悲鳴があがっているが、日本もその道を歩み始めている。これらの賦課金や税金の負担を嫌がり、安い電気を使いたい人は、電力会社から電気を買うのをやめて、ソーラーパネルを屋根に上げ、企業は自家発電装置を備えるようになるだろう。すると、そのような対応が出来ない人や企業は、ますます賦課金や税金の負担が増えてしまい、経済的弱者にしわ寄せが全部行くことになる。それを解決するには、賦課金などを電気料金支払いに絡ませず、国の財源でこれらの負担を背負うことだが、そうなるとスペインのように電気料金への補助金で国の財政が危うくなる危険性がある。

抜本的解決策は、電気の使用に伴って税金を課す方法から、電気を作ることに伴って課す方法に切り替えることだが、これには事業者からの抵抗が予想される。いずれにしても困ったことだ。

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