日本エネルギー会議

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移住者を求めて

原発事故の避難区域解除後に予想される極端な人口減少と高齢化に抗して、町の復興を成し遂げる鍵は外部からの移住者だ。移住してくれる人をどのように集め定着させるかを考える必要がある。移住者が来て町が賑やかになることは、各地に散らばり、迷っている避難者たちの帰還の呼び水にもなる。

多くの住民が去ったあと、浜通りに住むことが期待出来るのは当分の間は復興関係の仕事に従事する人々だ。除染については帰還困難区域の大半が未実施だ。また県内各地で出た汚染土壌の袋を各地の仮置き場から大熊町双葉町にまたがる中間貯蔵施設に搬入する業務もまだまだ続きそうだ。

廃炉の現場では現在も数千名が働いているが、数十年の長きにわたっての雇用が期待される。これらの人たちは現在一時間弱かけていわき市などから通勤しているが、区域解除とともにより福島第一原発に近い地域に移り住んでもらうことが考えられる。そのための宿泊場所、日常生活に必要な商品やサービスの提供などを行う必要があり、そうした業務を担う人が定住することが期待出来る。富岡町には福島第二原発もあり、もともと単身者向けあるいは家族向けのアパートや貸家が数多くあった。新しい家屋は地震による被害は比較的少ないのでそれらを十分活用出来る。最終的には大熊町、双葉町もそうなればよい。

区域解除後は高齢者を中心とした住民が最初に帰還を果たし、役場の機能と公共機関のサービスが必要になる。なかでも健康管理、医療、介護の面で多くの人材を必要とする。従来この関連で働いていた人の何割かは、すでに他の地域での就職を決めたり、移住してしまったりしたため、新たな人を採用しなければならない。政府が打ち出した浜通りにおける廃炉関連のロボットなどの研究開発施設や県が打ち出している再生可能エネルギー産業にも一定の雇用が見込める。生産年齢人口の急減、景気の回復、東京オリンピックなど雇用情勢は雇う側に厳しい状況が続くと予想されるなか、どのようにして人材を浜通りに集めるのかが試されている。

やりがいのある仕事、充実した処遇、整った住環境、安全に関する十分な説明などが必要となる。新たに来る人材には原発事故の被害を受けた福島県浜通りの復興に役立とうとする気持ちに感謝しなくてはならないが、そればかりに頼っていては長続きはしない。

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