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今年の町民懇談会

先日、郡山市のビッグパレットふくしま(被災当初避難していた県の展示施設)で開催された富岡町の町政懇談会に出席した。懇談会は年1回秋に開催される。富岡町は依然として全域が避難対象となっているため、避難している町民を対象に数箇所で同じ内容で行われる。
(以下、私が参加した懇談会の内容)
今回は前回より集まった町民の数が少ない。すでに他の場所に移住を決めて生活の基盤が整うことで、富岡町へ帰還しようという意欲のある町民が少なくなったのではと心配になる。逆に考えると今回集まった町民は帰還の意欲が強い人たちなのかもしれない。参加者全員に30ページの小冊子が配布され、町長の挨拶に続いて各担当課長から説明が行われた。内容は「将来を見据えた町の考え方」、「避難生活に対する取り組み」。
今回新たにわかったこととして、
・町長は第一原発に近い帰還困難区域を除く全域(人口で3分2を占める)を平成29年4月に避難指定解除し、町民を帰還させようとしている。条件としては除染、インフラ、生活関連施設サービスなどの状況。
・町は新産業の創出として、国と県に廃炉に関する廃炉国際共同研究センターの研究棟の誘致を約束させた。
・環境省が富岡町に造ろうとしている指定廃棄物(8千~10万ベクレル/kgの焼却灰や不燃物)の最終処分場について、町民の反対があるために、町は国に対してさらなる安全対策、風評被害対策、地域振興策などの提示を求めている。
・町として事故により発生した税の減収分、かかった費用などを東電に請求 しているが、今までに町として1億4300万円の賠償を受けている。
・営農再開に向けて着々と取り組んでおり、実績があがっている。
・シャープによる町内の工業団地内ミドルソーラー2.2MWが竣工し、町の事業収入として約1億円の収入を予定していること。そのほかにも町内でいくつかの計画がある。
・町の半分はすでに水道が復旧したこと。除染は宅地の59パーセントが終了し、全体でも57パーセント終了となったこと。

今回、参加した町民からの発言内容は次のようなものであった。
・早すぎる帰還判断
今、居住制限区域は帰還困難区域と線量があまり変わらない。29年4月に帰還は時期尚早だ。しっかり除染をしてから帰還すべき。帰還後一年で精神的損害賠償が打ち切られるので、町民の住んでいる地域で賠償に差がついたままになってしまう。前の町長は全町民一緒に帰還しよう(全町民賠償が同額になる)と言っていたがその約束はどうなったのか。
・帰還困難区域に冷たい
説明内容が居住制限区域、解除準備区域のものばかり。帰還困難区域は他 の区域で除染した土壌の集積場になり中間貯蔵施設に搬出も出来ず、帰還の見通しはない。月一度しか立ち入れない帰還困難区域に痛みが集中している。
・専門家だけの委員会
除染や帰町に関して委員会を設置するとしているが、専門家だけでなく町民代表も委員にするべき。
・最終処分場に反対
最終処分場を汚染の少ない区域につくることはおかしい。町は受諾を前 提に条件闘争に入っているのではないか。
・賠償の問題点
地域による賠償に差がある問題が解決していない。持ち家を都市部で建 築するために、不動産の賠償のかさ上げが行われたが、すでに家を建てた人は適応されずに怒っている。また、全額を家につかわずに老後の資金にしようとしても出来ないのは困る。

懇談会は2時間で閉会。なるべく多くの町民の意見を聞くために、今回よりアンケートが配布され、質問や要望、回答連絡先を記入して終了時に提出する工夫がされていた。

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