日本エネルギー会議

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中堅スーパーの再開

福島県の沿岸部では除染が進み、福島第一原発の事故で避難指示が出ていた市町村の指示解除が続いている。自治体は道路や電気水道などインフラの整備を着々と行っており、この部分については問題がなさそうだ。ただ、多くの世帯でプロパンガスを使用しているのでボンベの補給体制が必要だ。 
住民の帰還条件は安定収入、医療・介護、買い物、防犯・防火などだが、戻ってくる人の多くは高齢で年金で生計を立てている。生産年齢の人たちは復興関連の人手不足で、求人倍率はどこよりも高い。医療・介護についてもやや遅れ気味ではあるが、県や市町村が施設の建設や医療スタッフの確保計画を進めているので、これに期待したい。

防犯・防火も警察、消防、消防団などがそれなりの体制をとって現在もパトロールなどを実施している。郵便局、銀行、新聞販売店も住民の帰還に合わせて支店や支局の再開を目指している。それまでの間も地銀は4トントラック荷台に現金自動預け払い機(ATM)や窓口カウンターを組み込んだ移動店舗車での営業を行っている。

問題は日常の生活を維持していくための食料品、日用品の買い物だ。除染作業者や廃炉関係者の需要を当て込んで、コンビニ、ガソリンスタンドが国道6号線沿いで相次いで開店しているが、これだけでは不十分だ。もともとイオンなど大手のスーパーはなかったが、地元の人々は地方の中堅スーパーであるヨークベニマル、マルトー、キクチスーパーなどで日用品、食料品、衣料品を購入していた。

これらのスーパーは各市町に1から3店を展開し、高齢者などのために購入したものの宅配も行っていた。また、ファーストフードのチェーン店も併設していた。いわゆる地元商店街は後継者問題もあって、全国各地に見られるようにスーパーに押されてしまっていた。これらのスーパーをいつまでに営業再開させられるかが、帰還後の生活の利便性に大いに影響する。

いままでは高齢者は同居していた若い世代に車に乗せてもらい買い物など用足しをしていたが、今後は高齢者だけになる。そのために買い物バスを走らせ、あるいは家から注文し配達してもらえるようなやり方を実現する必要がある。

地銀などもそうであったように、地元のスーパーは地元の消費によって成長してきた。であれば、避難指定解除に合わせて地元住民のために1日も早く店を再開させ地元貢献をするべきだ。再開は廃炉や除染の関係者にも大きな恩恵となる。「たまごとニワトリ」のように消費者が少ないところに店を再開しても、十分な売上が期待出来ない、従業員が集まらないと言っていては、いつまでも帰還者が増えない。これからの課題である過疎地、高齢化社会における流通業界のモデルケースとして挑戦してもらいたい。地元自治体も条件整備などをすることでこれらのスーパーに店舗再開や出店を促すとともに、買い物バスの運行など住民への支援を考える必要がある。

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