日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

事故後5年で見えてきたもの(5)

(放射能と時間経過)

福島第一原発の事故後、広範囲に飛び散ったセシウムなど放射性物質は物理的半減期で徐々に放射線を出す力を減衰していく。さらに広範囲な除染をすることによって放射線の影響を減らす努力がこの5年間になされてきた。

今月始め、原子力規制委員会は福島第1原発から半径80キロ圏の放射線量は、比較可能な2011年11月時点のデータと比べ65%減少したと発表した。除染など一切していない富岡町の私の家の庭の線量もこの5年間で半分以下となっている。物理的な半減期に加えて、風雨で流されたり、地中に潜ったことも影響があるかもしれない。

現在、放射性廃棄物はフレコンバッグと呼ばれる黒い袋に入って、双葉郡のいたるところに山積みにされている。この中に入っている放射性廃棄物も半減期によっておよそ3年で発生当初の半分になっているはずだ。セシウム134が半減期2年で半分になったあとは、半減期30年のセシウム137が中心になるので、そこからはゆっくりとした減衰となる。それにしても事故から5年経過したという意味は放射性廃棄物の問題にも影響してくる。
セシウムの”半減期”

※初期にCs134が1000、Cs137が1000と仮定。横軸は経過年数

気になるのが除染によって生ずる放射性廃棄物の中間貯蔵施設予定地の確保が、地権者探しが難しいことや同意がとれないことで一向に進まず、まだ全地権者の1パーセントとしか合意出来ていないという事実だ。30年後には中間貯蔵施設から県外の最終処分場(まだ探せてない)に搬出することになっている。

この調子では、中間貯蔵施設が建設され、そこに本格的にフレコンバッグが持ち込まれる頃には、放射線量はかなり低くなって管理しなくてもよいレベルの廃棄物が出ると思われる。となると、今計画している中間貯蔵施設の広い用地は必要なのかという疑問も湧いてくる。フレコンバッグの中に入っている廃棄物の線量がどの程度のものがあるのかは不明だが、既に区域解除をして帰還を促している楢葉町内に大量のフレコンバッグが三段積み、五段積みで仮置きされているのを見ると、それほど線量は高くはないのだろう。

放射性廃棄物はどこに置いておいても、同じように減衰するのだから、中間貯蔵を飛ばして最終処分場で覆土して遮蔽し、さらに放射能の減衰するのを待つことは出来ないものか。そうすれば手間と金のかかる廃棄物の運搬も一度で済む。県内にも国有地や県有地があるのだから、同意を得にくい双葉町大熊町の民有地にこだわらずに中間貯蔵施設兼最終処分場探しをする手もある。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter