日本エネルギー会議

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管理側の発想

福島第一原発の事故で決められた立ち入り規制関連の規則が、事故後4年半経って放射線量や汚染の状況が相当に変化しているにもかかわらず当初決めたままだ。そのため。特に帰還困難区域からの避難者は迷惑している。

現在、帰還困難区域にある自宅などに一時立ち入りしようとすれば、環境省が業務委託しているコールセンターにあらかじめ決められている個人認証番号を言って予約申し込みをする必要がある。一時立ち入りは原則として月1回程度、最大年間15回までとされている。水曜日と木曜日は現地の中継基地のスタッフが休みとなるため対象外。そのほかにもバスを使って集団で一時帰宅する人たちのための日が何日かある。結局、圧倒的に多いマイカーの人が申し込み可能な日は月のうち半分程度だ。立ち入り日が決まると、氏名、住所、電話番号、車種やナンバー、往復に利用する中継基地名を告げ、センターからA4サイズの立ち入り許可証が郵送されてくるのを待つことになる。

当日この許可証を持って中継基地に行くと、運転免許証で本人確認をして個人線量計、白い上着とズボン、手袋、足カバーなど防護装備、緊急連絡用トランシーバー、(必要に応じてネズミの忌避剤)を支給されて自宅近くのゲートに向かう。ゲートでは再び許可証などを確認されて、ようやく帰還困難区域内に入れる。こんなことを既に4年以上やっている。最近では、中継基地は閑散としていて多勢の係員は手持無沙汰にしていることが多い。

いわき市など近くに避難している人は良いのだが、私のように中通りに避難している人は自宅まで高速道路を含め2時間のドライブで、高齢者にはきつい。日が決められているので、当日天候が悪かったり、少々身体の調子が悪かったりしても行くようになる。立ち入り可能時間は午前9時から午後3時まで。3時にはゲートが閉鎖される。(富岡町以外は午後4時。理由を聞くと富岡町民が少しでも被ばくしないよう配慮しているとのこと。では、他の町の住民は被ばくしてもかまわないと言うのだろうか。私の場合、一時立ち入りで毎時1マイクロシーベルト程度の被ばくで、1時間は意味がないと思うのだが…)
どうしても希望の日に予約が受付けてもらえない場合、コールセンターでは「それぞれの町役場に相談してみてください」と案内する。役場に電話すると、「それでは特別に役場で許可証を発行します」と応じてくれる。個人事業主などに対する一時立ち入りの事業主枠があり、これであるといつでも入れるので、これを使って便宜を図ってくれている。ただし、前日までの申し込みと許可証を仮の役場まで取りに行くのが条件だ。

各世帯に家族名を書いた許可証をあらかじめ発行して、立ち入りの都度それに中継基地でスタンプを押すようにして年間の回数を確認するようにできないのか。本人確認は運転免許証でよい。このようにすれば、本人の体調や天候の具合を見て立ち入りするかを判断出来る。現在は4年前のように一度に大勢の避難者が立ち入りのために中継基地に殺到することもない。事故発生以降、役所はいまだに現場の状況が把握出来ておらず、かつ、いつも避難者側からではなく、管理側からの発想で物事を決めている。

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