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調査結果の意味するところ

富岡町の広報誌11月号に今年の8月に実施した住民意向調査結果が紹介されている。
富岡町HP
このアンケート調査には町の全世帯の約半分にあたる3635世帯が回答した。回答者の28パーセントが70歳以上、26パーセントが60歳台。合わせて54パーセントになる。調査に関心を持って協力を惜しまなかったのは高齢者であり、結果を見る際にはこのことを念頭におく必要がある。

町民の現在の避難先は、いわき市が40パーセント。郡山市が21パーセント。県外が25パーセントとなっており、意外に県外が多い。東京など都会に行った人、高齢で東京など他県にいる子供の所に引き取られた人がいるようだ。

現在住んでいるのは、持ち家が33パーセント。仮設住宅が12パーセント。借り上げのアパートなどが27パーセント。これに対して建設の遅れている復興公営住宅はまだ3パーセントだ。賠償金で家を建てた人が三分の一に達している。建てた場所は一番が「いわき市」で、二番が「郡山市」だ。復興公営住宅へ入居を希望する世帯は全体でも14パーセントに過ぎない。建設の遅れもあるが、自宅を造るだけの経済力を持っているということだ。

次に職業についてだが、職を探していないとする無職が37パーセント。これは年金生活をしている高齢者だ。探していると答えたのはわずか7パーセント。避難者の30パーセントが既に避難先に職場を得ている。

帰還の意向については全体で51パーセントが「戻らない」と決めている。戻りたい気持ちが強いと考えられる70歳以上でも44パーセントが「戻らない」であることには驚く。まだ判断がつかないとしている世帯が全体で29パーセントいるのがわずかな希望の光である。もっとも、戻りたいと回答した世帯でも解除後すぐに戻るという世帯は33パーセントに過ぎない。要するに、現時点で戻る意思のある14パーセント(1000世帯)のうち解除直後はその三分の一である330世帯で元の町での生活が始まるということである。これは今までに区域解除をした川内村や楢葉町の実績より、はるかに厳しい数字だ。「まだ判断がつかない」としている2000世帯がこれにどのくらい加わるかはまだ見えない。

帰還しない、あるいは帰還に踏み切れない理由はさまざまだが、「原発の安全性」や「医療などのインフラが整備が不透明」という以外には、「避難先の方が生活利便性が高いから」「帰還まで時間がかかるから」「既に避難先に生活基盤ができているから」という回答が多かった。これが本音であろう。

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