日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

成功を活かす

福島第一原発の事故後、原子炉安全のためのハード、ソフトについてさまざまな問題点、反省点が指摘され、それが規制基準づくりや避難計画の見直しに活かされてきた。それらはIAEAなどを通じて世界各国に伝えられ欧米、中国など各国の原発や規制にも反映され、日本の大きな失敗は世界の原発の安全強化に活かされている。

福島第一原発の事故に際しては3基の原子炉がメルトダウンしたものの、いくつもの幸運が重なって格納容器の爆発や燃料プールの燃料溶融は免れ、首都圏住民の避難はかろうじて免れた。いくつもの幸運は、当たり前のこととして受け取るのではなく、その幸運がなかったらどうなったであろうかということも考えなくてはならないが、そのあたりはまだ検討が十分に行われてはいないのではないか。各事故調の報告書や吉田調書などを読み返すたびに、今後のためになるヒントは発見出来る。

事故の経過を詳しく見ると「この設備があったからなんとかなった」「ここでその決断をしたから流れが変わった」「あのような巨大な地震と津波があったにもかかわらずこれだけは機能したので大いに助かった」といった事例が数多く見つかる。例えば、吉田所長も証言しているように「免震重要棟が完成していなかったら、あのような対応はまったく不可能であった」とか、「地震で多くの通信手段が破壊されたにもかかわらず、東電の本社と現場の間のテレビ会議システムはずっと生きていた」「格納容器内部は設計圧力以上になったが容器は大きな破壊を免れた」。などである。これらは幸運ではなく実力と言ってもよいものだ。「何故壊れなかったのか」「壊れずに使用出来たことで、どのように事故収束に役立ったのか」それなりの説明がつくはずだ。この点についても出来るだけ掘り起こして、国内外の関係者が情報共有をし、現状で不足していれば補っておく必要がある。

2011年3月以前、日本では国内外の原発事故について「失敗の原因」、「恵まれた幸運」「事故対応成功の原因」について、真摯な検討が行われなかったことも福島第一原発の事故の遠因である。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter