日本エネルギー会議

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住民の帰還促進策(2)

福島県内の避難指示区域が次々と解除されているが、住民の帰還はいまだ進んでいない。前回に続いて住民の帰還促進策を。

7.廃炉に対する不安解消
「帰還して元の町に暮らす場合、福島第一原発の廃炉は続いている。第一原発では今でも炉心に水をかけ続けている。5、6号機と第二原発は残っている。再び大地震や津波が来た場合、また避難させられることはないのか。再び放射能を撒き散らしたり海を汚染させたりしないのか」と避難者がよく口にする。今年のはじめ、避難している世帯に、自治体を通じて資源エネルギー庁原子力発電所事故収束対応室が作成したパンフレット「廃炉の大切な話」(A4版)が今年二月に1回だけ配布された。そこには
・再び爆発しないか?⇒ 水を掛け続けており熱量はぐんと落ちてきている。
・再度の地震、津波に耐えるのか?⇒ 解析結果では建屋は大丈夫、非常用電源は確保されている。
・放射性物質の飛散、海水への漏洩はないのか?⇒ 事故から数ヶ月で測定結果は下がったままである。と記されている。




このパンフレットは経済産業省資源エネルギー庁作成だが、これとは別に内閣府が発行した「廃炉・汚染水対策ニュースレター」が存在する。これはネット上で資源エネルギー庁の「廃炉・汚染水対策ポータルサイト」から入って見ることが出来る。問合わせたところ印刷物にもなっているようだが、富岡町の広報担当者によると、これを見たことはないし、配布を内閣府から依頼されたこともないとのことだった。さらにこのニュースレターは昨年の6月に第6号を持って廃刊となっている。

また、東京電力からは毎月第一原発、第二原発の現状を説明したカラーコピーが役場の広報誌とともに避難先に郵送されてくるが、その内容はまだまだ一般住民に理解しやすいものではない。インターネットがあれば、経済産業省や東京電力のサイトも見ることが出来るが、それなりの素養がないと理解は容易ではないし、一般住民でそこまで追いかけることは少ない。このあたりは「資料は配布しています、インターネットを見れば出ています」というアリバイづくりに見えてしかたがない。新聞やテレビは、避難住民が口にするこの心配を取り上げることがほとんどない。

国は自治体に協力してもらい、住民に対する説明会を開催し、質疑を行って、現地の原発の安全性を理解する住民の数を増す必要がある。国が新聞などに意見広告を出してもよい。特にこれから福島第一原発に近い自治体の解除の前には、住民への丁寧な説明をするべきだ。その際には、追加工事を実施したので、地震や津波でも原発が壊れることがないという説明だけではなく、次に事故になったとしても住民の避難などについて、今度はこのように避難誘導をするという説明を加えるべきである。

つづく

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