日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

前代未聞の選挙

任期満了に伴う富岡町議選は17日告示、27日投票でスタートした。選挙期間は通常の倍の10日間。福島第一原発の事故のために住民全員が県内外に避難しているため選挙運動がしづらいための措置だ。定数14に対し、現職13人、新人2人の計15人が立候補したこの選挙は、候補者も有権者も地元にいないという点で変則的な選挙となっている。選挙管理委員会が準備した選挙ポスターの掲示板は、町民が一番多く避難しているいわき市、郡山市にそれぞれ4カ所、仮設住宅のある三春町と大玉村に1カ所づつある。

現在の有権者数は1万1382人で、住民票が富岡町にある人が有権者としてカウントされている。過去の選挙での有権者数は次のとおりだ。
2012年3月25日:11763人
2013年7月3日:11732人※57票差で勝敗の決まった町長選。
2015年3月1日:11517人
2016年3月16日:11382人

これで見ると有権者数はこの4年間は微減で、この減り方は自然な人口減少程度だ。本来ならば事故後に新たな地で生活を再スタートさせた町民が全員住民票を移したとしたら有権者数は激減しているはずだ。これは富岡町より早く避難区域が指定解除された楢葉町が帰還率数パーセントであることからも推定出来る。にもかかわらず有権者数が福島第一原発の事故直後よりほとんど減っていないのは、賠償などのことを考えて実態は移住しているにもかかわらず住民票を富岡町から新たな家のある自治体へ移していない人がほとんどであるからだ。

富岡町は現地には、まだ指定解除されていない土地や施設は存在するものの住民不在の状態だ。しかも、その住民は今も将来も、架空の住民と言わざるを得ない。その住民が選ぶ14人の町議会議員は、帰還するであろう数百人の住民のための議員なのか。これから町に住む予定も定かでない10000人近くの人が、町会議員を選ぶ権利を行使しようとしているというのは前代未聞だ。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter