日本エネルギー会議

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大規模な災害対策を

何年かに一度は住民避難を伴う大災害が起きる日本では、同じ地域での大災害の繰り返しは少なく、どの自治体も対応は初体験となり混乱しがちだ。東日本大震災に続く今回の熊本地震は、大規模災害が全国どこに起きても対処出来るような体制、ルールづくりをしておく必要性を示唆している。

大災害が起きると自治体は人命救助、不明者の捜索活動、住民への避難指示、二次災害防止、避難所の確保と運営、インフラ復旧と矢継ぎ早に対応を迫られるが、自治体の職員自身も避難者となる場合が多い。物資も必要であるが、対応する人手が不足して職員が精神的にも肉体的にも極限状態となる。県内あるいは他県からの応援、姉妹都市からの職員派遣などが行われるが、これをもっと計画的組織的なものに出来ないものか。原則は隣県からの応援となるが、東日本大震災のような大規模広範囲な災害では、青森、岩手、宮城、福島、茨城はそれぞれ応援する余裕はない。従って、南北に加えて東西の隣県とも連携しておくべきだ。

突然、応援のために派遣される職員は地理や組織がわからないままに業務をしても効率が悪く、やり方を教え、指示をしなくてはならない被災県の自治体職員の負担にもなる。そこで、隣県との相互援助協定により、普段から職員の数パーセントを互いに数年間派遣しておくことが考えられる。これによって地理や施設、組織に関する知識、人との繋がりを理解しておくことで、実際に応援派遣した者が即戦力となる。災害時、派遣側は思い切って人数を出す。業務の穴埋めは他県から派遣してもらえばよい。

避難所の開設、災害弱者へのケア、輸送手段の確保、ガソリンや水の供給、防犯、行政の緊急時体制への切り替え、医療機関などへの支援、ノロウィルス対策、栄養管理、心のケア、義援金の分配、ボランティアの受付、罹災証明発行など大災害時の自治体業務について実戦で得たノウハウを蓄積し、全国の自治体で共有する仕組みを作り上げなくては、阪神淡路、東日本、広島、熊本での苦労が活きない。

今回、福島県は熊本県に職員を応援派遣したが、併せて原発事故による住民の避難についても、福島第一原発の事故で県や市町村で経験したことを基に、他の原発立地県、自治体のためにノウハウを形あるものとして残すことが福島県の課題だ。浜通りにある自治体の庁舎や関連施設を使い、全国の自治体職員のための研修会を福島県が定期的に開催することを提案したい。

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