日本エネルギー会議

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電力需要のピーク抑制を

いままでの猛暑に代わってこのところ急に気温が下がっているが、今年の夏も各地で電力の需給バランスが保たれ、大規模な停電もなかったのは幸いだった。過去と比べても予備率に余裕があった原因は各電力とも需要のピークが昨年に続いて下がったことにある。
日本では夏と冬に電力需要のピークが発生するが、これを抑制することはさまざまなメリットがある。
(1) ピークが低くなることによって停電リスクが低下し社会的混乱や経済損失を起しにくい安定した社会になる。
(2) 各電源が安定した運転をすることで設備の利用率が上がり発電コストが下がる。
(3) コストの高い老朽火力発電所を無理に運転する必要がないため、停電リスクが低くなると同時に燃料費や環境負荷も下げることが出来る。
(4) 設備の停止を夏や冬に出来るので、定期検査などを春秋に集中しなくてもすむため、保修作業に無理がなくなり人材の確保にも有効である。
(5) バックアップのために残してある古い設備や燃料備蓄設備を廃止して、維持費をなくすとともに、最新設備への立替や跡地の有効活用が出来る。
(6) 万一の場合の他社、他地域への送電余力が生まれる。

では、電力需要のピークの抑制は、どのように進めることが出来るのだろうか。国全体の人口減少で自然にピークが下がることもあるが、エネルギー需要における電化率の上昇、円安にともない海外移転した工場の国内回帰などもあり、必ずしも放っておいても下がるとは断定出来ない。政策的には次のようなピーク抑制策が考えられる。
(1) 落差の大きい時間帯料金制度の普及。
(2) 省エネ機器、省エネ家電の普及。
(3) 自家消費型の再生可能エネルギーの普及(今年の夏のピーク時に太陽光などで全需要に対して数パーセントを供給) 
(4) 低コストで信頼性の高い家庭用小型蓄電池あるいは業務用の大型蓄電池の開発普及。
(5) 家やビルの建物の断熱性能の向上。
(6) エコキュートなど蓄熱機器の普及。
(7) スマートメーターの普及。

電力需要のピーク抑制によって、負荷追従の苦手な原子力発電の活躍の場が広がり、エネルギー安全保障と環境負荷とコストに問題がある火力発電の割合を減らすことが出来る。ピーク抑制については誰もが賛成であるはずであり、これが戦略的に我が国のエネルギー政策の最上位に位置づけられるべきだ。

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