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【北村俊郎】 復興計画のリセットを(その三)

「早期の帰還宣言」の内容に実現性があるかないか。多くの住民がかつて住んでいた場所を見放されたことで、既に勝負は着いてしまった。各自治体は、復興計画の見直しをするべき段階に来ている。復興庁が避難した住民に対して行ったアンケート調査結果を、各自治体はさらに分析し、最終的に住民登録を動かさないでくれそうな世帯を集計すれば、元の住民が今後どの程度戻ってくるか、かなり正確に予測出来るはずだ。

一年過ぎるごとに住民が高齢化し、住民の1パーセントが毎年(確実に)亡くなっていくことも計算に入れなくてはならない。これは全住民の1パーセントということであり、高齢者だけとってみれば、亡くなるパーセントは数倍高い。団塊の世代は5年以内に高齢者になる予備軍だが、それらも徐々に数を減らして行くことが統計上わかっている。そして、その結果を地図上にプロットしてみると良い。それによって5年後10年後の町村の人口を正しく推定し、町村合併も視野に入れた検討を今直ぐに開始すべきだ。 

まだ全体の半分近くいる「帰還しないと決めていない」住民についても、人数だけでは判断はできない。判断出来ないと答えたり、過去に帰還すると答えたことにこだわっている人もいるからだ。年齢、性別、職業、所得、自宅の有無、世帯構成、町内で居住を希望する地区などもしっかり把握する必要がある。これによっておおよその動向が予測出来る。多額の不動産賠償金を手にした人ほど、多額納税者ほど他に土地を求めて家を建てる可能性が高い。

福島第一原発、第二原発が廃炉になれば、自治体が従来受けてきた固定資産税、電源三法交付金、事業税、寄付金、住民税など、さまざまな収入も減る可能性がある。そのような財政状態でどこまで住民サービスが可能なのか。各自治体の予算規模、役場の職員数も当然、見直しをかけねばならなくなる。インフラ整備も、元に戻すといった単純なことではムダが多くなりすぎるし、中間貯蔵施設との関係も考慮すべきだ。

富岡町は今回落選した遠藤町長の時代に、町の再生復興のためのコンパクトシティ構想を打ち出している。今後、人口が減り高齢化した住民の生活を守るためには、今までのように町全体に広がって居住をし、各施設も方々にあるのでは維持管理も出来ないとの思いから、役場や病院など公共的な施設を一箇所に集め、住民をなるべくその近くに居住させることで、効率的な町の運営を図り、高齢化した住民も便利に暮らせるというものだ。今日、これを一歩進めて、住民の気持ちに沿って、さらに現実的なプランを再度描いてみる必要がある。

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