日本エネルギー会議

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これからの生活

日銀福島支店が4月1日に発表した福島県の景況判断によれば、全体でプラスを維持したものの前回の調査からは悪化。特に建設業の悪化が目立ち、復興景気はピークを過ぎたようだ。避難区域を除く除染は、県内のどの地域でも完了に近づいている。

避難している人々は避難先に自宅を建てたり、仮設から公営住宅に移るなど 帰還の意思表示とは裏腹に、実態として避難とは言えない部分も生じている。事故から5年経過したことで、その間に各人に起きたさまざまな出来事のために現在の状況は千差万別となっている。まず居住する場所が変わったことにより家族構成(結婚、出産、離婚などもある)、周囲との人間関係、職場、学校、病院なども変わった。高齢者は年金生活のままだが平均年齢が5歳上昇し、子供との同居がなくなり健康面での心配が増えている。要介護度が上がった人もいる。この5年間に亡くなった方も5パーセントほどいる。

不動産の賠償で受けた金はほとんどが新たな家の取得に消え、精神的損害賠償をしっかり貯蓄した人とそうしなかった人によって大きな差が出ている。緊急避難という状況のなか、思いもかけなかった大金を手にしたことで、遊興費などに安易に使ってしまった人もいる。逆に増やしたり維持出来たりした人は少ない。

転職した人、新たな土地で事業を再開した自営業の人は、その結果がどうであれ、今年度で営業損害や就労不能損害の賠償がほぼ終了する。自治体は義援金の最後の分配をしつつある。なかにはこの間、ずっと働かずに賠償で得た金で生活していた人もいる。無料の仮設住宅で我慢してきた人も、これからは公営住宅に入り家賃がかかるようになる。健康保険税の免除や高速道路の無料措置なども今年度で終わりそうな気配がする。預金通帳の残高は減る一方で、これからの生活は引き締めて行かなければならないと考える人が増えている。

仕事や商売がうまく行かなくなる人、生活苦に陥る人、要介護や持病が悪化する人、連れ合いを失って孤独になる人が続出するはずだ。そうなると必ず「東電があのような事故さえ起こさなければこんなことにはならなかった」と言うようになる。国や東電はそのことを覚悟しなくてはならない。

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