日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

アナロジー

アナロジーとは、複数の事物間に共通ないし並行する性質や関係があること,またそのような想定下に行う推論。「いつかきた道」と思わせるのもアナロジーだ。昔、軍部が「石油は南方で確保出来る、満州にもあるはずだ」と、確かな根拠もないものをあてにして僅かな石油備蓄で突入した太平洋戦争、その結果の大敗北。

戦後で言えば、最終処分場のあてもないまま原発を海外から導入、国産化、大型化しつつの急速な基数の拡大、その結果、使用済プール満杯による原発停止の可能性に怯えながらの運転、尻に火がついての中間貯蔵施設建設用地探し。「トイレなきマンション」などと揶揄されながらも、よくよく先送りが好きな業界だ。

福島第一原発の事故では、県内の除染による廃棄物の中間貯蔵施設の建設用地確保の当てもないまま、県内全域に散らばした放射能を大量の作業員を動員して広範囲に除染。汚染土壌や廃材の入った黒い袋の大群が行き場を失い、避難解除を受けて帰還しようとする住民をたじろがせている。

福島第一原発の構内では処理はできるが処分が出来るあてのない汚染水を入れた1000基を超えるタンクがあり、タンクを増設するスペースが日に日になくなっている。最後は原子力規制委員会の田中委員長が言うように、福島県民や漁業者に海中放流の苦渋の決断を迫ろうとしている。

そこに現れたのが、福島第一原発6機の廃炉にともなって出てくる放射性廃棄物の問題だ。5、6号機こそ事故にならなかったが、1から4号機は事故炉で放射能汚染も半端なものではない。一般の廃炉で出てくる汚染レベル区分による放射性廃棄物の量とは比較にならない。それをいったいどこに持って行くというのか。既に廃炉作業はスタートして5年になる。

日本初の商業用原子炉は東海原発。私が勤めていた日本原子力発電はその原発を1998年で運転終了、その後すべての燃料を取り出し、廃炉準備ののち2001年に社員自らの手で解体作業を開始した。原子炉の解体は当初の計画から5年遅れの2019年を予定している。

今後最大の課題は解体に伴って出てくる放射性廃棄物で、最も低レベルのものは今般ようやく東海村村長が東海原発構内に埋設処分することを承諾したが、中・高レベルの放射性廃棄物の処分先は未定。これ以上解体を進めることが出来るのか不透明な状況だ。

福島では建屋や機器とともに最大の難物は1・2・3号機の核燃料デブリ。例え取り出す技術が開発出来たとしても、処分場が見つからねば、おいそれと取り出しは実行出来ない。これもアナロジーだ。

スリーマイル島原発事故でメルトダウンした核燃料デブリ134トンは、容器に入れられアイダホ州アイダホフォールズの国立研究所まで運搬し保管されている。福島第一原発で「石棺」方式採用ということにでもなれば、これはチェルノブイリとのアナロジーになる。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter