日本エネルギー会議

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課税強化による格差の拡大

朝日新聞の「声」欄(2016.4.10)で茨城県の48歳の会社員が、原発立地地域の自治体が交付金減などの穴埋めとして使用済み核燃料税の強化をする傾向に対して、その負担がそのまま電気料金へ転嫁されることを「原発を打出の小槌ではない」と批判している。ここしばらく、電力会社は廃炉によって先細る原発からの恩恵をなんとかしようとする原発立地自治体の要求が高まることを覚悟しなくてはならない。電力自由化後の9電力会社は、課税強化分を電気料金に組み込み続けることに対する消費者の抵抗を受けると思われる。

自宅にソーラーを所有する人たちは買電が少ない分、この負担を逃れることになる。かねてから、ソーラーで発電した電気を破格の高値で買い取るFITは「貧乏な人から金を巻き上げて金持ちに渡す制度だ」という批判があった。これからソーラーと組み合わせる定置式蓄電池が適当な価格で家庭に普及すれば、金持ちたちはそれを設備することで、ほとんど電力会社からは電気を買う必要がなくなり、使用済み核燃料課税分の負担をしないで済むようになる。

すでにセキスイなど住宅メーカーは薄型の高性能蓄電池の開発によりゼロエネルギー住宅を販売しようとしている。そうなるとソーラーを所有しない人たちや古い家に住んでいる人の負担はますます大きくなり、高額の電気料金を支払わねばならないので、経済的格差を今後増大させる可能性がある。

そうならないよう、政府は自治体の使用済み核燃料税課税に関するなんらかの制限と、過去に原発の電気の恩恵を受けたことによる見返りとして、より多くの電力消費者が使用済核燃料の管理、処分について公平に負担をするような仕組みを考えなくてはならない。

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