日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

どうやって実現するか

原子力委員会は6月4日、原子力利用の「基本的考え方」について、電力中央研究所原子力リスク研究センターのR.メザーブ顧問からヒアリングを実施した。メザーブ氏は原子力安全において最も大事なのは、常に警戒を怠らず安全性を高めようとしていく文化を確立していくことだと語った。その通りではあるが、その文化をどのようにして確立するかが問題なのだが、さすがにそこまでメザーブ氏に聞こうということにはならなかったようだ。
福島第一原発の事故以前、日本の原子力関係者は海外情報に耳を貸さない姿勢があったという指摘もあるが、情報を取ることにかけては熱心にやっていた。海外の動きは逐次入ってきていたし、相手先が同じことを何回説明してやればいいのかと言うほど、繰り返し調査団も欧米に送り込んでいた。また国際機関の日本人の数が資金面の貢献に比べて少ないことは指摘されていたが、国際会議に欠席していたわけでもない。ただし、原発導入の初期のように得た情報を元になんとか自らのものにしようという意欲は衰えていたので、多くの費用と労力を使ったが形式的になっていたということだ。

話を戻すと、社内に常に警戒を怠らず安全性を高めようとしていく文化を確立するためには、いくつかの方法が考えられるが、従来のように各社の自主性に任せるようなやり方では残念ながらうまくいかないのではないか。それより他からの刺激による方法が日本には必要だ。

ひとつの方法は他の会社との競争であり、どこが一番進んでいるかについて毎年コンクールを行う。いままでどの電力会社も他社に差をつけられることは地元対策上好ましくないので、ひとつの会社が突出することがないよう業界内部で互いに牽制していた。新潟沖地震の後、浜岡原発が原子炉建屋の耐震を1000ガルとすると発表したことに対して、陰では行き過ぎとの批判があった。

コンクールは安全推進協会、電中研など業界団体が行うべきだ。
もう一つの方法は反対派の意見を参考にすること。反対派が安全上指摘する不安について、その解決を目指して真剣に取り組むことだ。かつて原産会議(原産協会の前身)の初代事務局長であった橋本清之助は「反対派の求めるところを推進側は目標にすればよい」とまで言った。原子力委員会はヒヤリングで学んだことをどのように実行に結びつけるのか。メディアも国民もそこに注目しなくてはならない。「安全文化の確立」という言葉だけで、原発が安全になったような気がしていては「第二の安全神話」になる。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter