日本エネルギー会議

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ミティゲーション

環境関係の文章で時々お目にかかる「ミティゲーション」とは人間の活動によって発生する環境への影響を緩和、または補償する行為のことで、40年ほど前に米国で急激な湿地帯の減少に対処するためにその概念が生まれた。

福島第一原発の事故は新たな開発とは違うが、広い地域の放射能汚染という人間の活動によって発生した環境への影響とも考えられる。現在除染が行われているが、そのことで汚染土壌の詰まった大量の黒いフレコンバッグがあたり一面に置かれていて異様な風景となっている。帰還した住民はこれを見て生活しなくてはならず、精神的には放射線よりこの影響の方が大きい。住民たちは避難して、あらためて元の町村の自然の美しさ、豊かさに気づいているが、その想いとは正反対の醜い廃棄物の袋があたり一面に大量に置かれている。

富岡町小良ケ浜地区での除染土壌の仮置き  2015.5.15撮影

これら汚染土壌とは別に、厳重な管理がされているとはいえ家から7キロのところにメルトダウンした原子炉が3基あり、その外側には中間貯蔵施設も造られる。
「ミティゲーション」には5種類があり、つぎのようなものがある。
1.回避  事業実施範囲からの除外
2.最小化 工種の選定制限による工事
3.修正  環境の回復等を目的とした工事
4.軽減  工事期間中の環境配慮
5.代償  代用の資源や環境で置換、またはこれらの提供で代償

帰還した住民が、汚染土壌の入ったフレコンバッグを見なくとも済むように、少なくともグリーンのシートでカバーするなり、塀をつくるなり、周囲をグリーンベルトとして木を植えるなど何らかの措置が取られるべきである。さらには好ましい景観(公園や基幹道路の並木など)を代償として作るべきである。

除染工事、廃炉工事による影響については、地元市町村は放射性物質の飛散やトラック運搬に係る交通災害、騒音公害などの防止を国や東電に求めているが、住民の帰還に合わせて「ミティゲーション」概念に基づく措置についても要求していくべきである。

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