日本エネルギー会議

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除染について考える

福島第一原発の事故後、県内では大規模な除染が行われている。避難区域に関しては国がゼネコンを元請にして全国から作業員を集めている。南相馬市などを中心に避難区域の外側においては作業員の宿舎、コンビニ、ガソリンスタンド、飲食娯楽などの特需となって関係者は大いに潤っている。浜通りの大動脈である国道6号線はダンプカーがひっきりなしに通る状況だ。

避難区域以外では、県内各地で道路、住宅、道路などの除染が事故から5年たったいまも続いている。それぞれ地元の建設業者が管理事業共同組合を作って除染作業を受注しているが、私の現在暮らしている須賀川市(中通りにあり、郡山市に隣接し人口は約7万人)でも、市役所が管理事業協同組合に発注した除染が行われている最中だ。

線量計を携えた係員が「除染のために家の周囲の測定をさせてください」と地図を見ながら各戸を訪問して測定をしている。一週間後には係員が再訪し、住人に線量測定結果報告書をくれる。私の暮らしている家の庭の平均空間線量は地表1センチで0.27マイクロシーベルト、同50センで0.16マイクロシーべルト、同100センチで0.13マイクロシーベルトであった。

係員は「一応平均では基準値以下ですが、除染はどうします」と聞いてくる。7箇所の測定ポイントのうちに最高値が地表1センチで0.68マイクロシーベルトだった。私は「除染はやらなくていい」と答えたが、「やって欲しい」と言えば業者は喜んでやるようだった。数軒先の家では「やって欲しい」と言われたようで、先日、家の周囲に足場が出来て、数人がかりで除染が行われた。またその数日後に再び除染中の看板が出たので、聞いたところ「今度は家の周囲と庭の土の入れ替えです」とのことだった。もう一軒では家の周辺の土のほか、駐車場に敷かれた玉砂利がすっかり新品に入れ替えられた。おそらく一軒あたりの除染費用は数十万円を下らないと思われる。こうした除染は双葉郡の避難区域で区域指定解除のために行われている除染とは意味が違う。事故以来ずっと暮らしているところの除染なので、住民の安心のための除染ともいえる。安心は高くつくものだ。

先月、新幹線の郡山駅前の通路の除染をしていたが、これなども既に5年間にわたって何十万人もの人が毎日通過してきた場所でいまさらながらに土を入れ替えるなど、喜劇を見ているようだ。除染費用は自治体から東京電力に請求が行き、最終的に電力消費者が負担することになるが、全国の電力消費者の皆様が除染の実態を知ったらどう思われるかと心が痛む。

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