日本エネルギー会議

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刈羽村長の発言を真摯に受け止めるのが国民の責務

日本のエネルギー政策を再構築するためには、原子力発電所の果たしてきた役割を十分に検証し、今後の位置づけをどうするかが基本となる。この議論を進める際には、我が国の電力安定供給を確保する現実的な道筋をしっかりと策定することが欠かせない。合わせて十分に考慮しなければならないのは、これまで消費地に安定した電力を供給する立場を担ってきた原発立地地域の事情もあげられよう。

こうした立地地域を「原発マネー依存」と決めつける論調があるが、各地域はそれぞれの置かれた事情の下で、自らのあり方について真剣に議論を重ねてきた歴史を持っており、地域個別の問題だけでなく、日本経済全体やエネルギー安全保障をも含めた重い課題に対しても取り組んできたという現実を軽視するのはあまりに一面的な見方と言わざるを得ない。

◆原発と正面から向き合ってきた経験が生む発言
東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の原子力規制委員会への再稼働申請をめぐって、新潟県や柏崎市、刈羽村との調整が注目されている。こうした中、立地地域である刈羽村の品田宏夫村長が9月13日夜のBSフジ・プライムニュースに出演し、立地自治体としての考え方を率直に発言した。
品田氏は1991年に刈羽村議に初当選、その後村議会議長を経て、2000年12月、村長に就き現在4期目。柏崎刈羽原発とは長年にわたって正面から向き合ってきた人物である。

同氏は、「脱原発論」や「原発マネー依存」といった指摘について、「原子力を利用するかは目的ではなく、みんなが幸せに暮らすための道具だと考える。脱原発の方向で行こうというのはいいが、可能かどうかの問題は気持ちでできるものではない。我々は、国のエネルギー政策に敏感だ。エネルギー基地として、いろいろな議論をしてきた。その上で、(原発を)受け入れてきたという矜持はある」と語った。

さらに「原発関連の交付金は(国の)ルールとしてある。(原発には)それだけの価値があると思う。首都圏に、(誘致の理由に)お金のメリットをあげる方がいるが、基本は首都圏、さらには日本が必要としているから受け入れてきたのだ。中東のホルムズ海峡に何かがあったら、この国はどうなるのか。我々は国策という中でもまれてきた。選挙の際も、かなりの議論を続けてきた。そのあたりも踏まえて検証をしてもらいたい」と主張した。

◆現実を直視し、責任あるエネルギー政策の大切さ
また、提言を求められて、「現実を見ていただきたい。刈羽村がどうするということではなく、日本中あげて、国民の皆さんが現実をしっかり見たうえで、いろいろなことを考えてください、と申し上げたい。自然エネルギーの活用は結構だし、私も大賛成。しかし、自然エネルギーが原子力にとって代わるかとなると、それには時間がかかると思います。(自然エネルギーで)出来ると主張される方も大勢いますね。そういう方々に、実現可能なプロセスを踏まえた解説をしてくださいと私は言いたい。現実を無視して理想を語っても、明日のコメがなくなりませんかということだと思います」と、現実的な対策の重要性を強調した。
さらに、廃棄物の処理に関しても「我々が直接関わるということは想像していませんが、日本国内で対処する必要がある。その際に、いやだとか嫌いだという気持を持って、議論に参加しないでもらいたい。これは、日本として何とかしなければいけない問題なのですから」と訴えた。

終始、現実的で責任ある対応の大切さを主張した品田村長の姿勢に、私どもは共感を覚える。こうした議論を日本中に広めていかない限り、我が国が抱えたエネルギー危機を克服する「解」は得られないと認識するからだ。日本のエネルギー政策を再構築するには、誰かに責任を押し付けたり、実現性のない理想論に入り込むのでなく、正面から現実に取り組む以外に方法はないのである。品田村長は、その大切さを自らの信念と言葉で語ってくれた。

2013.9.17
日本エネルギー会議事務局

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