日本エネルギー会議

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三年目のNHKスペシャル

昨日(12/21)夜9時15分から、NHKスペシャル 「メルトダウン File.5 知られざる大量放出」を視聴した。NHKの予告によれば、福島第一原発の事故直後から、独自の取材と専門家による科学的検証を重ね、事故の真相に迫り続けてきたシリーズ「メルトダウン」。今回は、いよいよ“レベル7”とされた深刻な「放射能大量放出」の全貌に迫る。公的な事故調査は、1号機から3号機、3つの原子炉が次々にメルトダウンした3月15日午前中までを重点的に分析してきた。NHKが独自につかんだ新たなデータが示したのは、これまで検証されてこなかった3月15日以降の放射能大量放出の事実。番組では、この「知られざる大量放出」を徹底検証。これまで分かった事実と併せて、事故の全貌を浮かび上がらせ、今に突き付けられた課題を探っていくとある。

今回も例によってCGで炉内や注水の状況を説明、時系列を追って東電の作業服を着た俳優が中央制御室の状況を劇で見せる。吉田所長役は本人にそっくりの容貌だ。時々東京の本部の実写映像などを交えるのでどこまでが実物か分からなくなりそうだ。それと数名の専門家による会議室での検討会の様子と大学の研究施設での実験映像が加えられて、科学的な分析であるらしいことが強調されていた。
視聴した感想としては、

・三年も経過してどのメディアもやめてしまった事実確認、原因追及を粘り 強くやっている執念はすごい。政府機関、事故調、東電、関係諸団体などはどうしているのだろうか。その後の結果はなんらかの形で公表、説明されているのだろうか。されているとすれば、それをメディアは何故伝えないのか、

・番組作りの手法は手馴れたものとなっているようだが、科学的報道的な色合いとドラマとして見せるのかが明確でない。どちらでも楽しめるというのはどちらも中途半端になることだ。視聴率を気にするとこうなるのでは。

・石川迪夫 (著)「考証 福島原子力事故 炉心溶融・水素爆発はどう起こったか」の内容が一部反映されていた。デブリが全部下に流れ落ちず炉内にとどまっている、炉内に注水されたのが少量の水だったのが仇になったなど。過去の放送分について(今回の分も間違いがあるようだが)きちんと訂正することで番組に対する信頼性が向上すると思う。

・専門家の検討会は、本当は事故当日行われて然るべきもの。万一事故が再び起きそうになったら、各原発のあらゆる図面やマニュアルを見ながらこのような会議が行われ、的確なアドバイスが発電所スタッフに対して行われる必要がある。私が以前に報告しているフランスでのEDFとAREVAの合同チームによる定期的訓練が日本でも行われることが絶対に必要だと考えるが、そのあたりはどうなっているのか。私が再稼動に当たって気がかりなのは避難計画とこの点である。

福島第一原発の事故のときに保安院には、図面やマニュアルがなかったことが明らかになったが、今、原子炉規制委員会なり、経産省には全国の全原発の完成仕様、系統図面、マニュアルなどが全部揃えられており、それらが逐次現場と同一のものになるようメンテナンスされているのだろうか。
・検討会や訓練は事故対応においてのハードとソフトの不足している点をたくさん洗い出す意味もある。それらが公表され、その対策がきちんと実行されているのだろうか。そもそも事故が起きそうなときに、直ちに必要な専門知識(少なくとも7つ程度の部門の専門知識)と解析トレーニングを済ませたスタッフ(現場経験の豊富な電力、メーカーの人と学者)が集まれるような状況が出来ているのだろうか。そこにはコンパクトシミュレータが欲しい。

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