日本エネルギー会議

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正しい損害額

公益財団法人自然エネルギー財団(理事長は菅総理に再生可能エネルギー買取制度を作らせ政商と呼ばれる孫正義氏)のホームページに「原発停止による3.6兆円の国富流出」試算の検証と題する文が掲載されている。それによると政府は、原発稼働停止に伴う火力発電の炊き増しによって、2013年度の燃料費が2010年度と比較して3.6兆円増加したとしているが、これは火力発電量の増加の影響を過大に表現していると主張している。

政府試算は、原発による発電の減少分の全量をそのまま火力発電で代替することを前提としたが、震災後、大幅な節電が進んだことなどにより、実際の火力発電の増加量は、政府試算より3割程度少なかった。政府試算は、この減少分を考慮していない。

政府試算の増加額3.6兆円には、LNG価格自体の上昇及び円安の影響という価格要因が含まれている。自然エネルギー財団の試算では、節電等による減少分を考慮すると、燃料費増加額は2.4兆円となり、更に価格要因を除けば、1.6兆円となるというのだ。こうなると一般の人には政府発表が信用出来なくなる。詳しくは次のサイトで閲覧出来る。
自然エネルギー財団

一方、全原発が4年以上停止したことの損害はあまり話題にならない。停止がなければ1基で年間平均500億円分の電力が産まれたはずだとすると、500億円×50基×4年間で10兆円の収入がパーになった。燃料は消耗せず、定期検査費用の1基年40億円は不要だったが、人件費など維持費に1基年間20億円かかったとすると、全原発で4年間に4000億円が支出された。たぶんこれ以上かかっただろう。これに対する収入はゼロである。

当面40年間としている原発の運転期間のうち既に4年間を失った。今すぐに全原発を運転再開したとしても、運転開始から廃炉までの運転期間が1割少なくなったことで、発電単価を1割上げなければ停止するまでに初期投資が回収しきれない。新基準適合のために追加投資が行われたが、この回収も発電単価を押し上げる。
新設の原発の発電単価は高くなるが、既存の原発はこれから安い電力を生み出せると思っていたがそうではないようだ。もちろん、このまま廃炉にすれば未償却分が一気にのしかかるので、運転再開したほうが当面の財政面での影響は少なくて済む。

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