日本エネルギー会議

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不完全で終わる電力自由化

日本の電力自由化は市場参入規制を緩和し、市場競争を導入しながら段階的に進めることになっている。具体的には、発電、小売、送配電が自由化されるということだが、その前提として発送電分離、電力卸売市場の整備などがある。 

自由化の最大の目的は、電気料金を下げることであり、それは沖縄を含む10電力会社や新たな参入者が自由に競争することでコストダウンが図られることで達成される。また、需給によって時間帯で料金に差がつくことで、ピーク時の需要が抑制されることで、無駄な設備を持たなくてもよくなり、その分コストが下がることが期待されている。

ところが最近になって、その前提が大きく変化しようとしていることに多くの人は気づいていない。一つが再生可能エネルギーに対する固定価格買い取り制度であり、もう一つが原発に対する価格保証制度である。この二つはエネルギー安全保障と温暖化対策のために、あえて価格を長期間固定してその存在を自由な価格競争から守ろうとするものだ。これは市場全体を開放し、自由に競争をさせて電力料金を下げようとすることに逆行する政策だ。自由化によって、電力会社が総括原価方式でなんでも料金に上乗せすることを出来なくするつもりが、再び保護政策で競争の例外を作りだそうとしていることにほかならない。

今後の電源構成は政府が夏までに示すことになっており、小委員会などで検討が進められているが、原発に一定の割合を持たせるとともに、再生可能エネルギーについても拡大の方向であることは先のエネルギー基本計画でも明らかである。そうなると、完全自由化といっても原発と再生可能エネルギー以外の領域だけが対象となり、自由競争出来る範囲は最初から限定的である。さらに、原発や再生可能エネルギーを現在の高コストから脱却させるために必要な他の電源からの圧力はまったく効かないことになる。

再生可能エネルギーの接続に関して入札制度を取り入れ、買い取り価格を毎年確実に下げる。原発に関しても価格保証制度の対象とする条件として稼働率や上限コストを定めるなど、保護の枠内でも競争原理を働かせる仕組みを作るべきである。

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