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将来人口の試算

今月3日、復興庁が30年後の福島第一原発周辺の市町村の人口予測を示した。それによると条件次第では、2008年に国立社会保障・人口問題研究所が出した少子化で地方は人口急減との予測より人口が増えるという。原発周辺では震災と原発事故によるいわゆる「焼け太り」現象が起きるというのだ。予測は「12市町村の将来像」を話し合っている学者や経済人ら検討会に事務局の復興庁が試算として出したものだが、それに対するメディアの反応も分かれている。

図は福島民友の記事によるもの。

復興庁の試算では、第一原発の廃炉作業や企業誘致などで2万7千人が新たに住むとしている。それだけならまだしも、過去の意識調査により新住民の増加に刺激されて、帰還するかどうか迷っていた旧住民の75パーセント(人数にして5万人程度)が帰還するとしている。これによって20年後、30年後にかつての推計をも上回る人口になるとパターン2では予測している。

A紙は、見出しに「事故前想定人口超す?」としてパターン2は甘いのではと批判している。N紙は、パターン2はありえないという意味なのかパターン1のみ示した。Y紙は10万~14万人と幅を持たせた表現で判断を避けた。

地元F紙は「30年後人口半減恐れ 12市町村、帰還低調なら」と地域が衰弱する懸念を示した。
現在避難している人のかなりの部分が60代、70代だ。この年代の帰還意思が一番強いのだが、彼らは20年後、30年後には80~100歳に達している。現在50代以下の人たちは避難先などに家を確保し、就職もし、子供は学校にも通っている。20年後、30年後に生まれ故郷だからといって戻るとは思えない。その頃、20代未満の人にとって避難区域は生まれ故郷ですらない。

復興庁に75パーセントの根拠はどの意識調査によるものかを問合わせたが、今後資料の公表を検討するとして回答は得られなかった。資料は政府の意向に沿った役人の数合わせの苦心の作なのか。結論の透けて見える検討会や委員会の人選。資料の根拠も示さず、議論をさせず、両論併記で結論だけ政府案のとおりという風潮が多いが、こういうところから国民が白けきって最後は国がおかしなことになるのではないか。許してはいけないと思う。

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